道町村教委連 5年度文教要望 幼小接続へモデル事業 72項目に道教委が回答
(道・道教委 2022-07-22付)

 道教委は、道町村教育委員会連合会(会長・本庄幸賢当別町教育長)の5年度文教施策に対する要望事項に対する回答をまとめた。幼小連携・接続に向けては本年度から国の委託を受けて開始する「幼保小架け橋プログラム事業」を通してモデル地域の成果検証に取り組むほか、5年度以降の事業発展や成果普及などを図っていくと回答。高速回線の整備に関しては7月末までに市町村が希望する全地域で光ファイバー整備が進められる見通しを示した。

 要望は①町村教委の充実・強化②学校教育の改善・充実③生涯学習・社会教育の振興・充実④いじめ・不登校対策⑤NHKテレビの放送受信料免除措置の継続⑥新型コロナウイルス感染症対策―を柱に新規8項目、継続64項目の計72項目で構成。

 回答をみると、小学校の少人数学級編制に関しては対象学年を引き続き拡大して6年度までに全学年で導入するとし、国の加配等を活用し小学校高学年の教科担任制を引き続き進めるとした。

 不足する期限付教諭の確保に向けては、ユーチューブや民間情報誌、ホームページの活用のほか、60歳以上を代替教員として任用するなど人材の掘り起こしに引き続き努めていくとした。

 休日の部活動の地域移行に向けては、兼職兼業の教員を含む指導者への報酬や部活動の費用が大きな負担とならないよう国に働きかけていくと回答。

 児童生徒の新型コロナワクチンの早期接種に関しては、児童生徒や保護者自らがワクチン接種の判断をできるよう、引き続きホームページや資料配布など丁寧な情報提供に努めていくとした。

 回答の概要はつぎのとおり。

【町村教育委員会の充実・強化】

▼指導主事の配置

 学校教育の一層の充実・発展のため、市町村教育委員会への指導主事(義務教育)の配置について、財政面での措置をはじめとした支援策が講じられるよう国に要望していただきたい。

〈回答〉

 市町村教育委員会における指導主事の配置が促進されるよう、地方交付税の増額など財政面での措置を含めた支援策の充実についてこれまでも国に要望しており、引き続き要望していきたいと考えている。

【学校教育の改善・充実】

▼小・中学校教職員定数の改善

 少人数学級の拡大や小学校教科担任制への対応のため、「新たな教職員定数改善計画」等の策定および実施について国に対して強く要望していただきたい。

 また、北海道独自の加配措置の拡大についてもお願いしたい。

〈回答〉

 道教委では、これまでも子どもたち一人ひとりに応じた指導の充実のため「公立義務教育諸学校の学級編制および教職員定数の標準に関する法律」で定められている小学校第1~3学年に加え、国の教職員の加配定数を活用し、国に先行して小学校第4学年、第5学年の一部および中学校第1学年の一部で少人数学級編制を実施してきており、さらに5年度は小学校第5学年、第6学年の一部への導入を進め、6年度までに対象学年を小学校全学年へ順次拡大することとしている。また国の加配を活用することなどによって小学校高学年における教科担任制を推進する。

 道教委としては、少人数学級編制のさらなる拡大や加配措置の拡大を図るためには国の新たな教職員定数改善計画の策定を必要とし、道単独での実施は困難であると考えており、今後とも全国都道府県教育委員会連合会と連携し国に対して強く要望していく。

▽生徒指導の充実強化のため、児童生徒指導専任教員の配置拡充について配慮いただきたい

〈回答〉

 道教委では、いじめ・不登校など児童生徒の生徒指導上の諸問題への対応のため、国の児童生徒支援加配を活用し特にきめ細かな指導が必要とされる学校などに対し教員を加配している。道教委としては、多様化・複雑化する児童生徒の生徒指導上の問題に対しより適切に対応するためには国の定数改善が必要と考えており、児童生徒支援加配措置の拡充について今後とも全国都道府県教委連と連携し国に対して要望していく。

