第2回全道代表高校長研の道教委所管事項①(道・道教委 2022-06-15付)
道教委は第2回全道代表高校長研究協議会(10日、札幌市内道第2水産ビル)で各課所管事項を説明した。生徒の探究活動の成果を発表する探究チャレンジプロジェクトなど、本年度から開始するS―TEAM教育推進事業の予定を説明。道独自に実施している高校の学習状況等調査の回答方法をオンライン化するとし、協力を要請した。所管事項の概要を連載で紹介する。
◆高校教育課
【教育課程の編成・実施】
▼学習評価
新学習指導要領のもとでの学習評価を円滑に実施するため、各学校においてはつぎの取組をお願いする。
・評価規準や評価方法等について、学習評価の妥当性や信頼性を高めるとともに生徒自身に学習の見通しをもたせるため、年度当初に配布するシラバスだけでなく単元の指導と評価の計画などを活用し、学習評価の方針を事前に生徒と共有する場面を設けること
・学習評価は学習状況の把握だけでなく指導の改善に生かすものであることを踏まえ、観点別学習状況の評価にかかる記録は毎回の授業ではなく内容や時間のまとまりごとに行うなど評価場面を精選すること
・学習評価の妥当性や信頼性を高めるために、教員同士での評価規準や評価方法の検討および明確化を行い校内で実践事例を蓄積および共有をすること。また、評価結果の検討等を通じた教師の力量の向上を図ること
・指導と評価の一体化の観点から、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善を通して各教科等における資質・能力を確実に育成すること
なお、各学校における観点別学習状況の評価を更に充実させ、学習評価の妥当性や信頼性を高める観点から、評価規準や評価の観点および評価方法を記載した各教科・科目の年間指導計画等を各学校のホームページに掲載するなどの検討をお願いする。
▼教科書採択
各学校においては、2年12月7日付教高第2184号教育長通達「“道立学校の教科書(中等教育学校の前期課程ならびに特別支援学校の小学部および中学部において使用する教科書を除く)の採択に関する実施要綱”の一部改正について」および4年4月22日付教義第87号通知「5年度使用教科書の採択事務処理について」に基づき、適正かつ公正な選定を行っていただきたい。
5年度使用教科書選定結果報告書の提出に当たっては、特に新学習指導要領と現行の学習指導要領に基づく教科・科目があることに留意するとともに、教科書の選定結果の報告および需要数報告の手続きなどにおい、教育長の採択決定後に変更や追加等がないよう、各学校での確認・点検を確実に行っていただきたい。
なお、教科書選定は綿密な調査研究を踏まえた上で適切に行われる必要があり、選定結果および選定理由について保護者等に対して説明責任を果たすことが重要となることから、各学校においては4年4月22日付教義第86号教育長通知「教科書採択における公正確保の徹底等について」に基づき、教科書選定の公正性・透明性の確保に万全を期していただきたい。
高校等で使用する教科書の採択結果および採択理由については高校教育課ホームページに掲載することとしている。本年度も掲載するので承知おき願う。
学習者用デジタル教科書の利用に当たっては、3年3月29日付学校教育局長通知「学校教育法第三十四条第二項に規定する教材の使用について定める件の一部を改正する件の公布および施行等について」を踏まえた対応をお願いする。
▼5年度高校教育課程にかかる届出のスケジュール
各学校においては前年度の指摘事項を踏まえ、5月に教育局から発出された「5年度教育課程表(A・B表)案の作成について」に基づき教育課程表を作成いただいている。
各学校から教育局に提出いただいた教育課程表については高校教育課で確認後、その確認した内容について各教育局を通じて各学校に連絡するので必要に応じて対応をお願いする。
教育局とのやりとりを踏まえて完成した教育課程表については、5年2月に発出する予定の「5年度高校教育課程の届出」に基づき正式に提出いただきたい。
