札幌市　まちづくり戦略専門部会　市立高大連携の教育を　道内大学の講義配信を検討

（札幌市 2022-04-27付）

　札幌市は２１日、第２回札幌市まちづくり戦略ビジョン審議会の専門部会で、子どもや若者の育成等に関する施策の具体案を示した。今後の札幌をけん引する人材育成に向けては、市立高校と市立大学が連携した地域の特色ある教育を推進。道内の大学などとのネットワーク活用による講義の相互配信や高校でのＡＩ・ＩＴ教育を推進していく。

　市は現在、長期的なまちづくりの指針となるビジョンの次期計画の策定作業を進めている。

　計画はまちづくりの基本目標を示すビジョン編、目標達成に向けた施策を示す戦略編で構成されており、本年度は専門部会で戦略編策定に向けた協議を進めている。

　この日の部会では、基本目標８分野から子ども・若者、生活・暮らし、地域、安全・安心の４分野に関し、横断的に取り組む施策について議論。ユニバーサル（共生）、ウェルネス（健康）、スマート（快適・先端）の観点での施策の具体案が示された。

　スマートでは、理系人材の多くが道外転出を選択する現状を考慮し、札幌を支えていく人材育成を強化する方針。市立高校と市立大学の連携による地域の特色ある教育のほか、道内の大学などとのネットワーク活用による講義の相互配信などを検討していく。

　また、本年度から市立札幌旭丘高校で開設となった数理データサイエンス科におけるＡＩ・ＩＴに関する教育の推進などを示した。

　ユニバーサルの観点では、学校教育における取組として障がいのある幼児児童生徒を支え、共に学ぶ授業を展開するなど、心のバリアフリー教育の必要性を提示。また、心のバリアフリー教育と連動したオリンピック・パラリンピック教育などの取組を挙げた。

　ウェルネスでは、子どもの運動機会・習慣づくりや食育の推進など健康行動促進に向けた施策のほか、人生１００年時代における学びと社会参加の場の充実を図るため、仮称・札幌博物館整備に関する検討を盛り込んだ。

　今後は６月に第３回専門部会の開催を予定。来年１０月の計画策定を目指す。

(札幌市 2022-04-27付)