新時代を生き抜く子育む 帯広市教委 学校教育指導の重点
(市町村 2022-05-18付)

帯広市教委・学習指導の重点ポンチ絵
4年度帯広市教委学校教育指導の重点(クリックすると拡大表示されます)

 【帯広発】帯広市教委は4年度学校教育指導の重点を発表した。「新しい時代を生き抜く児童生徒を育む~主体的・対話的で深い学びのある学校教育の推進」を学校目標として掲げ、4つの柱を設定。本年度は、学校における働き方改革の取組推進やICT活用、学びの保障と感染症対策の両立などに関して追記している。

 学校教育指導の重点はつぎのとおり。

【Ⅰ 特色ある教育を展開し、生きる力を育む開かれた信頼される学校経営の推進】

▼生きる力を育む、創意工夫を生かした教育課程の編成、実施、評価、改善

▽学習指導要領のねらいの実現を目指し、必要な指導時間の確保や内容の充実を図るとともに、自校の特色を生かした適切な年間指導計画を作成・実施し、評価と改善に努め、カリキュラム・マネジメントを機能させ、特色ある教育活動を展開し、全ての子どもたちの可能性を引き出す「個別最適な学び」と「協働的な学び」を実現する

▽ふるさとの歴史や文化、自然環境や産業等を学ぶ「おびひろ市民学」を実践することで、市の特色を生かした教育を展開し、ふるさと帯広の良さに触れ、より良い地域づくりに関わる子どもの育成を目指す

▽校務分掌の体制確立や学年・学級経営を連動させ、重点教育目標の具現化に努める

▽学校評価を適切に実施・公表・活用し、組織マネジメントを確立して、学校改善と活力ある学校経営に努めるとともに、教職員一人ひとりの意識改革を図り、経営参画意識を高める

▽市小中一貫教育推進基本方針に基づき、幼保・小・中の育ちをつなぐため、情報共有や授業交流、乗り入れ授業等、連続性・系統性に配慮した校種間連携を推進する

▼公教育に携わる専門職としての自覚と専門性の深化を図る研修の充実

▽教育の専門家として確かな力量を身に付け、人間力の向上を図るため、組織的・体系的な校内研修の充実と教職員の主体性を重視した自己研修を組織的・計画的に推進する

▽公開研究会・地域公開参観日等による研修成果の積極的な公開と、指導主事をはじめ様々な分野の専門家等、外部講師の活用を図り専門性の深化を図る

▽教育研修センター、教育研究所等の各種研修会や、各学校の公開研究会・地域公開参観日等に積極的に参加し、実践的指導力の向上に努める

▽教育の専門職として力量の向上に努めることができるよう、学校職員人事評価制度を生かす

▽エリア・ファミリーでの研修等を活用し、異校種の理解を深め、教育者としての専門性の深化に努める

▽令和の日本型学校教育の実現に向け、児童生徒一人ひとりに個別最適な学びと協働的な学びを保障するため、ICT活用指導力の向上を図る

▼保護者や地域と連携・協働した「社会に開かれた教育課程」の推進

▽各学校のいじめ防止基本方針の点検と見直しを進め、いじめの根絶に向けた実効性ある対策を推進し、児童生徒が安心して学校生活を送ることができるように努める

▽ホームページや各種通信等を通して、学校の教育活動に関する情報を積極的に発信するとともに、学校支援地域本部事業、こども学校応援地域基金プロジェクト等の活用を通して、学校と家庭や地域、関係機関および異校種間の連携・協働関係の強化に努める

▽全市立学校へのコミュニティ・スクール導入に向け、学校と保護者、地域が共に意見を出し合い、協働しながら児童生徒の豊かな成長を支える「地域と共にある学校づくり」を推進する

▽教職員一人ひとりが、全体の奉仕者として職務を遂行すべき責務を負っていることを自覚し、教育公務員として自らを厳しく律し、服務規律を順守する。今日求められるスクール・コンプライアンスを徹底するとともに、教職員も地域の一員であるという意識を持ち、地域の活動への積極的な参加に努める

▽体罰は決して行わず、暴言は厳に慎み、常に安全管理に努めることを校内で共有し、その意志を積極的に発信する

▽教職員の働き方改革推進プランに基づき、教職員の勤務状況の改善に向けた業務の平準化、教育課程の見直しなどの取組を推進し、ワークライフバランスの充実や健康の維持・増進を図ることによって、子どもたちに対して真に必要な教育活動を効果的に行うことができるようにする

【Ⅱ 基礎・基本の確実な定着を図り、自ら学び自ら考える力を育てる指導の充実】

▼調和の取れた具体的な指導計画の作成と改善

▽全国学力・学習状況調査や標準学力調査等の結果の分析を通して、学校全体の傾向および一人ひとりの児童生徒の学力や学習の状況を把握して課題を明らかにするとともに、学校改善プランに基づいて指導計画の改善・充実を図るよう検証サイクルを確立する

