高・特校長会議 倉本教育長あいさつ リーダーシップ発揮を 管理職人材育成へ協力要請
(道・道教委 2022-05-16付)

教育長・倉本博史
倉本博史教育長

 道教委の公立高校長・特別支援学校長会議における倉本博史教育長のあいさつ概要はつぎのとおり(13日付1面一部既報)。

▼新型コロナウイルス感染症への対応

 4月から新たな組織体制のもと、新学期がスタートしたが、道内の新規感染者数に占める10代以下の割合は依然として高く予断を許さない状況にある。

 学校においては、国の衛生管理マニュアルに基づき、常に校内で感染を拡げないための対策、これまでも高い緊張感のもとで各学校で取り組んでいることを承知しているが、引き続き徹底をお願いする。

▼GIGAスクール構想およびICTを活用した教育の推進

 学習指導要領では、情報活用能力が学習の基盤となる資質・能力として位置付けられており、各学校においてはその育成を図るため、ICTを活用した学習活動の充実を図ることが求められている。

 高校および特別支援学校高等部においては、本年度入学生からBYOD等による1人1台端末を活用した学びが実施されることから、ICT活用授業指針に基づき、1人1台端末をはじめとしたICT機器やクラウドを効果的に活用し、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善を進めるようお願いする。

▼生徒指導の充実

 生徒指導は、学校の教育目標を達成するための重要な機能であり、各学校においては生徒指導の方針を明確に示し、マネジメントを強化するとともに、教職員同士が支え合う体制の充実やスクールカウンセラー等の専門家との連携・協働による生徒指導体制と教育相談体制の構築など、チームとしての学校を機能させ、生徒指導の一層の充実に取り組むようお願いする。

 とりわけいじめ事案への対応については、子どもたちが決していじめの被害者にも加害者にもなることがないよう全教職員がいじめを許さない姿勢を共有するとともに、学校のいじめ防止基本方針といじめ防止プログラムを家庭や地域に積極的に発信し、学校と家庭、地域が一体となったいじめの未然防止や早期発見・早期対応に粘り強く取り組むようお願いする。

▼特別支援教育の充実

 現在、特別支援学校ではICTを活用し、学校間を結んでの教科指導や校外学習、テレワークによるインターンシップなど時代の変化に対応した教育の推進に取り組んでいただいている。

 各学校においては今後とも、誰一人取り残すことのない教育の実践に向け積極的にチャレンジを行う学校経営に努めていただくようお願いする。

 高校においては、従来から在籍する発達障がいのある生徒のほか、医療的ケアが必要な生徒が入学を希望するなど、特別支援教育に関する体制の一層の充実が求められている。

 特別支援教育を学校運営の柱の一つとして捉え自ら専門性を高めるとともに、例えば学校教育目標や目指す教師像などを学校経営方針等に適切に設定するなど、特別支援教育をリードしていただくことを期待している。

 本年度、道教委では5年度からの5年間を実施期間とする特別支援教育に関する基本方針を策定し、長期的な課題解決に向けた方策を示す予定。新基本方針の検討に協力いただくとともに、目指す姿の実現に向けた道教委の取組に対して理解と協力をお願いする。

▼教職員の人材育成と学校における働き方改革

 教職員の人材育成については、教員免許更新制の発展的解消など国の動向を見据え、児童生徒の学びの充実に向けて道教委と学校現場が一体となって本道の教員育成指標に基づく人材育成に取り組むことがますます重要となってくる。

 道教委としては、教員の自律的・主体的な研修を支援する研修体系の整備を進めるほか、喫緊の課題である教頭候補者育成に向けた取組の充実に努めていくので、管理職人材の育成にぜひとも協力、力を発揮してほしいと切にお願い申し上げる。

 学校における働き方改革について、本年度は北海道アクション・プラン(第2期)の2年目に当たる。引き続き学校現場の意見も伺いながら、道教委一丸となって教頭への支援やスクールロイヤーの配置などの各種取組を進めていく。

 働き方改革とは、学校の教育目標の実現に向けて人的・物的資源をどのように投入するかという学校マネジメントそのもの。各学校ではプランの趣旨を踏まえ「個の気付き」「チームの対話」「地域との協働」の視点から実情に応じた実効性のある取組を積極的に進めるようお願いする。

▼信頼される学校づくり

 学校においては、家庭や行政、企業等と地域の課題を共有し、解決に向けて共に考え実践する活動を通じて児童生徒に対し地元への愛着や地域の将来を担う意識を醸成していく教育を進めることが大変重要。

 このため自治体や企業・団体等の様々な主体と連携を図り、地域の課題や可能性を掘り起こし探究型の学習体験を進めるなど、未来のまちづくりを担う人材育成につながる地学協働体制の構築に努められるようお願いする。

 一方、これまでも不祥事の防止について教職員への指導を徹底するようお願いしてきたが、依然として一部ではあるがわいせつ行為など不祥事の発生が後を絶たない状況である。学校教育に対する道民の信頼を損なう極めて憂慮すべき事態となっている。

 各学校においては、不祥事の防止に向け、職員会議などでの伝達にとどめることなく、管理職員が職員一人ひとりに対しわいせつ行為や飲酒運転等の不祥事を絶対に起こすことのないよう、強いメッセージで心に響く指導をしてもらうようお願いする。

▼終わりに

 道教委としては、学校と教育行政との連携をこれまで以上に深めながら学ぶことの楽しさ、分かることのうれしさを実感できる教育の実現を図ることによって、生涯を通じて主体的に学び続ける意欲を育み、持続可能な地域づくりを担う人材を育成する本道教育の発展に全力で取り組んでいきたいと考えている。

 皆さんには自らの学校が担う使命と役割をあらためて確認いただき、校長としての責任と権限のもと、リーダーシップを存分に発揮していただくことを期待する。

(道・道教委 2022-05-16付)

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