千歳市4年度教育行政執行方針 地学協働モデル校選定 デジタル採点システム導入(市町村 2022-05-27付)
佐々木教育長
千歳市教委の佐々木智教育長は4年度教育行政執行方針において、地域学校協働活動の取組を推進するために新たにモデル校を選定する考えを示した。学校に協働活動コーディネーターを配置し、地域と学校の連携を深める。また、特別支援教育では新たに末広小学校に特別支援学級を設置するとした。働き方改革では新しい取組として、テストの採点を一括で行うデジタル採点システムを導入し、業務の効率化を図る。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼社会で生きる力を育む教育の推進
▽学年・学級経営
望ましい学級集団の形成が児童生徒を育成するための基盤となることから、引き続き、ハイパーQU検査の客観的な分析を活用するなど学年・学級経営の点検・改善に努め、互いに認め合い、高め合う親和的な学級づくりを進める。
▽確かな学力の育成
市学力向上検討委員会による提言を踏まえた授業改善の取組の徹底と検証、学習支援員の効果的な活用による習熟度別少人数指導の一層の推進、学習者用コンピュータやデジタル教科書、電子黒板などのICT機器を活用した学習指導の実施など、学習指導の充実を図る。
さっぽろ連携中枢都市圏の枠組みを活用し、4月に札幌市内に開設された公立夜間中学校に本市在住者が就学できるよう、費用負担を行うなど教育機会の確保を図る。
▽特別支援教育
支援を必要とする児童生徒が一人ひとりの教育的ニーズに応じた適切な指導を受けることができるよう、教育相談を通じた適切な就学先の決定に努める。
末広小に新たに特別支援学級を設置するなど、教育環境の充実を図る。
▽外国語教育
引き続き、外国人英語指導助手(ALT)の活用や担当教員の英語指導力の向上を図るとともに、国の学習者用デジタル教科書実証事業を活用し、全小・中学校において学習者用コンピュータを用いた英語授業に取り組むなど、外国語教育の充実に努める。
▽情報教育
学習者用コンピュータの1人1台端末整備を完了し、教科等において効果的にICT機器の活用を図るほか、児童生徒の情報活用能力の育成に取り組む。
ICT機器の効果的な活用方法の研修など、引き続き教員のICT機器の活用能力を高める取組を進める。
▼豊かな心と健やかな体を育む教育の推進
▽ふるさと教育
市や北海道の文化、人々の生活などに直接触れたり観察したりすることによって広く豊かな経験を持たせる教育活動を推進するほか、小学校社会科副読本『私たちの千歳』を活用するなど、郷土に対する愛着や誇りを育む、ふるさと教育の充実を図る。
▽読書活動
第3次市子どもの読書活動推進計画に基づき、子どもたちの読書活動の充実を図るほか、学校図書館司書を活用し、読書相談や調べ学習でのアドバイスなど学校図書館の機能充実を図る。
▽体力・運動能力
新体力テストの結果などを踏まえ、引き続き、効果的な体育活動を普及啓発するなど、児童生徒の健やかな体の育成に努める。
▽食育
食に対する正しい知識と望ましい食習慣を身に付けさせるため、栄養教諭を中心とした食に関する指導を推進し、食育の充実を図る。
▽学校給食
安全・安心で、よりおいしい給食を提供するため、新しい献立の追加や味付けを工夫するなど、学校給食の改善に努める。
新学校給食センターの整備については、引き続き事業費の精査や整備時期の検討を行うなど、実現に向けて取組を進める。
▼学びを支え、つなぐ教育環境の充実
▽学校運営
学校教育主事等による学校指導訪問を通じて、カリキュラム・マネジメントの充実・強化、授業改善や学習規律の徹底などへの指導・助言を行うほか、市立学校における働き方改革推進計画第2期に基づき、引き続き時間外勤務時間の客観的な記録、勤務時間外の留守番電話対応や学校閉庁日・部活動休養日の設定などに取り組むほか、新たにテストの採点を一括で行うデジタル採点システムを導入して業務の効率化を図るなど、引き続き教員の働き方改革の推進に努める。
▽学びのセーフティネットの構築
経済的理由で教育の機会が失われることのないよう、引き続き就学援助制度の周知を行うなど必要な支援に努める。
給付型奨学金については、新型コロナウイルス感染症の影響によって出願者数の増加が見込まれることから、交付人数の拡大を継続する。
▽家庭教育支援
家庭に対する働きかけが適切に行われるよう、千歳市PTA連合会との連携による家庭生活宣言の普及啓発等を通じ、子どもたちの規則正しい生活習慣や学習習慣、社会生活ルールやマナーの習得を目指す。
▽学校と地域の連携・協働
学校運営協議会(コミュニティ・スクール)の取組を推進し、学校運営の改善を図るとともに、地域学校協働活動との一体的な推進によって児童生徒の多様な体験や学習機会等を提供するなど、引き続き地域と共にある学校づくりに取り組む。
児童生徒を犯罪や事故から守り、登下校等の安全を確保するため千歳っ子見守り隊の取組を推進するとともに、児童生徒の緊急避難場所となる子ども110番の家の取組を継続するなど、子どもたちの安全確保に努める。
▽学校段階等間の連携・交流
幼稚園等から小学校への円滑な接続を図るため、子どもの成長に関する情報交換や交流の機会を設けるなど引き続き連携を図るとともに、小・中学校においては、市小中連携・一貫教育実施要領のもと、義務教育9年間を見通した教育活動や円滑な接続を進める。
▼市民が活躍する生涯学習によるまちづくりの推進
▽多様な主体の連携による学び合いと交流の場
千歳学出前講座やちとせを学ぶスタンプらりー事業の登録講座の拡充を図るほか、生涯学習まちづくりフェスティバルふるさとポケットなどを開催し、市民活動団体の交流の場の提供に努める。
▽地域と学校の連携による地域の教育力を高める活動
地域学校協働活動の取組を推進するため新たにモデル校を選定し、学校に協働活動コーディネーターを配置することによって地域と学校の連携を深め、子どもたちの豊かな学びや健やかな成長を支える環境づくりに努める。
▼各世代の生活課題や地域課題に対応した社会教育の充実
▽乳幼児期からの家庭教育を支える学び
これまで対面で実施していたママさん教室に新たにオンラインの手法を取り入れ、より参加しやすい形式により実施するほか、家庭教育セミナーを開催するなど、家庭の教育力を高めるための支援を行う。
▽青少年の自立と成長を育む学び
千歳青少年教育財団との連携によって自然体験教室や宿泊学習など各種教育事業を実施するほか、鹿児島県指宿市との青少年相互交流事業を実施する。
(市町村 2022-05-27付)
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