士幌町4年度教育行政執行方針 デジタル教科書 小中2教科導入 児童数推計し学習環境検討
(市町村 2022-06-01付)

士幌町土屋仁志
土屋教育長

 【帯広発】士幌町教委の土屋仁志教育長は、第5回臨時会で4年度教育行政執行方針を発表した。デジタル教科書の6年度本格導入を目指し、試行的に小・中学校の全学年で2教科に導入することを明示。また、児童数の減少に当たり、各小学校の学年別児童数を毎年度推計し、望ましい学びの環境について検討していくとした。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼基礎・基本を身に付けた確かな学力

▽学力向上

 全国学力・学習状況調査等の各種検査結果を検証・分析し、各学年の具体的な改善策に結び付ける全校体制での取組を行うとともに、学校間で情報を交流・共有することによって町内全体の学力の向上を目指す。

 各学校では、学校改善プランを策定し、系統的で継続的な取組を粘り強く進める一方、具体的な授業改善や個に応じた指導の充実に努めているが、今後はそれらの取組をさらに充実させる。

▽学習サポート

 全ての小・中学校において、基礎基本の定着、苦手な学習の克服、自主的な学習態度の育成等を図るために継続することとして、さらに効果の上がる取組にしていく。

 北海道大学の学生による「学習サポート塾」には多くの小中学生が参加し、学習、読書、運動等で大学生からいろいろなことを楽しく学ぶ機会となっており、今後もさらに充実を図りながら継続する。

▽臨時教諭等の配置

 個に応じた指導の一層の充実を図るため、低学年の少人数学級編制など、町費負担による臨時教諭の配置を継続実施することができるよう努力する。

 必要に応じて学校に臨時教諭、臨時講師、支援員を、医療的ケアが必要な児童生徒が就学する学校には看護師を配置する。

▽集合学習

 小規模複式校においては、子ども一人ひとりの願いや思いを大事にし、少人数であることのメリットが最大限発揮できる教育活動を展開する。集団活動や学び合う意識など、多人数でなければ体験できない学習を補うため、集合学習の内容に工夫を加えながら、さらに積極的に推進する。

▽外国語教育

 3人体制の外国語指導助手(ALT)派遣による「聞くこと・話すこと」の指導の強化とともに、研修等によって小学校教員の授業力向上を図る。

▽ICT活用

 本年度は1人1台端末の積極的・有効的な活用を通して、個別最適な学びと協働的な学びによって、多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく、資質や能力を確実に育成するなど、GIGAスクール構想を一層推進する。

 6年度の本格導入を目指すデジタル教科書についても、試行的に小・中学校の全学年で2教科に導入して準備を進める。

▼優しさと思いやりある豊かな心

▽いじめ防止対策

 国が示した方針に基づき、教育委員会と各学校が策定した「いじめ防止基本方針」は、それぞれの状況や実態に応じてつくられたもので、各学校においては必要に応じて見直しを行うとともに、教職員の組織的な取組や児童生徒への指導、保護者・地域への説明を年間通して推進するよう努める。

▼大地くんと学ぼう

 本町の特色ある教育の一つである、食農体験学習「大地くんと学ぼう」は、地元で生産される農畜産物などを利用した食品加工体験を通して、地域の産業や食育を学ぶなど、管内的にも注目される取組として継続する。

▼小学校の在り方

 今後、児童数が年々に減少することが見込まれている。これからも各小学校の将来の学年別児童数を毎年度推計して、望ましい学びの環境について検討する。

▼高校

 士幌高校の農業教育の実践は、望ましい勤労観や職業観を育むとともに、修学支援制度や海外文化交流事業などを活用し、農業の魅力を伝え地域を支える産業人育成のために大きな役割を果たしている。

 今後も、本校の魅力をより一層高め、環境に配慮した安全・安心な専門性の高い農業教育を実践することを目標に、全教職員が一丸となって取り組む。

(市町村 2022-06-01付)

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