新時代の産業教育へ答申素案　デジタル対応など４点　審議会　地域連携の成功事例を

（道・道教委 2022-05-17付）

あいさつに立つ倉本教育長

　第２８期道産業教育審議会（岡部善平会長）は１３日、札幌市内の道第２水産ビルで第２回審議会を開催し「新時代に対応した資質・能力を育成する本道産業教育の在り方について」答申素案を審議した。外部連携の充実やデジタル化への対応など４点の方策を盛り込むことを確認。委員からは、地域との連携に成功している道内の事例を盛り込むよう提案した。

　同審議会は道教委の諮問を受け「探究的な学びを通して地域創生に貢献できる人材育成に資する産業教育」「地域産業界と高校が一体となって社会に開かれた教育課程を推進する産業教育」の在り方について３つのワーキング・チームで調査・審議を進めている。

　委員１３人が出席した。

　開会に当たり道教委の倉本博史教育長は、地域や産業界と連携して先進的な知識や技術を身に付け、課題解決能力を育む産業教育の実現へきたんのない意見を求めた。

　続いて道教委から答申素案について説明。今後の技術革新や産業構造の変化に対応する人材を育成するため①外部連携の充実②専門性を有する教員の確保③教育環境の充実およびデジタル化への対応④柔軟な会計予算―に関する課題や解決方策を示す方針を示した。

　委員からは、地域や関係機関との連携に成功した参考事例を記載するよう提案したほか、指導技術の普及を図る動画資料の作成など民間企業の事例を紹介し、技術革新やデジタル化への対応の必要性について意見した。

　各学校の実態に合った効率的な学校予算を運用するため、予算科目間の流用が学校裁量で可能となる「学校裁量予算制度の在り方」の検討を盛り込む方針も確認。人材確保の方策では、専門性を有する教員の待遇改善を図っている他県の事例を取り上げ「産業界と学校が連携し、人材を融通できる環境を築くことができれば望ましい」などと活発に意見を交わした。

　今後、６～７月に第２回ワーキングチーム代表者会議を開催し１０月の第３回審議会で答申案を作成。１１月に道教委に答申する予定。

(道・道教委 2022-05-17付)