北日本図書館大会道大会等を開催 縄文遺産からICTへ 地域資源生かした図書館活動探る
(関係団体 2022-06-10付)

 北日本図書館連盟、道教委、北海道図書館連絡会議は8日、オンラインで第73回北日本図書館大会北海道大会・第62回北海道図書館大会を開催した。北日本地区の図書館関係者ら262人が参加。「縄文遺産からICTへ~図書館がつなぐ時代、場所、人」をテーマに、歴史や文化、地域資源を生かした図書館活動の幅広い可能性を考えた。参加者には7月15日まで動画をオンデマンド配信する。

 大会は、図書館活動の充実と発展を目的として開催しているもの。今回は新型コロナウイルス感染防止のため、オンライン(オンデマンド動画配信)とした。

 開会に当たり、北日本図書館連盟理事長(青森県立図書館長)の佐藤禎人氏があいさつ。

 近年の公共図書館を取り巻く情勢として「2019年にいわゆる読書バリアフリー法が成立し、障がいの有無にかかわらず全ての人が読書による文字・活字文化の恩恵を受けられるようにすることが法律で定められた」と説明。

 「図書館には地域の知の拠点として、子どもや高齢者、あらゆる利用者の多様なニーズに幅広く、かつきめ細かいサービスを提供することが求められていることから、図書館のバリアフリー化に、より一層取り組む必要がある」との考えを示した。

 また、今大会のテーマについて「北海道・北東北の縄文遺跡群が世界文化遺産に登録されたことは記憶に新しいが、知の拠点である図書館として今大会が歴史や文化、地域資源を生かした図書館活動の幅広い可能性を考える機会となれば幸い」とし「大会を通して図書館活動の新たな展開を生み出すきっかけを見つけていただき、地域のため、住民のための図書館づくりにさらなる前進を遂げられることを期待する」などと述べた。

 続いて、北海道図書館振興協議会長(道立図書館長)の川端雄一氏があいさつ。「コロナ禍においては日常の活動が制限されるなど大きな障害となっているが、生活の様々な場面においてデジタル化が一層推進されるなど社会的にも大きな変化がある」とし、「道立図書館でも4月から電子図書館を導入したところだが、電子図書館サービスを導入した全国の自治体数が昨年からことしにかけて約2倍に増加したと報道されている」「昨年4月に縄文遺跡群が世界文化遺産に登録され、発掘された遺物がデジタルアーカイブ化され世界中に発信されているところであり、タブレットを持った子どもたちがそれら資料を教材として学習するという姿も日常のものとなりつつある」などと述べた。

 さらに、「様々な切り口から紹介される歴史遺産に思いをはせながら、新たな知識や発見に触れていただき、それぞれの地域における知の拠点としての図書館運営に生かしていただきたい」と期待した。

 続いて、東北芸術工科大学准教授の青野友哉氏が「“ライブラリー・ダイバー”~世界遺産『縄文』の意義を図書館で探す」と題し基調講演。

 また、縄文DOHNANプロジェクト代表の山田かおりさんが「世界の宝『縄文(JOMON)』を通じた函館の地域活動」をテーマに情報提供した。

 さらに、昨年12月に開館した室蘭市図書館と、ことし5月に開館した古平町図書館を紹介した。

 このあと、「社会に開かれたコレクションの系譜~北海道大学附属図書館北方資料」「絵本が紡ぐフォークロア~現代絵本に描かれてきたもの」「『地域』にとって公共図書館とはどのような存在か」「ネット文化資源の読み方・作り方」「図書館が伝える地域の歴史~アイヌ文化を伝える」をテーマに分科会を行った。

 参加者には7月15日まで動画をオンデマンド配信する。今月20日にはライブ配信された基調講演を含め全コンテンツを配信する予定。

(関係団体 2022-06-10付)

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