道教委 アンビシャススクール チャレンジできる環境を 野幌高 学力定着へ少人数指導等(道・道教委 2022-06-15付)
少人数・習熟度別のベーシック授業。教員が一人ひとりに声をかける
基礎的・基本的な学力の確実な定着と社会的自立に必要な能力を育むことに重点を置いた道教委の「アンビシャススクール」。本年度から導入している野幌高校(壽淺章洋校長)では、義務教育までの学習内容を復習する少人数授業や、進路の選択肢を広げるために全生徒が参加するインターンシップの計画を進めている。壽淺校長は「チャレンジできる環境を整え、活力を持った生徒を育てていきたい」と教育環境の整備に力を注ぐ。
◆ベーシック授業 学び直しで成果
ベーシック授業では、1年生120人が、入学からの約3ヵ月間、国語、数学、英語の3教科に毎日取り組む。中学までの基礎・基本を確実に固めた上で、夏休み後には高校の内容に進むためだ。授業時間は、通常の50分より短い1教科30分。習熟度別に4グループに分かれて実施している。
実現に当たっては、同校独自の少人数指導がある。道立高校は原則1クラス40人編制だが、同校では30人ずつの「チーム」を編制。ベーシック授業に限らず、他の授業や学校行事などもこのチームで学校生活を送る。
中学までの学習内容を学び直したいと入学した千葉ほのかさんは「分からないところを先生に質問しやすく、授業の内容が頭に入る」と話す。さらに、自宅で復習する習慣も身に付いてきたという。
◆来年度の就業体験 全生徒対象に実施
道教委が、特色ある高校づくりの一環として導入したアンビシャススクールは、生徒の「分かる喜び」や「学ぶ意欲」を高めるために基礎的な学力の定着を図るとともに、社会的自立に必要な能力を育むことを目的に、本年度スタートした。野幌高のほか千歳北陽高校が取り入れている。
野幌高は、長らく定員割れが続いていたが、本年度の入試倍率は前年度を0・3ポイント上回る1・1倍。生徒からの関心やニーズの高さが表れた格好だ。
これまでは就職希望者が対象だったインターンシップも、来年度からは全生徒を対象に実施する計画だ。江別商工会議所と中小企業家同友会の協力を得て実施する。進路選択や職業選択の幅を広げることやミスマッチを防ぐことが狙いで、進学希望者であっても将来的には就職することを見据えて、職業観を育てる。
先頭に立って新しい高校づくりに取り組む壽淺校長は4月に同校に着任した。「チャレンジできる教育環境を整えて、自分を表現できる活力を持った生徒を育てていきたい」と意気込む。また「生徒の成長のために日々頑張っている教職員を誇りに思う。地域の信頼を得られるよう取り組んでいきたい」と話している。
(道・道教委 2022-06-15付)
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