▽学校図書館司書教諭を「標準法」に新設するようにしていただきたい

〈回答〉

 「公立義務教育諸学校の学級編制および教職員定数の標準に関する法律」においては司書教諭の定数措置がされておらず、学校図書館機能の一層の充実のためには国の定数改善が必要と考えており、司書教諭の定数措置の新設について今後とも全国都道府県教委連と連携し国に対して要望していく。

▽学校事務職員および養護教諭の全校配置および栄養教諭、学校栄養職員の配置拡大について国に要望していただきたい。また道独自の改善策として積極的に進めていただきたい

〈回答〉

 道教委としては、現行の基準以上に事務職員、養護教諭および栄養教諭等を配置するためには国の定数改善を必要とし道単独での実施は困難であると考えており、事務職員、養護教諭の全校配置および栄養教諭等の定数措置の拡充について今後とも全国都道府県教委連と連携し国に対して強く要望していく。

▽教頭未配置校および3学級4定員の解消等、配置基準の見直しを積極的に進めていただきたい。なお、小・中学校のへき地5級および離島加配は全学校に措置するよう特に配慮していただきたい。また離島ごとに小学校1校に加配されているが、2校にするなど段階的な加配についても配慮願いたい

〈回答〉

 道教委では、道独自の措置として離島に所在する中学校全校および離島ごとに小学校1校へ加配しており、今後も継続して配置できるよう努めていく。

 道教委としては、現行以上に教頭および教員を配置するためには国の定数改善が必要と考えており、小規模校における定数措置の拡充および離島設置の小・中学校への加配措置の新設について今後とも全国都道府県教委連と連携し国に対して要望していく。

▽中学校の小規模校における免許外教科担任の解消に向け制度の改善など国に強く要望していただきたい。また道独自の加配教員配置をお願いしたい

〈回答〉

 道教委では、中学校免許外教科担任の解消に向けて教科のバランスに配慮した人事配置や免許法認定講習の実施による複数免許所有者の拡大に努めているとともに、平成26年度からは6学級以下の学校の一部に加配教員等の配置を行っている。

 道教委としては、現行以上に加配教員等を配置するためには国の定数改善を必要とし、道単独での実施は困難であると考えており、免許外教科担任の解消が図られるよう定数措置の拡充について今後とも国に対して要望していく。

▽小学校複式学級編制の現行基準16人を下回る基準の改正について国に要望していただきたい。また、道独自の措置を講じていただきたい

〈回答〉

 道教委では複式学級について「公立義務教育諸学校の学級編制および教職員定数の標準に関する法律」に準拠し学級編制基準を定めている。

 道教委としては、現行の基準を下回る基準に改正するためには国の定数改善を必要とし、道単独での実施は困難であると考えており、道内の約3割の小学校に複式学級がある実情を踏まえ小学校の複式学級にかかる学級編制標準の引き下げについて今後とも全国都道府県教委連と連携し国に対して要望していく。

▽新たな教育課程実施に伴う授業時数増に対し、教員定数の改善を図っていただきたい

〈回答〉

 道教委では、教職員定数について国における新学習指導要領の実施に伴う小学校外国語教育の授業時数増に対応するための専科教員にかかる加配措置の拡充に沿って改善してきた。

 道教委としては、さらなる加配措置の拡充のためには国の定数改善が必要と考えており、新学習指導要領の趣旨を踏まえた教育課程を実現するための定数措置の拡充について今後とも全国都道府県教委連と連携し国に対して要望していく。

▽連携型中高一貫教育を導入した地区の中学校教員の増員配置を制度化していただきたい

〈回答〉

 道教委としては、連携型中高一貫校の中学校に加配を措置するためには国の定数改善が必要と考えており、中高一貫教育に関する加配措置の新設について今後とも国に対して要望していく。

