佐呂間町4年度教育行政推進方針 国数でデジタル教科書 社会科副読本電子版作成も
(市町村 2022-03-29付)

佐呂間町仲川倫則
仲川教育長

 【網走発】佐呂間町教委の仲川倫則教育長は4年度教育行政推進方針において、国語、算数・数学でのデジタル教科書を試行する考えを示した。また、社会科副読本デジタル版の作成などICT教育を推進していく。

 概要はつぎのとおり。

▼学校教育の推進

▽確かな学力の育成

 家庭学習の習慣化を促すために小学生を対象としたサタディ・スタディの実施、長期休業中の学習サポート、日本漢字能力検定・実用英語技能検定、実用数学技能検定に対する費用助成、中学生を対象としたリーディングスキルテストの実施、個別指導のためのテスト結果の活用など効果的な取組に努めていく。

 学校教育指導を行う教育局への指導主事派遣要請や教員の各種研修会への参加奨励を行い、それぞれの教員がその専門性を発揮して、より実践的な指導が行われるよう学校教育の基盤整備を推進していく。

 さらに佐呂間小学校では、道費での算数専科教員の配置と5年生を少人数学級編制にするとともに、若佐小学校では複式授業の解消を図るため町単独の教員を採用する。英語教育では、本年度においてもALTを派遣し、海外への関心とグローバル的視野、外国語のコミュニケーション能力を養い、複式学級の若佐小学校、浜佐呂間小学校へは英語教育の充実を図るため、引き続き英語授業補助員を採用し、円滑な授業実施に努めていく。また、中学校においても町単独教員と学習支援員を配置し、より充実した教育環境となるように努めていく。

▽ICT教育の推進

 学校でのGIGAスクール構想事業を支援する端末運用保守業務委託の実施、英語をはじめ、国語、算数・数学のデジタル教科書の試行、全科目の問題集や学習コンテンツがそろったe―ライブラリアドバンスの効果的な活用、社会科副読本『さろま』デジタル版の作成、交流アプリケーションを活用した町内小学校間のウェブ交流、経済交流都市の宮崎県都農町の小学校とのウェブ交流、児童生徒・保護者も含めたインターネット利用における情報モラル教育、ネットリテラシーの推進が重要である。

 コロナ禍において、臨時休校や自宅待機期間が数日に及ぶ場合でも学習を止めることなく保障することが大切。そのためには、家庭の協力を得ながら、子どもたち自らがタブレット端末を家に持ち帰り学習ができる機会を増やしていくことが必要。

▽特別支援教育の充実

 特別に支援を要する児童生徒のため特別支援員を全学校に配置し、児童生徒個々に応じたきめ細かな支援を行うことによって、その持てる力を高め自立や社会参加に向けた指導を行っていく。

 佐呂間小学校のことばの教室においては、発音などの一部言語発達に遅滞を有する児童のために一人ひとりに応じた支援に努めていく。

▽豊かな人間性と感性を育む教育の推進

 道徳教育において、子どもたちの発達段階に応じた課題やその背景を視野に入れ、子どもたちが夢や希望を持って未来を切り開き、人間としてより良く生きようとする力が育成されるよう指導の一層の充実を図るとともに、日常のあいさつ励行や人間と生命の価値を自覚し尊重すること、人と調和して共に生きること、人の痛みや思いに共感することなど、心に響く道徳教育を実践し、学校教育活動全般の中でも様々な物事と関連づけながら指導を行っていく。

▽心身の健やかな成長を促す教育の推進

 引き続き佐呂間小学校において体育専科教員を配置し、児童みんなが運動の大切さや楽しさを実感し、運動を通じてのルールの学びとコミュニケーション能力を養い、取組の成果と検証を家庭や地域等で情報を共有し、子どもたちの体力と運動能力の向上に努めていく。

▽信頼される学校づくりの推進

 保護者・児童生徒・教職員による学校評価アンケートを活用し、その結果を保護者や地域住民に公表し学校経営の改善に生かすとともに、全校で導入しているコミュニティ・スクールによって、保護者や地域住民が参画しやすい地域に開かれた学校づくり、社会に開かれた教育課程の推進に努めていく。

 教職員の働き方について、学校の共通課題として捉え、学校長がリーダーシップを発揮し、学校経営の質を向上させ、業務の改善と効率化を学校全体で工夫し取り組んでいく。

 今後も小学校と中学校の学校間連携に加え、保育所、高校とも連携を深め、連続した教育の推進を目指し、就学時と小・中学校の円滑な接続、中1ギャップ解消のための町内小学6年生の交流学習、中高の交流と連携の推進に努めていく。

▽佐呂間高校支援対策

 模擬試験・資格取得検定受験料の補助、部活動遠征費補助、体育文化活動費補助、姉妹校交流派遣事業などに加えて、3年度から新たな支援対策として、卒業生修学応援補助金制度、入学者給付金制度、卒業生就職等応援給付金制度、在校生への教科書無償提供事業、学習用タブレット端末購入費補助事業の5つの施策を講じるとし、一人でも多くの生徒が佐呂間高へ進学を希望するよう、佐呂間高存続対策協議会においても各関係者と協議を重ねていく。

 佐呂間高生の地域魅力発見事業として、3年度から佐呂間高生フォトコンテストを実施し、高校生から見た町の何気ない日常・風景を魅力として発見、再認識することによって「まちづくり」につながるヒントを考えていく事業を4年度も実施していく。

(市町村 2022-03-29付)

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