なお5年度については、本年度も現行の学習指導要領に基づく生徒と新学習指導要領に基づく生徒が在籍することから、前年度に引き続きB表について書式を大きく変更した。作成に当たっては、各教育局から送付された書式を使用していただきたい。
▼公立高校・中等教育学校(後期課程)における履修と修得の分離等(カッコ内は前年度の学校数)
▽2学期制=全日制194校(194校)、定時制34校(34校)
▽学期の区分ごとの単位修得の認定=全日制65校(66校)定時制6校(8校)
▽卒業に必要な履修と修得の単位数の分離=全日制110校(110校)、定時制13校(14校)
▽学校外における学修の単位認定=全日制155校(156校)、定時制38校(39校)
学期の区分ごとの単位修得の認定は、各教科・科目の授業を特定の学期に行う場合や留学する生徒への対応などにおいて有効な方策であることから、学校の実情に即して検討いただきたい。
履修と修得の分離についても、生徒の能力・適性や興味・関心などが多様化している実態を踏まえ、個々の生徒について個性の伸長を図る観点から検討いただきたい。
また、学校外における学修の単位認定については平成29年5月18日付教高第353号「高校等における学校外学修の単位認定について」で通知した。生徒の実態や学校の実情等を踏まえ、特色ある多様な教育活動を展開するため、導入について引き続き積極的に検討いただきたい。
▼教科・科目等の授業時数の確保
各学校で臨時休業等を実施した場合は、臨時休業等の間の学習内容の定着を確認した上で、可能な限り教育課程内での補充のための授業や教育課程に位置づけない補習等の措置を講じるようお願いする。
また、新型コロナウイルス感染症対策のための臨時休業が行われた場合、学校教育法施行規則に定める標準授業時数を踏まえて編成した教育課程の授業時数を下回ったことのみをもって、学校教育法施行規則に反するものとはされないことにも留意願う。
▼4年度国語科必履修科目における年間指導計画の作成
高校学習指導要領(平成30年3月告示)の国語の各科目においては「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」の各領域の授業時数が示されており、各科目の年間指導計画を作成するに当たっては、領域ごとに示された授業時数を満たす必要がある。そのため、各学校において4年度に実施する「現代の国語」および「言語文化」の年間指導計画を作成する際には、各単元の領域ごとの授業時数を明示していただきたい。
本年度は「現代の国語」および「言語文化」の年間指導計画について、教育局への提出を各学校にお願いしているところであり、内容を確認の上、改善の必要がある学校に対しては学校教育指導等の機会を通して個別に指導助言するので承知おきいただきたい。
【病気療養中等の生徒に対する教育保障】
平成27年の学校教育法施行規則の改正によって、高校において多様なメディアを高度に利用して当該授業を行う教室等以外の場所で履修させる授業が実施できることとなっている。
また、2年には病気療養中等の生徒に対して行う当該授業について修得する単位数の制限の緩和が図られた。
こうした制度改正は、病気療養中等の生徒についてはメディアを利用して行う授業を活用することによって当該生徒の教育機会の確保に資すると考えられるために行われたものである。
しかし3年度には、ある道立高校において病気療養中等の生徒に対して実施した同時双方向型のオンライン授業について、学校が当該生徒および保護者に対して授業の扱いとしない旨の説明を行ったことで当該生徒が進路変更することになり、トラブルに発展したケースが見られた。
こうした状況を踏まえ、道教委では、病気療養中等の生徒に対する教育保障について周知するリーフレットを作成し、6月17日までに高校教育課ホームページに掲載する予定。
各学校においては、学校ホームページに本リーフレットへのリンクを貼り、生徒および保護者等への周知を徹底していただきたい。
【研修】
▼中堅教諭等資質向上研修