▽確かな学力の育成・向上のため、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善はもとより、個性を生かし多様な他者との協働を促す教育の充実に努め、放課後や長期休業中の学習支援の充実を図るなど学校の創意工夫を生かした取組とその検証・改善を図る

▽教科等横断的な視点を持ち、指導計画ならびに評価計画の作成・改善を行うとともに、学年間・異校種間における系統的・発展的な指導につながるよう、カリキュラム・マネジメントの視点から充実に努める

▼指導方法や指導体制の工夫と改善

▽基礎的・基本的な知識および技能の確実な習得のために、基本的な学習内容の重点的な指導や繰り返し・反復指導等の充実を図る

▽思考力・判断力・表現力等を育むために、各教科の見方や考え方を働かせ、観察や実験レポートの作成、論述といった知識や技能を活用する学習活動を充実させる指導の工夫に努める

▽主体的に学習に取り組む態度を養うために学習課題や活動を選択する機会を設け、少人数指導や習熟の程度に応じた指導、チーム・ティーチング等多様な学習スタイルに取り組む

▽自ら疑問や課題を持ち、主体的に解決する学習の中で「個別最適な学び」「協働的な学び」において、これまでの教育実践とICTを有効に活用することで、教職員・児童生徒が最大限の力を発揮し「いつでも」「どの教科でも」「誰でも」使える環境整備と積極的な活用に努める。情報活用能力やプログラミング的思考の育成に努める

▽探究的な学習や体験活動などを通じ、多様な他者と協働しながらあらゆる他者を価値のある存在として尊重し、様々な社会的な変化を乗り越え、持続可能な社会の作り手となることができるよう、協働的な学びの充実に努める

▽エリア・ファミリー構想を推進し、スタートカリキュラムに基づく指導の充実を図るとともに、エリア内における学習規律の統一に努めるなど、学校種間の縦横の連携を強化する

▽市小中一貫教育推進基本方針に基づき、段階的に「小・中学校間の交流・連携」から「一貫した教育」への発展に向け推進していくとともに、義務教育9年間を通した連続性・系統性に配慮した一貫性のある教育活動によって、学びと育ちをつなぐ取組を進める

▽高校・帯広畜産大学等との連携や、様々な分野の専門家や関係機関等との連携による指導の充実に努める

▽学校図書館の活用や市図書館との連携による読書活動を推進し、各教科における指導はもとより、学校生活全体を通して言語に関する関心・能力を深めるための言語環境を整え、言語活動の充実を図り、児童生徒の読む力や書く力、表現力等の向上に努める。

▼児童生徒の良さや指導の成果を把握する評価の工夫と改善

▽目標に準拠した評価計画の作成に当たっては、指導と評価の一体化を進め、評価規準や評価方法について工夫改善を図るとともに、児童生徒が学習したことの意義や価値を実感できるようにし、児童生徒や保護者への十分な説明に努めるなど組織的かつ計画的な取組を進める

▽児童生徒一人ひとりの良い点や進歩の状況等を的確に捉えるために自己評価・相互評価の充実を図るとともに、児童生徒が課題意識を持って学習を進めていけるよう、学習の見通しを立てたり、学習した内容を振り返ったりする活動を計画的に取り入れる

▽単元や題材等の内容や時間のまとまりを見通しながら評価の場面や方法を工夫し、学習の過程や成果を評価し、指導の改善や学習意欲の向上を図り、資質・能力の育成に生かすようにする

▽的確に評価・評定を行うため、補助簿等の日常的な活用・工夫改善に努める

▽日ごろの教育活動を家庭や地域に公開し、指導方法の工夫改善に生かす取組を進める

【Ⅲ 人間的な触れ合いを重視し、豊かな人間性や社会性を育てる指導の充実】

▼調和の取れた心の教育の充実

▽正義感や公正さを重んじる心、生命や人権を尊重するなどの倫理観、他人を思いやる心や美しいものに感動する心等、豊かな人間性を育み、わが国や郷土の伝統と文化に対する関心や理解を深め、未来への夢や目標を抱いて生きようとする態度を育てる

▽道徳科の時間を要として、学校の教育活動全体を通じて、道徳的価値およびそれに基づいた自己の生き方についての考えを深め、児童生徒の実態に応じて道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度を育成する

▽集団宿泊活動やボランティア活動、職場体験活動や自然体験活動、芸術・文化活動、読書活動、世代間・異年齢交流等の豊かな体験を通して、児童生徒の内面に根差した道徳性を育成する。

