厚沢部町４年度教育行政執行方針　ヤングケアラー対策を　厚沢部小で１日防災学校

（市町村 2022-03-10付）

鈴木教育長

　【函館発】厚沢部町教委の鈴木聡教育長は、８日の町議会定例会で４年度教育行政執行方針を説明した。ヤングケアラーに対する認識を深める取組を進めるとともに、関係機関との連携を強化するとした。また、児童生徒の防災意識の向上に向け、４年度は厚沢部小学校で１日防災学校を行う考えを示した。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼確かな学力の育成

　ＩＣＴ機器を最大限に活用した児童生徒個々に応える「わかる・できる・おもしろい」を実感できる従来の型に拘泥（こうでい）することのない魅力ある授業の一層の充実を図っていく。

　習熟度別少人数指導やチーム・ティーチング等による個別最適な学びと協働的な学びを一体的に行う効果的な学習指導の充実に取り組むとともに、主体的・対話的で深い学びの中で獲得した物事を捉える視点や考え方である見方や考え方と、それを支える資質・能力が相互に高め深め合う好循環の確立に努めていく。

▼いじめや不登校・児童虐待の対応

　いじめの未然防止と適切な対処のため、定期的ないじめアンケートや教育相談を実施し、積極的認知と迅速な対応を可能にする校内体制を一層充実させるとともに、ネットトラブルの未然防止や状況把握のため、定期的なネットパトロールを継続し、様々な機会を通して情報モラルの育成を図っていく。

　特にヤングケアラーについては、３年度当初に独自のヒアリング調査を小・中学校において実施し、教育活動全体を通した気づきの重要性と、複数での情報共有・確認・相談など、迅速な対応を努めてきた。

　今後も児童生徒・教職員・保護者等のヤングケアラーに対する認識を深めるとともに、関係機関との連携体制構築に取り組んでいく。

▼異校種間の連携・接続の推進

　認定こども園と小学校の連携・協力による小１プロブレムの解消や、アプローチカリキュラムとスタートカリキュラムの相互理解をもとにしたスムーズで効果的な接続と連携に引き続き努めていく。

　小・中学校間の円滑な接続のため、町スタンダード５の共通理解と児童生徒一人ひとりのスタディログ（学習履歴）をはじめとしたデジタルポートフォリオの作成と引き継ぎによるつまずきのない一貫した指導体制の構築に努めていく。

▼学校における安全教育の充実

　防災関係機関の協力のもと、児童生徒の防災意識を高め、危機対応能力の育成を図る１日防災学校を４年度は厚沢部小で実施する。

　ネット犯罪の防止や情報モラルの育成を図るため、関係機関の協力のもと、ネット安全教室やサイバー犯罪防止教室などの実施に努めていく。

▼学校教育環境整備・充実

　厚沢部小築４５年、鶉小築３８年、館小築３９年、厚沢部中築４４年と、決して望ましい教育環境とは言えない状況にあることから、今後も迅速な対応・整備を継続するとともに、新しい教育環境整備に向けたソフト・ハード両面における具体的な協議を進めていく。

(市町村 2022-03-10付)