湧別高 文科省の地域協働高校改革 町内企業就職率が増加 地域の魅力を主体的に探究
(学校 2022-03-29付)

 【網走発】湧別高校(村田一平校長)は、文部科学省・地域との協働による高校教育改革推進事業の成果と課題をまとめた。本年度までの3年間で、総合的な探究の時間「未来計画」、郷土愛の育成、地域参画など、地域の魅力について学ぶ教育活動を展開。卒業生の町内企業就職率の増加、生徒の主体的に取り組む力の向上などを成果として挙げている。

 同校は採択校および事業特例校でないものの、審査で一定の高い評価を得た学校・アソシエイトに位置づけられている。指定期間は元年度から3年間で、本年度が最終年度。

 研究開発構想名は「高校魅力化を中核とした町おこしプロジェクト~本気で考え創造する町の未来」。目標には「高校卒業後の地域定着率、Uターン率の向上」「在校生の主体的に取り組む力の向上」「町内中学生の湧別高への進学率向上」を掲げた。

 町内の学校・各産業界関係者などでコンソーシアムを構築し「未来計画」「郷土愛」「地域参画」の3つを柱に、生徒が地域の魅力について学ぶ取組を推進してきた。

 未来計画は総合的な探究の時間に位置づけて実施。生徒一人ひとりが設定した課題に基づき学年混合のゼミを設置し、プロジェクト体験型学習(PBL)の手法を用いた探究活動に取り組んだ。

 その結果、課題に対して主体的に取り組む生徒の増加、課題解決へのプロセスを考える力の向上などの成果が現れたという。今後は教員の関わり方について検討する必要性を示している。

 郷土愛の育成に向けては、各教科・科目の中で地域の特色を生かした活動を展開した。

 1年生「科学と人間生活」では、農作業体験、町の特産物・ホタテの解剖実験などを実施。2年生の学校設定科目「北海道学」では、町の産業についてフィールドワークなどを通して学び、ポスターを作成する活動を設定した。

 地域参画については、チューリップフェアの観光案内や清掃活動などのボランティア活動に積極的に参加。このほか、町民との意見交換会や中高一貫合同講演会など、地域の人々との交流も推進した。

 事業全体の成果として、卒業生の町内企業就職率の向上、生徒の主体的に取り組む力の向上を挙げている。

 町内企業就職率は、元年度から3年度で63%となり、平成28年度から30年度の42%と比較すると大きく増加した。

 生徒の主体的に取り組む力については、未来計画の振り返りで、学習への取り組み方について試行錯誤し次年度に向けて調整しようとする記述が多く見られたことを理由としている。

 一方、町内中学生の湧別高進学率には変化が見られなかったため、地域へのPR不足などを課題としている。

 今後はコンソーシアムの組織を改編し、地域との協働を強化させた探究活動に取り組む方針だ。

(学校 2022-03-29付)

その他の記事( 学校)

士幌高 農ク全道実績発表大会等 好成績 次年度へ意欲 地球守る防風林造成を調査

士幌高校農ク大会等入賞  【帯広発】士幌高校(赤穂悦生校長)の生徒が、日本学校農業クラブ道連盟第73回全道実績発表大会、第4回持続可能な世界・北海道高校生コンテストにおいて好成績を収めた。両大会で入賞した環境班の生...

(2022-03-31)  全て読む

防犯ブザー寄贈受ける 美唄市教委 建設企業から

岸本組美唄市教委に防犯ブザー寄贈  【岩見沢発】美唄市教委は24日、市内の建設企業・=岸本組から市内新入学児童への防犯ブザーの寄贈を受けた。同社が行う地域貢献の一環で、ことしで16年目。天野政俊教育長は「美唄の宝物である子ど...

(2022-03-30)  全て読む

岩農高 東日本大震災のつどい 手取り合い全員で防災 花文字等で犠牲者を追悼

岩農高東日本大震災のつどい花文字  【岩見沢発】岩見沢農業高校(鎌田一宏校長)は11日、同校で「3・11東日本大震災みんなのつどい」を開いた。生活科学科の生徒が8月から栽培管理してきた花で花文字をつくり、食品科学科の生徒が制...

(2022-03-30)  全て読む

先輩の巣立ち見送ろう コロナで在校生に卒業式配信 奈井江小 1人1台端末で

奈井江小在校生がタブレットで卒業式  【岩見沢発】奈井江町立奈井江小学校(長谷川孝校長)は18日、卒業式を執り行った。新型コロナウイルス感染症の影響で出席できない在校生向けにオンラインで式の映像をタブレット端末に一斉配信。1人...

(2022-03-30)  全て読む

IT企業主催の実証研究事業 附属函館中が指定校に 教科等横断的に創作活動

 【函館発】道教育大学附属函館中学校(中村吉秀校長)は、インテル主催事業「STEAM Labプラットフォーム」における実証研究校の指定を受けた。4年度から2ヵ年で研究を進める。3Dプリンター...

(2022-03-30)  全て読む

地域の建設企業に感謝 栗山小 マスク寄贈など

栗山小丸庭佐藤建設地域貢献  【岩見沢発】栗山町立栗山小学校(長谷川道彦校長)は3月上旬、岩見沢市内の建設企業・(株)丸庭佐藤建設からマスクの寄贈を受けた。同社による地域貢献活動の一環で、12日には同校の除排雪も実施。...

(2022-03-29)  全て読む

金融機関の役割等理解 岩農高 空知信金出前授業

岩農高信金出前授業  【岩見沢発】岩見沢農業高校(鎌田一宏校長)は8日、オンラインで空知信用金庫による出前授業を行った。生活科学科2年生13人が参加。金融機関の役割や流通などについて理解を深めた。  地域人材...

(2022-03-29)  全て読む

特別賞含め1団体6個人 檜山局 3年度教育実践表彰

檜山管内教育実践表彰・江差小①  【函館発】檜山教育局は3年度教育実践表彰の受賞者を決定した。学校教育では、江差町立江差小学校の金野知未教諭と今金高等養護学校の大槻啓二教諭の2人が個人表彰を受賞。社会教育では、障がいのある...

(2022-03-28)  全て読む

北海学園大 卒業証書等授与式 1747人が巣立つ 安酸学長 前向きな気持ちで

 北海学園大学(安酸敏眞学長)は21、22日の2日間、道立総合体育センター北海きたえーるで3年度卒業証書・学位記授与式を行った。学部と大学院の計1747人が学び舎を巣立ち、春からの新生活に期...

(2022-03-24)  全て読む

札幌札苗小 沖縄県小学校と交流 地域の魅力・文化共有 北海道の自然、雪害等紹介

札苗小児童が沖縄の児童と交流  札幌市立札苗小学校(井上博文校長)は9日、沖縄県の浦添市立沢岻小学校とのオンライン交流を実施した。自分たちが住む地域の特色をテーマにしたプレゼンテーションなどを通して、北海道と沖縄の魅力や...

(2022-03-22)  全て読む