▽第Ⅰ期=オンデマンド形式による研修(6~7月予定)
▽第Ⅱ期=オンデマンド形式による研修(8~9月予定)、遠隔形式による研修10~11月の1日)、遠隔形式による研修(12月~5年2月の0・5日)
▽教職大学院公開授業による研修=8~12月予定
▽学校計画研修=課業期間中の20日間
各学校においては、第Ⅰ期、第Ⅱ期および教職大学院公開授業による研修と学校計画研修との連続性を重視し研修対象者へ指導いただきたい。
▼初任段階教員研修
▽1年次第Ⅰ期
・オンデマンド形式による研修=第Ⅰ期の遠隔形式による研修までの1日(9講座)
・遠隔形式による研修=6~7月の1日
▽1年次第Ⅱ期
・オンデマンド形式による研修=第Ⅱ期の遠隔形式による研修までの1日(7講座)
・遠隔形式による研修=9~10月の1日
▽2年次=5~12月の0・5日
▽3年次
・オンデマンド形式による研修=遠隔形式による研修までの0・5日(2講座)
・遠隔形式による研修=9~11月の0・5日
▽4年次
・オンデマンド形式による研修=遠隔形式による研修までの1・5日(7講座)
・遠隔形式による研修=10~12月の0・5日
▽5年次
・オンデマンド形式による研修=9~11月の1日(5講座)
・教職大学院公開授業=11~12月(予定)の1・5日
・遠隔形式による研修=0・5日
各学校においては、より効果的な研修となるよう研修対象者に各研修の目的や内容等を事前に十分に把握させるとともに、研修対象者が自己の課題等について整理して研修に臨むよう指導いただきたい。
【各種事業等】
▼S―TEAM教育推進事業
本事業の実施要綱を決定し、5月18日付教高第396号で各学校に通知した。道立高校および道立特別支援学校高等部において各教科での学習を実社会での問題発見・解決に生かしていくための教科等横断的な教育(STEAM教育)を推進し、もって生徒の多様な可能性を育み、将来の北海道を支える人材を育成することを目指す。
高校教育課ホームページに本事業に関するページを開設し、各プロジェクトに関する要項等を掲載した。今後、事業の実施状況や各学校の実践報告等を掲載する予定なので随時確認していただきたい。
▽「探究」チャレンジプロジェクト
総合的な探究の時間や課題研究など、生徒が教育課程内で取り組んだ探究活動の成果発表を各地域で開催。現在、主管教育局において実施要項を作成しており、6月中に各学校に通知する予定。
各地域での成果発表会で上位に入賞した学校等による全道規模の成果発表会「探究チャレンジ・北海道」を5年3月に実施する予定。詳細については近日中に通知する予定なので確認していただきたい。
▽「社会との共創」推進プロジェクト
アントレプレナー教育型および地域課題解決型では、参加を希望した生徒がそれぞれ企業の抱える課題の解決、地域が抱える課題の解決に向けて、企業や大学、自治体等と関わりながら探究活動に取り組む。科学技術活用型(学校活動型)は、科学技術を活用して社会問題の解決につながる課題研究を募集する。
いずれの類型においても来年1月に審査を行い、上位に入賞した学校を探究チャレンジ・北海道に派遣する。近日中に実施要項を発出する予定なので、各学校においては希望する生徒の参加について配慮いただきたい。
▽STEAM推進事業
・授業研究セミナー・授業改善セミナー
各教科等で身に付けた見方・考え方を活用して生徒が主体的に探究に取り組むことができるよう、授業改善に向けたセミナーを実施する。
国語、地歴・公民、数学、理科、外国語(英語)については、道立高校教諭、指導主事・研究研修主事、大学教授等からなる授業研究チームを編制し、オンラインで教材や学習指導案の検討を重ねた上で研究授業および研究協議を行う授業研究セミナーを実施する。
保健体育、情報、家庭、芸術(音楽)については、優れた教科指導力を有する教員を教科指導スペシャリストに認定し、実践発表等を行う授業改善セミナーを実施する。
各学校においては、授業研究チームや教科指導スペシャリストの教員の派遣や会場の提供等について協力いただきたい。
