釧路市教育振興会 教育講演会 新しいこと挑戦して 経営者の立場で羽刕会長
(関係団体 2022-06-08付)

教育振興会教育講演会
宇宙への挑戦と人材育成を語る羽刕会長

 【釧路発】釧路市教育振興会(羽刕洋会長)は5月下旬、釧路センチュリーキャッスルホテルで行われた4年度総会に引き続き、教育講演会を開催した。羽刕会長(㈱釧路製作所代表取締役社長)が「宇宙への挑戦!(人材育成)」と題して、新しいことへの挑戦や未来を担う人材を育てる取組などについて講演した。

 はじめに、社会状況が急速・急激に変化していく中での釧路経済の現状などについて説明。どのような状況下でも地域の雇用・産業・未来を守らなければならない強い決意と、既存の事業を継続しつつも、新しい事業へ挑戦する必要性を訴えた。

 常に若手社員の意見を聞き、イベントやプロジェクトを任せるなどの取組を積極的に行ってきた結果、ある若手社員からの提案がきっかけで生まれた新しい事業「宇宙への挑戦」を紹介した。

 「挑戦したい!」という熱意と情熱に押され、元年にロケット開発のインターテクノロジズ(大樹町)が進めるロケット発射用の架台製造を手がけた。釧路製作所が得意とする橋梁などの鋼製構造物の製作技術と、釧路市と大樹町の地の利を生かし、納期が短い中での製作・現地設置を実現させた。

 宇宙に挑戦する理由を、外部環境(=橋梁工事発注量の減少)の変化への対応と、内部環境(=橋梁工事への依存)を変える必要性とし、宇宙事業は強靱な経営基盤を構築するための一手と判断。新しいことに挑戦し、より進化することは、地域の雇用や産業を守ることにつながる「地域未来牽引企業・釧路製作所」としての使命であり、存在意義でもあると強調した。

 そのためにも社員には①絶えず自らを磨き、挑戦すること②自立し自覚すること③チームワークを大切にすること④創造力を働かせ改善と工夫を繰り返すこと⑤変化を恐れないこと―を意識させていると伝えた。

 また、若手社員同様に、地域の将来を担う子どもたちにも、地域の産業や地域で働くことの意味を伝える大切さを訴えた。

 具体的な取組として、市産業推進室と連携した出前授業や工場見学などのキャリア教育の実施。釧路工業高等専門学校のロケットランチャープロジェクト同好会との産学連携や釧路工業高校への溶接指導員派遣事業などを紹介。

 中でも、昨年開催された溶接の甲子園とも言われる「全国選抜高校生溶接技術競技会」で、釧路工業高は全国3位に当たる優良賞を受賞。溶接技術者として30年以上携わってきた職人の指導が確かな技術の定着に結び付いたことを報告した。

 新たな取組としては、少子高齢化による技術者不足解消のため、ことし6月に溶接トレーニングセンターを新設。VR溶接シミュレータの導入によって、限りなく実体験に近い状態での溶接体験が可能となり、小学生でも安全・安心に体験できるとして、出前授業の活用を呼びかけた。

 最後に羽刕会長は、地域の教育機関との連携は、明るい未来への関与と地域発展に結び付くとし、子どもたちの将来の夢のため、協力は惜しまないと力を込めた。

(関係団体 2022-06-08付)

その他の記事( 関係団体)

オホーツク校長会 市町村連絡協議会 情報共有し課題明確に コロナ対応などグループ協議

校長会市町村校長会長連絡協議会  【網走発】オホーツク管内校長会(緒方隆人会長)は7日、北見市内の端野町公民館で4年度第1回市町村校長会長連絡協議会を開いた。新型コロナウイルス感染症対応、GIGAスクール構想、働き方改革な...

(2022-06-10)  全て読む

北教組 高校等配置計画撤回求め声明 少人数運営形態確立を 合理的配慮 早急な環境整備へ

 北教組(木下真一中央執行委員長)は8日、道教委の2023年度から3年間の公立高校配置計画案および23年度公立特別支援学校配置計画案の撤回・再考を求める声明を発表した。近年の児童生徒数の減少...

(2022-06-10)  全て読む

北日本図書館大会道大会等を開催 縄文遺産からICTへ 地域資源生かした図書館活動探る

 北日本図書館連盟、道教委、北海道図書館連絡会議は8日、オンラインで第73回北日本図書館大会北海道大会・第62回北海道図書館大会を開催した。北日本地区の図書館関係者ら262人が参加。「縄文遺...

(2022-06-10)  全て読む

道高校長協会商業部会など 全国の切符懸け熱戦 ビジネス計算・情報処理競技大会

ビジネス計算競技  道高校長協会商業部会(澤田信夫部会長)と全国商業高校協会は3日、ホテルライフォート札幌で「第75回道高校ビジネス計算競技大会兼第69回全国高校ビジネス計算競技大会北海道予選」と「第35回道...

(2022-06-09)  全て読む

釧路市教育振興会が総会 8月に教育講演会 羽刕会長の再任決定

釧路市教育振興会総会  釧路市教育振興会は5月27日、釧路センチュリーキャッスルホテルで4年度総会を開いた。新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、会場への出席人数を制限。一部の会員はオンラインでの参加となっ...

(2022-06-08)  全て読む

道高P連 ハイブリッド形式で総会 会長に村井氏 旭川東P 11日 遠隔で釧路・根室大会

道高P連会長村井為敦  道高校PTA連合会は4日、ホテルロイトン札幌で4年度総会を開いた。事業計画では、11日に第71回道高校PTA連合会大会釧路・根室大会をオンライン開催することなどを確認。このほか、7月には道...

(2022-06-08)  全て読む

道租推協が4年度定期総会 会長に野﨑氏 道中会長 租税教育用副教材を作成

道中学校長会会長野﨑均  道租税教育推進協議会(道租推協)は1日、札幌国税局で4年度定期総会を開いた。租税教育用副教材の作成を進める事業計画を決めたほか、役員改選で新会長に野﨑均道中学校長会会長を選出した。また、道...

(2022-06-08)  全て読む

全体会等 会同・オンラインで ハイブリッド開催決定 道小 9月9日に旭川大会

 道小学校長会(紺野高裕会長)は2日、第65回道小教育研究旭川大会(9月9日)について、会同・オンラインによるハイブリッド形式で開催する方針を決定した。新型コロナウイルス感染症の状況を見据え...

(2022-06-07)  全て読む

北私幼 4年度事業計画 質の高い幼児教育実現へ 教職員等研修充実、人材確保など

 道私立幼稚園協会(北私幼)の4年度事業計画が明らかになった。安定した経営基盤を確立、質の高い幼児期の教育・保育の高揚に向けて、教職員等研修のさらなる充実や人材確保、教育調査研究、指導・相談...

(2022-06-03)  全て読む

北私幼 4年度定時総会 新会長に近藤宏氏選出 会員各園支援へ真摯な取組

北私幼総会会長近藤宏  道私立幼稚園協会(北私幼)は5月31日、札幌ルーテルセンタービルで4年度定時総会を開き、新会長に認定こども園花川わかば理事長の近藤宏氏が就任する役員案を承認した。  近藤新会長は、長年に...

(2022-06-03)  全て読む