釧路湖陵高と大樹高 新学科設置へ研究開始 普通科教育モデル開発へ
(道・道教委 2022-06-16付)

 釧路湖陵高校(塙浩伸校長)と大樹高校(前田英伸校長)は、文部科学省の新時代に対応した高校改革推進事業(普通科改革支援事業)の指定を受け、普通科の新学科設置に向けたカリキュラムの開発に着手する。事業期間は3年間。釧路湖陵高では「学際領域に関する学科」の設置を目指し、多様な領域から生徒自らテーマを設定する探究活動など関係機関との連携による高度な学びを実施する。大樹高では「地域社会に関する学科」の設置に向け、航空宇宙関連産業等との連携による教科等横断的な学習「大樹STEAM」などの取組を進める。

 道教委の公立高校配置計画案では、釧路湖陵高と大樹高において6年度から国の普通科改革を踏まえた新学科を設置する方針を示している。

 文科省の新規事業である高校改革推進事業は、高校生の学習意欲を喚起して可能性や能力を最大限に伸張する高校の特色化・魅力化に向けた取組や、新しい教育手法を用いた教科等横断的な学習を推進することが目的。全国で18の高校が指定を受けた。

 このうち釧路湖陵高では、SDGsの実現やSociety5・0の到来に伴う諸課題に対応するため、学際的・複合的な学問分野や新たな学問領域に即した最先端の特色・魅力ある学びに重点的に取り組む「学際領域に関する学科」設置に向けた教育課程の開発に着手する。

 文科省のスーパーサイエンスハイスクール事業で蓄積した手法を応用し、関係機関と連携したより高度な探究活動を展開。環境科学、人間科学、情報科学など多様な学問領域から生徒自らテーマを設定する探究活動や、津波・防災、市街地活性化など、高校として継続的に取り組む領域における探究活動を実施する。

 大樹高では、地域社会の課題や魅力に着目した実践的な特色・魅力ある学びに重点的に取り組む「地域社会に関する学科」の設置を目指す。「地域共創・共生社会」をテーマとした探究学習と高大連携による教科等横断的な学びを実施し、相乗効果が発揮される教育課程の運用の工夫を図る。

 誰もが分かる授業づくりを目指す授業改善「大樹スタンダード」、地域探究学習と台湾高雄市大樹区との国際交流を行う「大樹学PLUS」などこれまでの取組を主軸に、室蘭工業大学や航空宇宙産業関連企業との連携による教科等横断的な学習「大樹STEAM」を実施。数学科・理科・芸術科(音楽)・情報科・商業科の連携による授業を行う。

 両校は自治体、産業界、高等教育機関、NPOなどで構成するコンソーシアムや学校運営協議会と連携・協働して取組を進め、地域との連絡・調整や計画の立案等を担うコーディネーターも配置する。

 13日の道議会文教委員会で佐々木大介委員(自民党・道民会議)の質問に堀本厚学校教育局長は「取組状況を踏まえ、本道における普通科新学科設置の在り方を整理し、他の高校への設置に向けた検討を重ね、本道における高校の普通科の特色化・魅力化に取り組んでいく」と答弁した。

(道・道教委 2022-06-16付)

その他の記事( 道・道教委)

ふるさと教育・観光教育推進へ 石狩市双葉小など74校指定 道教委 3テーマで学習展開

 道教委は、道ふるさと教育・観光教育等推進事業の4年度実践校・協力校を決定した。石狩市立双葉小学校など実践校34校と協力校40校の計74校で、「アイヌの人たちの歴史・文化等」「北方領土」「観...

(2022-06-17)  全て読む

ヤングケアラー支援など質疑 2定道議会 17日から一般質問

 2定道議会本会議ではきょう17日から一般質問が始まり、本格的な議論に入る。ヤングケアラーへの支援、これからの高校づくり、部活動の地域移行の在り方など、今後の施策について質疑が行われる。 ...

(2022-06-17)  全て読む

空知局 コンプライアンス確立会議 不祥事防止へ取組徹底 信頼される学校へ意見交換

空知教育局コンプライアンス確立会議  【岩見沢発】空知教育局は7日、空知合同庁舎で4年度空知管内コンプライアンス確立会議を開いた。不祥事等の再発防止に向けた取組などについて確認。信頼される学校づくりに向けた重点目標および重点取...

(2022-06-17)  全て読む

JA共済・道交通安全協会・道警 教本を道教委に寄贈 全道の小学校へ約13万冊

交通安全教育教本寄贈①  JA共済・北海道交通安全協会・北海道警察は14日、小学生低学年向け交通安全教育用教本を道教委に寄贈した。授業等の交通安全教育で活用してもらおうと新たに作成したもので、自転車利用時の注意点や...

(2022-06-16)  全て読む

道内の学校の臨時休業 3週連続減 68校 学校閉鎖、幼稚園で多発

表  道教委は、札幌市を含む道内公立・私立学校・幼稚園の臨時休業の状況(6月6日~12日)をまとめた。新型コロナウイルス感染症の影響による学級閉鎖・学年閉鎖・学校閉鎖の実施校数は68校となり3週...

(2022-06-16)  全て読む

渡島局 管内組織力強化会議 成果を教職員に伝えて 組織活性化へ実践発表、講話も

渡島管内組織力強化会  【函館発】道教委は14日、学力向上推進事業・渡島管内組織力強化会議をオンライン開催した。渡島教育局主管。管内の小・中学校長および義務教育学校長、高校長ら約120人が参加。函館市立深堀中学校...

(2022-06-16)  全て読む

第2回全道代表高校長研の道教委所管事項 深い学びの視点で授業改善 “いつでも研修”プログラム活用を

◆ICT教育推進課 【ICTを活用した授業の推進】  学習指導要領では、情報活用能力が、言語能力や問題発見・解決能力等と並び、学習の基盤となる資質・能力として位置づけられており、各学校に...

(2022-06-16)  全て読む

第2回全道代表高校長研の道教委所管事項①

 道教委は第2回全道代表高校長研究協議会(10日、札幌市内道第2水産ビル)で各課所管事項を説明した。生徒の探究活動の成果を発表する探究チャレンジプロジェクトなど、本年度から開始するS―TEA...

(2022-06-15)  全て読む

4年度小規模高校魅力化事業 13校指定し取組推進 道教委 探究活動など

 道教委は、小規模総合学科等による地域と連携・協働した高校魅力化推進事業の4年度指定校をまとめた。美唄尚栄高校など13校で、高校の特色化・魅力化に向けた取組を支援する。  事業は2年度から...

(2022-06-15)  全て読む

道教委 アンビシャススクール チャレンジできる環境を 野幌高 学力定着へ少人数指導等

野幌高校アンビシャススクール  基礎的・基本的な学力の確実な定着と社会的自立に必要な能力を育むことに重点を置いた道教委の「アンビシャススクール」。本年度から導入している野幌高校(壽淺章洋校長)では、義務教育までの学習内容...

(2022-06-15)  全て読む