・外部連携支援事業(学校活用型)
道立高校における探究活動をより一層推進するための、外部講師招へいにかかる謝金を支援する。実施要項を5月31日付教高第497号で通知。本事業の積極的な活用を検討していただきたい。
・外部連携支援事業(四者連携活用型)
道、札幌市、北海道大学、(株)ニトリホールディングスの連携協定に基づき、IT・データサイエンスに関する講師を派遣する。
本事業と四者連携協定の事業を兼ねて実施する。実施要綱を5月31日付教高第498号で通知した。本事業についても積極的な活用を検討していただきたい。
▼地域医療を支える人づくりプロジェクト事業
・メディカル・キャンプ・セミナー
本年度も新型コロナウイルス感染症の影響等を考慮し、8月4日(木)および5日にオンラインで大学教授等による特別講義、数学および英語の学習アドバイスおよび講義、医大生とのグループワーク等の内容で実施する予定。
詳細については今後、各医育大学および関係機関等と調整し、決定次第お知らせする。
各学校においては、医学部医学科への進学を希望する生徒(2年生)の参加について配慮いただきたい。
・高校生メディカル講座、医学部生の招へい事業および地域医療体験事業
5月11日付教学向第132号で医進類型指定校9校および協力校6校を指定した。また、高校生メディカル講座、医学部生の招へい事業および地域医療体験事業の実施について、それぞれ各教育局長あてに通知した。
地域医療体験事業について前年度は原則中止としていたが、本年度は地域、学校および医療機関の実態等に応じて実施できるように通知した。
これらの取組については、指定校および協力校において教育局と連携し、医育大学、各(総合)振興局、医師会等の協力を得て、内容の充実を図っていただきたい。特に、医学部医学科への進学を希望する生徒の参加については、特段の配慮をお願いする。
・サポートチームの派遣
6月2日付教高第517号で、各教育局長あてに通知した。学校の取組状況を踏まえ有効に活用していただきたい。
▼科学の甲子園北海道大会
前年度の科学の甲子園全国大会では、本道代表の立命館慶祥高校チームが、参加校47校中、全国総合5位(生物1位、化学3位、数学4位等)となるなど輝かしい成績を収めた。
本年度の科学の甲子園北海道大会については、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、昨年に引き続き決勝大会は実施せず、筆記協議のみで本道代表を決定。競技方法等の詳細は今後、実施要項を発出するので確認していただきたい。
▼高大連携Hokkaido Study Abroad Program
留学生の道立高校等への派遣・交流事業では、22校から応募いただき感謝する。新型コロナウイルス感染症にかかる道内の状況はもとより、大学における対応の状況も慎重に見極めながら実施に向け調整している。
オンライン派遣への変更やスケジュールの変更、中止等の可能性はあるが、現在、大学に派遣する生徒および道立校に派遣する留学生の募集を行っているところなので引き続き協力をお願いする。
【海外からの教育旅行の受入れ】
各学校においてはこれまで海外の高校生等が日本を訪れた際に学校を訪問する教育旅行の受入機会拡大について積極的に検討していただいている。
本年度についても、新型コロナウイルス感染症の影響によって教育旅行受入については全面的に見合わせている状況である(教育旅行の代わりに台湾の学校からオンライン学校交流の希望が増えている状況にある)。
【修学旅行の実施】
3年度に見学旅行を中止し、本年度、既存の学校行事のほかに代替行事を特別に設定する場合は、計画書を作成し、実施の1ヵ月前までに学校を所管する教育局長を経て教育長に提出すること。
修学旅行については4月14日付教高第125号通知「4年度における修学旅行等について」によって4年度の修学旅行の実施について通知した。
感染症対策を徹底した上で、その教育的意義や生徒の心情等を踏まえ可能な限り実施していただきたい。