▽特別支援学級については、障がいのある児童生徒一人ひとりの特別な教育的ニーズに応じた適切な教育を行うための学級編制や教員定数の一層の拡充について積極的に国に要望していただきたい。また、重度障がい児の受入れのための追加措置について国に要望していただきたい

〈回答〉

 道教委では、特別支援学級の教員について学級数に応じて配置しており、肢体不自由、自閉症・情緒障害、知的障害学級で児童生徒数が7人以上の場合などに道独自の措置として1人加算するほか通級指導を行う学校への加配措置を行うなど教職員配置の充実に努めている。

 道教委としては、現行の基準以上に配置するためには国の定数改善が必要と考えており、障がいのある児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じた指導、支援を適切に行うことができるよう、定数措置の一層の拡充について今後とも国に対して要望していく。

▽小中一貫教育実施に伴う業務量等の増加に対し、教員定数の改善など制度の見直しについて引き続き国に強く要望していただきたい

〈回答〉

 道教委では、小中一貫教育に関し平成29年度から小中一貫教育の導入等に向けた支援のため国の加配の範囲内で小中一貫教育実施校や実施予定校に対し教員を加配している。

 道教委としては、現行以上に教員を加配することは国の定数改善が必要と考えており、定数措置の拡充について今後とも国に対して強く要望していく。

▽義務教育費国庫負担制度については、教育の機会均等とその水準の維持向上を図るためその制度の根幹を尊重するよう国に要望していただきたい

〈回答〉

 道教委としては、義務教育費国庫負担制度は義務教育の根幹をなすものであり、国の責務において確実に財源を保障するべきものと考え、これまでも国に対して全国都道府県教育長協議会や教育委員協議会を通して必要な財源が確保されるよう要望を行ってきており、今後とも引き続き国に働きかけるとともに、知事部局とも連携し必要な財源の確保に努めていきたいと考えている。

▽小・中学校の情報教育やICTを活用した教育の充実を図り、確かな学力を向上させるために、学校全体の情報教育を統括・推進する教員の加配を含めた教員定数の拡充や情報通信技術支援員(ICT支援員)の配置等に対する措置を図っていただきたい。また、過疎地域にICTに精通した専門職員の派遣を講じていただきたい

〈回答〉

 道教委では、教員自らの専門性を最大限発揮することができるよう業務改善を行うため、国の加配の範囲内でICT関連業務などを行う専門職員として事務職員を加配している。

 道教委としては、現行以上に加配することは国の定数改善が必要と考えており、教育の情報化推進のための定数措置の拡充について今後とも国に対して要望していく。情報通信技術支援員(ICT支援員)の配置については、財政措置のさらなる充実や人材確保のための支援を行うよう要望してきており、今後も引き続き必要な対応を行っていく。

▽小学校外国語活動における外国語指導助手(ALT)の補助制度の新設および外国語活動に関する経費の財政支援について国に要望していただきたい

〈回答〉

 本道ではこれまで多くの外国語指導助手を招致し学校における英語の授業や放課後の活動等に活用するほか、地域住民等との交流への活動などを通して外国語教育および国際理解教育の充実を図っている。

 外国語指導助手の配置に当たり、地方自治体単独で一定の資質・能力を備えた外国語指導助手を確保することは難しいことから、道教委ではALTを確実に配置できるようJETプログラムの継続および拡充、ならびにALTの配置やJETプログラム以外の指導助手の配置に対する地方交付税化を含む財政支援についてこれまでも国に要望しており、引き続き要望していきたいと考えている。

▽中学校における通級の実施に当たり、教員の加配基準の一層の弾力化と巡回指導に関わる教員の配置を重点的にお願いしたい

〈回答〉

 道教委では、通級による指導が必要な児童生徒数の増加を踏まえ、国の基礎定数等を活用して学校の実態に応じて教職員を配置しており、引き続き中学校における新規の通級指導教室の開設も含め、加配措置の拡充に計画的に取り組んでいく。

