道教委 教頭候補者確保で調査 「処遇改善」効果的 8割 事務処理補助職員配置など
(道・道教委 2022-07-21付)

表
教頭候補者の確保に効果的と思う取組(クリックすると拡大表示されます)

 道教委は、教頭候補者の育成・確保に向けた管理職アンケート調査の結果をまとめた。道教委による特に効果的な取組(複数回答)は「教頭の処遇改善」が約8割と高く、「柔軟な人事異動」「調査業務の精選」などと続いた。昇任教頭に効果的な研修は「保護者対応」「リスクマネジメント」が5割以上となっている。今後実施した方が良い取組として、事務処理補助職員の配置などが提案された。

 道教委は昨年度に高校における教頭候補者の育成に向けた行動指針を策定。調査は、行動指針を踏まえた管理職の育成・確保に向けた取組や校長の行動の変容を調べるため、道高校長協会、道高校教頭・副校長会の協力を得て実施したもの。

 調査対象は校長216人、副校長・教頭283人。回答率は校長が93・5%、副校長・教頭が83・7%。調査時期は6月13~23日。

 行動指針の策定前における教頭候補者育成に向けた校長の取組は「日常的な指導や人事面談における積極的な働きかけ(84・2%)」「ミドルリーダーに対する昇任の働きかけ(77・2%)」「パワハラと受け取られる行為をしない(70・8%)」の順に多い。

 指針策定後の新たな取組は「管理職候補者のリストアップと継続的育成(32・7%)」「教頭業務の精選・分散化(19・3%)」「成就感を得るコーチングの手法による指導(18・8%)」と続いた。

 行動指針の策定後、教頭昇任候補者選考の受検を働きかけた人数は「1~3人」が6割以上。「0人」との回答も一定数あり、このうち主な理由として「該当する職員がいない」を挙げた割合は校長が9割、副校長・教頭が7割となっている。

 行動指針に掲げた道教委の取組のうち、特に効果的な取組(複数回答)は「教頭の処遇改善」が校長79・7%、副校長・教頭81・9%と最も高い。

 昇任教頭に効果的と考える研修は「保護者対応(校長78・2%、副校長・教頭51・5%)」「リスクマネジメント(校長75・7%、副校長・教頭63・3%)」が高かった。

 職員玄関の鍵の解施錠の状況も調査。副校長・教頭が解錠を行っている割合は24・9%、施錠は37・6%で、理由は「業務上最も遅く退勤することがほとんどだから」が5割以上(解錠59・3%、施錠57・3%)だった。

 道教委の行動指針に示されていない取組のうち、「今後実施した方が良い」と提案のあった主な取組はつぎのとおり。

【校長回答分】

▽候補者が多い札幌市内の校長には、管理職として魅力的な仕事のできる人材を配置

▽人事異動の際の次期管理職条件付きの異動

▽人事異動を要領どおりに運用する仕組

▽教頭になることを前提とした石狩管内への人事異動の推進

▽都市部の勤務年数超過者を確実に地方へ異動(経過措置など都市部に管理職適齢者が滞留できるのであればそちらを選ぶ者が多くなる)

▽引き継ぎ文書のフォーマットなどのマニュアル化

▽教頭経験者への人事の優遇

【副校長・教頭回答分】

▽教頭の事務処理補助職員の配置(管内に配置し、学校の要請に応える形でも良い)

▽60歳以降の異動の優遇

▽都市部の40~50代前半の教員がその後市内異動をしながら定年を迎えることで、管理職として郡部校に単身するケースは多いと考えられる。異動要領の順守が必要

▽新採用時から管理職を意識したライフプランを考える研修

▽年度途中での昇任教頭とベテラン教頭との研修・交流の場の設定

▽様式やアプリがダウンロードできる一元化されたポータルサイトの開設

▽立場や利害を超えてアイデアや情報を共有できるSNSの開設

▽支部等の単位での実務や実技の研修

(道・道教委 2022-07-21付)

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