【キャリア教育】
▼就職未内定生徒の状況等
札幌市を除く公立高校の3月末の就職未内定の生徒は138人で、うち就職試験を受けなかったいわゆる0回受験者は74人、前年同期に比べ23人減少しており、理由として全日制課程では「希望した職種がなかった」が多く、定時制課程では「アルバイトをすることにした」が多い。
各学校においては、各教育局に配置されているキャリアプランニングスーパーバイザーと連携し、ICTを活用するなど、効果的な就職指導の改善・充実を図るようお願いする。
▼進路希望が定まらないまま卒業した生徒への指導
札幌市を除く公立高校を卒業した生徒のうち、進学や就職などの進路希望が定まらないまま卒業したのは236人だった。道教育推進計画では、4年度までに道立高校の生徒全員が卒業時に進学や就職などの進路希望を設定できることを指標として掲げていることから、学校の教育活動全体を通じた組織的かつ計画的なキャリア教育の充実に向けた取組をお願いする。
▼インターンシップの充実
コロナ禍においてインターンシップを計画どおり実施できるか見通すことが難しい状況ではあるが、総合的な探究の時間においてインターンシップを職業や自己の進路に関する課題を設定した探究活動に位置付けて実施したり、大学等の専門機関において実施するアカデミック・インターンシップを行うなど、引き続き生徒の望ましい勤労観・職業観の育成に向けた取組の一層の充実が図られるようお願いする。
道教育推進計画では、4年度までにインターンシップなどの体験的な学習活動を経験した生徒の割合を100%と設定していることから、インターンシップは原則として全ての生徒が経験できるよう体制の整備をお願いする。
▼労働問題・労働条件に関する啓発授業
生徒が過労死等の防止などについて理解を深め、将来、自分を守るための知識を身に付けることができるよう、各学校においては労働問題に関する有識者等が講師として学校で授業を行う、厚生労働省委託事業「労働問題・労働条件に関する啓発授業」の積極的な活用をお願いする。
【産業教育】
▼マイスター・ハイスクール事業
地域創生を実現するための資質・能力を身に付けた産業人材を育成するため、最先端の職業人材育成システムの確立を目指しており、前年度から静内農業高校が指定校として、軽種馬の育成や食品加工の研究に取り組んでいる。マイスター・ハイスクールCEOに選任された道農政部・桑名技術支援担当局長は、本年度から副校長として学校に着任しており、今後についてはデュアルシステムなどの学習活動を取り入れるなど、地域の産学官の関係者が一体となった教育課程の刷新・充実に向けて研究の一層の充実に取り組むこととしている。
本年度から厚岸翔洋高校が指定校として採択され、スマートブイを設置して漁獲データをデジタル化するなど、IT技術を活用したスマート水産業の研究に取り組むこととしている。
【多様なタイプの高校づくり】
▼多様なタイプの高校
それぞれのタイプの趣旨を十分に生かした教育活動が展開され、対外的に説明責任が十分果たせるよう、教育課程の不断の見直しに取り組んでいただきたい。今後とも継続的に学校と高校企画・支援係が連携を深めることが必要である。
▼ホームページによる積極的な情報提供
今後、中学生や保護者が進路選択に当たり、各学校のホームページを見る機会が増えることが予想されることから、それぞれのタイプの特色や特色ある教育活動などを分かりやすく掲載するとともに、定期的に更新するなど積極的な情報提供に努めていただきたい。
【地域連携特例校・地域連携協力校】
▼地域連携特例校・地域連携協力校連携実施報告
3年度、地域連携特例校・地域連携協力校については25組が連携した。
3年3月25日付「北海道立高校地域連携特例校・地域連携協力校連携実施要綱」の一部改正によって、T―baseからの授業配信を受信する場合は、出張授業や遠隔授業による連携を実施しないことも可能としている。
そのような中でも、3年度は地域連携特例校の教育環境の充実のため14組の学校において出張授業を実施していただき、また生徒間や教職員間の交流など、全ての地域連携特例校・地域連携協力校で連携を実施していただいた。