 道教委としては、国の方針を最大限に生かし通級指導の充実に努めるとともに、定数措置の拡充について今後とも国に対して要望していく。

▽学校における働き方改革を進めるため、主幹教諭や事務職員などの配置の拡充を図っていただきたい。なお、主幹教諭の配置については、基準を緩和し小規模校へも配置ができるよう道独自の加配教員配置をお願いしたい

〈回答〉

 主幹教諭の配置については、平成21年度に配置を開始して以降毎年度配置数を拡充しているが、主幹教諭の配置基準の緩和を図るためには国の加配定数を必要とし、道単独での実施は困難であると考えている。また、現行の基準以上に事務職員を配置するためには国の定数改善が必要であると考えている。

 道教委としては、引き続き主幹教諭、事務職員の適切な配置に努めるとともに、今後とも全国都道府県教委連と連携し、国に対して強く要望していく。

▽学校教育充実のために町村が独自で配置している支援員等に国の財政措置をお願いしたい

〈回答〉

 道教委では、特別支援教育支援員やICT支援員の財源措置の拡充について国に要望しているが、町村が単独で配置している支援員等の財政措置については具体的な業務内容等を踏まえて国への要望について検討していく。

▽新採用教員の多くが数年勤務の後、他管内へ異動する。教育の継続性という観点から他管内への異動はある程度の経験を積んでからにしてもらいたい。また、併せて地域枠採用教員の拡大をお願いしたい

〈回答〉

 各教育局では、管内学校教育の一層の充実を図るため、地域の特性など管内の実状に応じ異動基準を設定している。また、教員採用選考検査の「地域枠選考」については、平成22年度から「宗谷、日高、根室管内の小学校区分から開始し、平成29年度から中学校5教科を、令和2年度からオホーツク管内を加えた。

 今後、受検状況等を踏まえ地域枠を含め選考検査のさらなる改善について引き続き市町村教育委員会の意見も伺いながら検討を進めていきたいと考えている。

▽インクルーシブ教育の推進に当たり、特別支援学級の児童又は生徒は相応の時間を普通学級で学習する実態にあることから普通学級の学級編制に当たっては、特別支援学級在籍指導又は生徒を含んだ人数を基礎としていただきたい。また、併せて地域枠採用教員の拡大をお願いしたい

〈回答〉

 「公立義務教育諸学校の学級編制および教職員定数の標準に関する法律」では、学級編制の区分として、通常の学級と特別支援学級を別に規定されており、通常の学級と特別支援学級はそれぞれに学級編制を行うよう定められている。

 道教委としては、児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じた指導や支援を適切に行うことができるよう、特別支援教育にかかる定数措置の拡充について今後とも全国都道府県教委連と連携し国に対して要望していく。

▽期限付教諭等の採用が難しい状況となっている。特に年度中途の任用は非常に難しいことから道教委において方策を講じていただきたい

〈回答〉

 期限付教諭等の確保に向けてはこれまで、ハローワークやホームページ、ユーチューブ、民間の就職情報誌やウェブサイトなどを活用した教員募集に取り組んでいるほか、これまで任用の対象としていなかった60歳以上の者について、代替教員等として任用できる取扱いを定めるなど新たな人材の掘り起こしに努めている。

 今後ともこうした取組を継続するほか、教員になりたいという人材を一人でも多く確保していくため、更なる取組の充実に努めていく。

▽休日部活動の地域移行に当たり、教職員の兼業兼職を行う場合の経費負担について国や自治体の負担割合など制度の枠組みを早急に示すよう国に要望していただきたい

〈回答〉

 休日の部活動の地域移行の取組が着実に進められるよう、兼職兼業の許可を得た教師を含む指導者への報酬等や場所や用具にかかる使用料等の地域部活動の費用が保護者にとって大きな負担とならないよう、要望の趣旨を踏まえ、国に働きかけていきたいと考えている。

