児童相談体制強化プラン変更案　子の意見表明権を保障　札幌市　専門職増員なども

（札幌市 2022-04-22付）

　札幌市は１９日、市子ども・子育て会議児童福祉部会（部会長・松本伊智朗北大大学院教授）を開き、「第３次札幌市児童相談体制強化プラン」の中間評価を報告した。児童虐待などの相談体制の強化に向けて、児童福祉司など専門職の増員に関する変更案を示した。子どもの意見表明権を保障する制度導入の検討を報告した。

　プランは、２年から６年までの計画を定めたもの。

　児童相談所で虐待の対応に当たる児童福祉司の配置について、政府は人口３万人当たり１人とする基準を定めており、自治体ごとの虐待対応件数によってさらに上乗せを求めている。

　市は国の基準を満たすため、本年度までに６８人に増やすとしていた現行計画に修正を加えて８３人とした。本年度１５人増員したことで基準に達した。また、精神的ケアを担う児童心理司についても、児童福祉司２人に対して１人の配置が必要なため、６年度には４１人に増やす予定。

　このほか、虐待などを理由に親から子どもを引き離す一時保護に関して、子どもの権利擁護に向けた検討会を前年度設置したことを報告。さらに、子どもの意見を聞いて代弁し意見表明権を保障する制度の導入に向けた検討を進める。

　施設入所や里親委託が決まった子どもに配布する「権利ノート」については前年度から見直しに着手しており、本年度は年齢などに応じた内容に改定する方針を示した。

　市児相によると、前年度の児童虐待に関わる相談の受理件数（速報値）は２３８５件。平成２９年の１９０９件から増加傾向にあり、高止まりが続いている。

(札幌市 2022-04-22付)