4年度については本別高校と帯広柏葉高校、標津高校と中標津高校が新たに加わり、27組で連携している。適宜連携委員会を開催するなどして連携の充実に向けた協力をお願いする。
▼遠隔システムを積極的に活用した地域連携特例校間の連携
平成30年3月に策定したこれからの高校づくりに関する指針では、地域連携特例校において、地域連携協力校以外の高校との遠隔システム等を活用した連携に取り組むことを検討する旨を記載。前年度は、地域連携特例校間の連携として遠隔授業を11組16校で実施。前年度末には各校の希望等を把握し、地域連携特例校間での連絡・調整の上、本年度の実施予定を集約。引き続き地域連携特例校間における遠隔システムを活用した連携を積極的に行っていただきたい。
【道高校遠隔授業配信センター(T―base)】
本年度は遠隔授業を29校に配信している。次年度については3学年にも授業を配信することとしている。
次年度以降の受信科目を決める際には「道立高校における遠隔授業配信機能集中化に関する基本的枠組みについて」(3年3月31日付教環第1070号)を踏まえた上で検討していただきたい。また、検討の際には事前に年間行事計画や時間割をシミュレーションするなどして1年間の見通しを持っていただきたい。
【道立学校間連携】
道立学校における学校間の連携に関し、教員が相互に連携する学校に出向いて授業を行うことによって教育課程の維持充実を図り、教育活動の一層の推進に資することを目的に実施している。5月末現在、8組16校(昨年度6組12校)の申請があった。
とりわけ、教員数が少ない小規模校においては、T―baseを活用した遠隔授業の実施と並んで魅力化につながる有効な手段の一つであり、地域連携特例校や離島の高校以外の高校でも活用できる事業である。
平成29年度から、特別支援学校も含めて、道立学校間の連携が可能となるよう要綱を改正した。本制度については年度途中からの申請も可能であることから、近隣校間で相談するなどして活用いただきたい。
【小規模総合学科校等による地域と連携・協働した高校魅力化推進事業】
小規模となった総合学科校等が、地域創生の観点から地域と連携・協働して実施する高校の特色化・魅力化に向けた取組を支援するため、対象校のうち、取組の成果が期待できると判断される高校(13校)で実施を決定。該当校においては、魅力ある学校づくりに向けて本事業を効果的に活用していただきたい。
【高校段階での教員基礎コース】
高校段階から教員の仕事を理解し、教員になるための素養を高めるとともに意欲の高揚を図ることなどを目的に、道教育大学と連携し、札幌北陵高校が本年度の2年次生の希望者を対象に、学校設定教科設定科目「教員基礎」を実施する。科目は、小学校での2日間の現場実習や大学の教員を講師とした講義・演習など、主に土日を活用し、1単位35時間で実施する。
4年度は初年度で試行錯誤しながらとなるが、今後、他校へも呼びかけるなど拡大していく予定。
◆学力向上推進課
【公立高校入学者選抜】
▼4年度公立高校入学者選抜状況報告書(速報版)
例年同様、学力検査の得点や正答率等について速報版を作成し、今月中に公表。なお、出願者の状況を含めた『公立高校入学者選抜状況報告書』は、例年同様8月上旬に公表する予定。
▼5年度道立高校入学者選抜
▽学校裁量にかかる事項
5年度道立高校入学者選抜における学校裁量にかかる事項については、各学校における説明会の日程等を考慮し6月17日(金)に公表する予定。
各学校においては、裁量を導入した成果等を検証するほか、生徒の個性や能力などを一層多面的にとらえるとともに、各学校が示す入学者受入に関する方針、学校の特色等を生かした選抜の観点から、学校裁量にかかる事項の実施に向けて検討いただきたい。
▽新型コロナウイルス感染症の影響等を踏まえた高校入学者選抜等における配慮等