▼教職員の処遇改善

 一般旅費、研修旅費、生徒指導旅費等の増額措置をしていただきたい。また、札幌からの遠隔地の配分率の引き上げや、離島学校の旅費配分および中体連等全道大会の引率旅費についても配慮願いたい。なお、離島学校の場合は宿泊を伴うことが大半であることから離島加算額の拡大をお願いしたい

〈回答〉

 研修旅費については、これまで自主的・主体的な研修活動や学校の研究課題に関わる調査研究を奨励するため「校内教職員研修促進費」を予算措置してきた。平成24年度からは学校の小規模化の問題に対応するため、事業名を「校内・地域教職員研修促進費」に変更し、複数の学校が合同で研修を行うことができる地域連携型の事業「地域連携研修」を実施するとともに、平成26年度からは、新たに特別支援学校を対象とするなどして拡充してきた。

 生徒指導旅費については、家庭訪問や校外指導等生徒指導を行う際の旅費として予算措置しており、配分された旅費を超えて対応しなければならない事案が生じた場合は、必要に応じて市町村や学校に配分された旅費全体の範囲内で調整を行うなど、弾力的な運用をすることとしている。

 中体連等全道大会の引率旅費については、道教委では昭和56年度から日本中学校体育連盟が主催する全国中学校体育大会にかかる引率旅費を措置してきており、平成25年度からは10人以上の生徒を引率する場合、引率者1人の加算ができるよう改善した。道中学校体育連盟が主催する地区大会(地域およびブロック大会も含む)にかかる引率旅費についても、平成25年度から新たに全国大会同様の措置をしている。なお、全道大会の引率旅費については厳しい道財政の状況から予算措置は難しいと考えているが、運動部活動の在り方に関する今後の国の動向等を注視しながら、引き続き検討していきたいと考えている。

 なお、一般旅費、研修旅費、生徒指導旅費等の増額措置については道の財政状況から極めて厳しい面があるが、引き続き必要な予算の確保に努めていく。

▼学校給食用物資に対する国庫補助の維持・継続

▽牛乳等に対する補助制度の維持・継続および米飯給食推進の新たな施策について強く国に要望していただきたい

〈回答〉

 学校給食用牛乳に対する国庫補助については、輸送条件が不利な地域への供給支援や消費量の拡大等のための補助が行われている。また、学校における米飯給食の推進については週3回以上の実施が目標とされている。

 道教委としては、学校給食用牛乳や米飯等の学校給食用物資にかかる施策を充実するよう引き続き国に要望していきたいと考えている。

▽就学援助が必要な児童生徒への学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)の作成等に要する経費の財政措置について国に要望していただきたい

〈回答〉

 4年度診療報酬改定において、学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)の保険適用が行われたが、就学援助が必要な児童生徒へのより一層の負担軽減を、引き続き国に要望していきたいと考えている。

▼義務教育教科書の無償給与制度の継続

 義務教育諸学校に在学する児童生徒に対する教科用図書の無償給与制度を継続するよう国に要望していただきたい

〈回答〉

 義務教育教科書の無償給与制度の存続については、これまでも国に対し要望してきており引き続き要望していきたいと考えている。

▼へき地教育の振興

▽スクールバスの購入費補助限度額の引き上げと対象となる通学距離(児童4㌔㍍以上、生徒6㌔㍍以上)の緩和について国に要望していただきたい

▽最近、中・大型バスの需要が増えてきており、年度内納車が難しいケースも出てきていることから、スクールバス購入費については会計年度をまたがる補助申請を可能にするなどの対策を要望していただきたい

〈回答〉

 スクールバス購入費の補助限度額の引き上げやバスの発注から納品までの期間が長期化していることへの対応など、児童生徒の通学手段を確保するための施策を充実するよう、引き続き国に要望していく。

