留萌市4年度教育行政執行方針 AI活用支援ツール導入 学校力向上へ包括的改善も
(市町村 2022-03-30付)

留萌市武田浩一
武田教育長

 【留萌発】留萌市教委の武田浩一教育長は15日、定例市議会で4年度教育行政執行方針を説明した。ICT教育について河合塾との地域包括連携に基づき新たにAIを活用した学習支援ツールを導入する方針を示した。学校力の向上に向けては「学校力向上に関する総合実践事業」の取組の成果を踏まえ、管理職のリーダーシップのもと全校が一つのチームとなった包括的な学校改善を推進するとともに、初任者への丁寧な指導や若手職員の継続的な指導によって将来のスクールリーダーを育成する仕組みを構築していくとした。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼確かな学力を身に付けるための教育の充実

 学校間の連携・接続の推進については、各中学校区における交流授業や中学校教諭による小学校への乗り入れ授業の実施、小・中学校で一貫した学習・生活習慣の定着を図るなど、各教科の系統性を踏まえ、着実に学力が積み上がるよう9年間を見通した学びを構築するため、組織的・計画的・継続的な教育活動を着実に推進していく。

 ICT教育については、全ての子どもたちの個性と可能性を引き出すため、授業における積極的なICT機器の活用を進め、新たに河合塾との地域包括連携に基づきAIを活用した学習支援ツールを導入するなど、個別最適化された学びを実現していく。

 外国語教育の充実については、これからのグローバル化に対応した人材の育成のため、児童生徒のコミュニケーション能力の育成を重視した授業の推進と外国語指導助手を各学校に派遣し、ネイティブな外国語と触れ合う機会を増やすとともに「読む」「聞く」「話す」「書く」などの知識習得のため、実用英語技能検定料の半額を助成し、児童生徒の英語力および学習意欲の向上を図っていく。

 児童生徒の確かな学力の育成については、各種の調査結果を踏まえた組織的な検証・改善のサイクルの充実に努め「指導方法工夫改善」「児童生徒支援」等の加配教諭の積極的活用を推進し、学びの質を一層高める授業改善と家庭と連携した望ましい生活習慣の確立に努めていく。

 特別な教育的支援が必要な児童生徒に対する教育的ニーズに応じた学びの支援については、個別の支援計画の活用を図り、関係機関と学校の連携を推進し、早期支援に努めるとともに特別支援教育支援員の配置を継続し支援体制の強化を図る。

▼豊かな心の育成

 郷土に愛着と誇りを持つ教育については「留萌人」の生き方に触れる機会の充実や地域資源を活用したふるさと学習の機会の充実を図り、特に日本一の生産量を誇るかずの子について学ぶ取組を進める。

 道徳教育の充実については、「考え、議論する道徳」の実現に向けた指導方法の工夫・改善を図るとともに保護者や地域への授業の公開など、学校・家庭・地域社会との連携を図る。

 いじめなどによって尊い命が失われる事案は、保護者や学校にとっても取り返しのつかないことになる。いじめの未然防止に向けた「留萌市いじめ防止基本方針」に基づき、ささいなことであっても見逃さないなど学校などにおいて啓発や学習機会を設けるとともに、関係機関との連携を図った組織的な取組の強化と定期的なアンケートや教育相談活動を実施し、未然防止、早期対応と早期解消に努めていく。

 不登校児童生徒への対応についてはスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど専門知識を有する人材の活用、学校や家庭、関係機関と連携した相談体制の強化を図るとともに、不登校などの子どもたちに対し学習環境を確保するため、子どもたちの個々の状況に応じ、教育支援センターなどの居場所づくりやICTを活用した学習支援など、多様な教育機会を確保していく。

▼健やかな体の育成

 子どもたちの体力の向上については、新型コロナウイルス感染症対策による児童生徒の体力への影響などの把握に努めるとともに、一人ひとりの体力・運動能力の状況を踏まえ、体育専科教諭による指導など運動することの楽しさを味わう体育授業の充実、外部講師を活用したコーディネーショントレーニングの実施など、各校での特色のある体力づくりの取組、体力・運動能力の向上を目指していく。

▼教職員の資質・能力の総合的な向上

 教職員には、様々な今日的教育課題に迅速かつ的確に対応できる資質・能力を身に付け、専門的知識や実践的指導力向上のため、自主的に参加する研修に対する予算の措置やオンライン授業などICT機器を活用した授業の確立につながる研究を市教育研究協議会に委託するなど、教育水準向上のための調査研究に対して支援していく。

 学校力の向上については、「学校力向上に関する総合実践事業」の取組の成果を踏まえ管理職のリーダーシップのもと、全校が一つのチームとなった包括的な学校改善を推進するとともに初任者への丁寧な指導や若手職員の継続的な指導によって、将来のスクールリーダーを育成する仕組みを構築していく。

 教職員の資質や能力向上には、学校における働き方改革と自身の健全な健康管理が第一となる。勤務時間の管理、長期休業期間中における学校閉庁日の設定など教職員が日常的に授業やその準備に集中できる時間や児童生徒と向き合うための時間を確保するための環境を整備し、超過勤務の縮減や負担軽減に努めていく。

▼信頼される学校づくりの推進

 コミュニティ・スクールについては各学校が定めた教育目標やビジョンを地域と共有し、一体となって子どもたちを育む地域とともにある学校づくりを目指して、引き続き留萌市版コミュニティ・スクール事業を進めていく。

 特色ある学校づくりとして、各学校長の裁量で執行できる予算を配分し、外部人材の招へいや児童生徒の主体的な発案によって取り組む内容など、それぞれの学校が創意工夫やアイデアにより学校運営を積極的に取り組めるよう支援していく。

(市町村 2022-03-30付)

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