5年度入学者選抜に当たっては、現段階においては、前年度と同様の配慮が必要と考えている。3年6月7日付教高第545号通知「新型コロナウイルス感染症の影響等を踏まえた4年度以降の高校入学者選抜等における配慮等について」、3年10月5日付教高第1598号通知「現下の新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた4年度の高校入学者選抜等における調査書の取扱いについて」および4年2月7日付教高第2956号通知「“4年度道立高校入学者選抜における新型コロナウイルス感染症にかかる対応について”の改訂について」を参照願う。
▽入学者選抜にかかる報告
5年度入学者選抜から新入選報告システムによる報告となることを踏まえ、全教育局・全公立高校による報告のシミュレーションを実施した上で10月下旬からシステムが稼働する予定。
システム稼働に向けて、7月4日(月)に高校を対象としたオンライン形式による説明会を行った上で、7月25日~8月10日に実際のシステムに4年度入学者選抜の報告内容を入力するなどのシミュレーションを実施する予定。
シミュレーションの日程および実施方法の詳細については決まり次第連絡するので協力をお願いする。なお、説明会については後日オンデマンド配信できるようにする予定。
▼入学者選抜の改善
4年3月18日付教高第4649号通知「道立高校入学者選抜における改善について」において、「一般入学者選抜における出願変更の条件の緩和」「全日制の課程における推薦入学者選抜の推薦標準枠の設定にかかる学校裁量の拡大および自己推薦による推薦入学者選抜の実施」「道外からの入学者の受け入れの拡大」について概要を示した。
また、4年4月20日付教高第175号通知「5年度道立高校推薦入学者選抜における自己推薦書の様式について」において、自己推薦書(全日制課程受検者用)の様式案を示すとともに、道内の中学生に対して入学者選抜の変更内容を示したリーフレット(5年度道立高校入学者選抜が変わります!」)を配布するなどして周知を図っている。
それぞれの具体的な内容については本年9月下旬を目途に5年度入学者選抜実施要項において公表する予定。
【各種事業等】
▼組織力強化会議
各教育局で実施する第1回組織力強化会議において、本年度、各支部の支部長を中心にオブザーバーとして参加いただき感謝する。
本会議は、各管内の学力向上に向けた取組の方向性や校内の組織体制の在り方について理解を深めるため、毎年開催しているもの。学力向上推進課の設置に伴い、小学校から高校までの12年間を見通した学力向上の施策の共通理解を図る必要があることから、本会議に参加をお願いした。
ミドルリーダーを対象とした第2回組織力強化会議においても、小学校から高校までの一貫した授業改善の視点から会議を実施することを予定しており、高校からの出席を教育局から管内の実態に応じてお願いすることを想定しているので引き続き協力をお願いする。
▼3年度道高校学習状況等調査および学力テスト
4年2月7日から3月末日にかけて、220校(全日制の道立高校189校、市町村立高校16校、定時制の道立高校9校、市町村立高校6校)に参加いただいた。学習状況等調査については、2万2443人の生徒が参加して実施した。
調査結果をまとめ6月中に各学校に通知する予定。各学校においては、本調査によって学習成果や課題を把握するとともに、自校の経年変化の分析を行うなどして学習指導の改善充実に活用していただきたい。
▼4年度学習状況等調査およびCBA学力テスト
4年5月27日付教学向第183号通知「北海道高校“学習状況等調査”・“CBA学力テスト”実施要綱について」において、実施要綱を示した。
前年度までは「未来を切り拓く資質・能力を育む高校教育推進事業」の一部として実施していたが、本事業の終了に伴い、本年度から小中高12年間の連続性を意識した授業改善等の取組の推進を図るために実施することとしたもの。
・学習状況等調査
例年どおり1学年を対象に5年2月上旬から3月末日にかけて実施する予定。本年度は、小学校から高校までの学習状況等を一体的に把握するため、質問項目を改訂して実施する予定。