▽道立高校の募集停止に伴い、地元から高校がなくなり遠距離通学となる場合は生徒の修学機会の確保と併せて保護者の経済的負担軽減を目的として、町単独で実施している通学費の補助について交付税措置が図られるよう国に強く要望していただきたい

〈回答〉

 多くの市町村が、通学費等の補助やスクールバスの運行等、生徒に対する通学支援を行ってもらっていることは道教委としても承知している。

 道教委では、これまでも市町村が実施する通学費補助やスクールバスの運行に対する財政措置について国に要望しており、今後とも引き続き要望していきたいと考えている。また、過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法の対象となる市町村では、市町村が行う通学支援の取組について過疎対策事業債を財源とすることが可能であり、この場合、元利償還費の70%が基準財政需要額に算入されるので、こうした取扱いについても引き続き市町村に情報提供をしていきたいと考えている。

▽へき地教員住宅の必要戸数の確保とへき地教員住宅の長寿命化・質的改善等の改修工事および関連経費等(解体工事費、用地購入費、宅地造成費等)を補助対象とされるよう国に要望していただきたい

〈回答〉

 道教委では、国に対し令和5年度「国の施策および予算に関する提案・要望」において公立学校施設の整備にかかる必要な財源・事業量の当初予算での確保や補助要件の緩和等施策の充実を要望しており、引き続き国に強く要望していく。

▼幼稚園教育の振興

▽公立幼稚園教職員の給与費に対する補助の制度化について国に要望していただきたい

〈回答〉

 現在、国では、財政健全化の観点などから、経済・財政の一体改革に取り組む中で、各種施策の見直しなどが進められており、公立幼稚園の教職員給与費に対する国庫補助金制度の新設については、実現が極めて難しい状況にあると思うが、道教委としては今後の推移を注視しながら対応していく。

▽幼稚園施設整備費の交付金算定割合、建築単価の引き上げを図るよう国に要望していただきたい

〈回答〉

 公立学校施設整備にかかる建築単価については、4年度に校舎は約10%、屋体は約3%増額されたが依然として実施単価とのかい離がある。

 道教委では、国に対し5年度「国の施策および予算に関する提案・要望」において、公立学校施設の整備にかかる必要な財源・事業量の当初予算での確保や補助要件の緩和等施策の充実を要望しており、引き続き国に強く要望していく。

▽幼稚園設置基準の1学級の幼児数が平成7年度から40人から35人以下に改善されたが、さらに改善されるよう国に要望していただきたい

〈回答〉

 幼稚園におけるきめ細かな指導の充実を図るため、1学級当たりの幼児数の引き下げについて引き続き国に要望していく。

▽教職員定数の3歳児保育への複数配置、養護教諭および事務職員の必置について、幼稚園設置基準を改善するよう国に要望していただきたい

〈回答〉

 3歳児保育への教諭複数配置および養護教諭の必置等にかかる幼稚園設置基準の改善については、地方交付税において新たな財源措置が伴うものと考えられるが、現在、国では財政健全化の観点などから経済・財政の一体改革に取り組む中で各種施策の見直しなどが進められており、道教委としては今後の推移を注視しながら対応していく。

▽幼児教育施設と小学校との連携・接続に向けた教育課程の編成・指導計画の策定に当たり、ガイドラインの策定や先進地での取組事例集の作成など自治体で取組を加速するためのさらなる支援を国に要望していただきたい

〈回答〉

 文部科学省では、幼保小の接続期の教育の質的向上に向け地域の幼児教育と小学校教育の関係者が連携して接続期のカリキュラム・教育方法の充実・改善を行う「幼保小の架け橋プログラム事業」を4年度から実施し、全国的な幼小連携の取組の充実と併せて、実施モデル地域の成果検証に取り組むこととしている。

 道教委としては、5年度以降の本事業のさらなる発展やモデル地域の成果普及も含め、幼児教育振興のための施策の充実、継続的な財政措置の拡充について、今後とも国に働きかけていきたいと考えている。

(道・道教委 2022-07-22付)

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