▼深い児童生徒理解と信頼関係に基づく生徒指導の充実

▽いじめの未然防止や積極的な認知、不登校傾向の児童生徒への早期対応をはじめ、個々の状況に応じた適切な支援等、積極的かつ組織的な生徒指導体制を築き、学校間および家庭や地域、関係機関等との連携・協力を図る

▽教職員と児童生徒との信頼関係を築き、日常的に生徒指導の機能を生かして、広い視野から共感的理解を持って児童生徒理解を深める。きめ細かな教育相談による個に応じた迅速で適切な指導を行う

▽好ましい人間関係を基礎に「アセス」や「ほっと」を活用し、児童生徒の内面を捉え、豊かな集団生活が営まれる学級や学校の教育的環境を形成する

▽「児童生徒理解・教育支援シート」を活用し、不登校児童生徒への組織的・計画的な支援を積極的に推進する

▽日ごろから全教職員の目で児童生徒の変容を見守る体制をつくるとともに、児童生徒の不安やストレスに関わるアンケート調査や個人面談等を行いながら、悩みや困難を抱える児童生徒の早期発見・早期対応を図る

▼自主的、実践的な態度と自己を生かす能力を養う特別活動の充実

▽児童生徒一人ひとりが学校や学級の生活により良く適応したり、目的意識を持ち、人間としての生き方についての考えを深め、自己を生かす能力を養ったりすることができるよう、ガイダンス機能の一層の充実を図る

▽児童会・生徒会活動等、望ましい集団活動を通し、自己有用感を育み、社会性を高める活動を促進するとともに、集団や社会の一員としてより良い生活や人間関係を築こうとする自主的で実践的な態度を育成する

▽家庭や地域との連携を深めながら、ボランティア活動、自然体験活動等の社会体験活動を通し、社会奉仕の精神や生活上のルールの習得、モラルの育成等を図る

▽国旗・国歌の指導に当たり、教科等との関連を図り、国旗・国歌に対する正しい認識を持たせるとともに、それらを尊重する態度を育成する

【Ⅳ 自他の生命を尊重し、心身の調和的な発達を図る体育・健康に関する指導の充実】

▼体力の向上と、自ら進んで運動に親しむ資質や能力の育成

▽全国体力・運動能力、運動習慣等調査や、市体力・運動能力実態調査等の結果から、児童生徒の実態把握を行い、小中一貫教育の視点から体育・保健体育の授業の充実を図るとともに、学校の教育活動全体を通して運動の機会を拡充するため、1校1実践の取組を行うなど、児童生徒の体力・運動能力の向上を図る

▽心と体を一体として捉え、豊かな自然や季節等の地域の特色を生かしながら発達の段階や興味・関心等に応じた運動の合理的な実践を通して、運動の楽しさや喜びを味わわせ、積極的に運動に親しむ資質・能力を育てる

▽家庭や地域と連携して各種の運動を適切に行うことによって、活力ある生活を支え、たくましく生きるための基礎的な体力の向上を図る

▽自らの運動の課題を自ら解決するなどの学習を重視し、運動を継続的に行う習慣を育て、生涯にわたって豊かなスポーツライフを実現する基礎を培う

▼自らの健康を適切に管理し、改善していく資質や能力の育成

▽家庭や関係機関と連携した喫煙、飲酒、薬物乱用防止に関する指導の一層の充実を図るとともに、心と体のバランスや発達の段階に即した性教育の適切な指導に努める

▽身近な生活における心身の健康・安全について理解を深めさせ、健康で安全な生活を自主的に実践することのできる資質・能力を育成する

▽生活習慣病や、食物アレルギーのある児童生徒への対応、栄養バランスの取れた食生活等の課題や口腔の衛生等の指導を重視し、望ましい生活習慣の定着を図る

▽性同一性障害や性的指向・性自認など、LGBTsに関わり悩みを抱える児童生徒の実態把握に努めながら、誰もが安心して学ぶことができる環境づくりに努める

▼自他の生命を守る判断力と実践的な態度の育成

▽日常生活における安全、交通安全および衛生に配慮し、危険を予測できる力や回避できる力を高めるために、日ごろからの注意の喚起や具体的な対応についての指導に努める

▽各教科等における安全指導はもとより、心肺蘇生法等の応急手当の方法、ロールプレイング、必要な体験的活動等を積極的に取り入れ、自然災害や不審者との遭遇等に対する心構えや適切に行動できる資質・能力を育てる

▽生涯にわたって健康で生き生きとした生活を送るために「早寝早起き朝ごはん」運動等に基づく家庭や地域との連携・協力を一層推進し、適切な運動、食事、休養および睡眠の調和の取れた生活が必要であることの理解について促進を図る

▽インフルエンザや新型コロナウイルス感染症など、様々な感染症に対する正しい知識や予防方法を身に付け、自他の生命を守るために、主体的に判断して感染の拡大防止に努める態度を育成する

(市町村 2022-05-18付)

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