本年度の新1年生から1人1台端末の環境であることを踏まえ、全ての学校において生徒が自身の端末を用いてグーグルフォームによって回答する方式に変更する予定。実施について協力をお願いする。
・CBA学力テスト
実施教科は国語・数学・英語の3教科とし、それぞれの教科に3つのモデルを設定し実施する。
実施期間については、1学年を対象としたものは5年2月上旬から3月末日まで、2学年を対象としたものは4年9月中旬から5年3月末日までに実施することとしている。
なお、4年度1学年を対象とした学力テストからは、新学習指導要領に対応した問題を出題することとしている。
参加対象についてはこれまで同様、1学年は道立高校全日制、道立中等教育学校(後期課程)ならびに参加を希望する道立高校定時制および市町村立高校、2学年は、CBA学力テストを高校生のための学びの基礎診断に活用する学校とする。積極的な参加をお願いする。
▼学校サポーター派遣事業
学習支援員の派遣による学習サポートとして、昨年度は13校を指定し、大学生や退職教員による授業や放課後の予習・復習の補助を行った。
本年度の実施については、現在希望調書をとりまとめ、指定校を選定している。決定次第連絡する予定であるが、本年度は国庫補助額が大幅に削減されるなど厳しい状況が見込まれ、希望に添えない場合があることに理解をお願いする。
(道・道教委 2022-06-15付)
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【函館発】道教委は14日、学力向上推進事業・渡島管内組織力強化会議をオンライン開催した。渡島教育局主管。管内の小・中学校長および義務教育学校長、高校長ら約120人が参加。函館市立深堀中学校...(2022-06-16) 全て読む
第2回全道代表高校長研の道教委所管事項 深い学びの視点で授業改善 “いつでも研修”プログラム活用を
◆ICT教育推進課 【ICTを活用した授業の推進】 学習指導要領では、情報活用能力が、言語能力や問題発見・解決能力等と並び、学習の基盤となる資質・能力として位置づけられており、各学校に...(2022-06-16) 全て読む
4年度小規模高校魅力化事業 13校指定し取組推進 道教委 探究活動など
道教委は、小規模総合学科等による地域と連携・協働した高校魅力化推進事業の4年度指定校をまとめた。美唄尚栄高校など13校で、高校の特色化・魅力化に向けた取組を支援する。 事業は2年度から...(2022-06-15) 全て読む
道教委 アンビシャススクール チャレンジできる環境を 野幌高 学力定着へ少人数指導等
基礎的・基本的な学力の確実な定着と社会的自立に必要な能力を育むことに重点を置いた道教委の「アンビシャススクール」。本年度から導入している野幌高校(壽淺章洋校長)では、義務教育までの学習内容...(2022-06-15) 全て読む
コーディネーター 8ヵ所に配置 道 ヤングケアラー対策で
道は、関係機関や地域住民からのヤングケアラーに関する相談を受け、市町村などの適切な関係機関と相談者の調整を行うヤングケアラーコーディネーターを道内8ヵ所に配置した。 ヤングケアラーは、...(2022-06-15) 全て読む
オホーツク局 コンプライアンス会議 自らの問題と捉えて 飲酒運転根絶、事故防止など
【網走発】オホーツク教育局は9日、オンラインで4年度管内コンプライアンス確立会議を開いた。管内教育委員会協議会教育長部会、各校長会関係者らが出席し、交通事故など不祥事防止に向けた取組につい...(2022-06-14) 全て読む
チャレンジテストCBT版 対象拡大 小3~中3 3教科に 道教委 20日に説明会開催
道教委は、ほっかいどうチャレンジテストCBT版の対象学年・教科を拡大する。本年度の1学期末問題では、小学3年生~中学3年生の算数・数学、社会、理科の7学年3教科とし、6月下旬に配信する予定...(2022-06-14) 全て読む