日高管内の文科省・道教委指定事業 マイスター・ハイスクール静内農高2年目 日高局 文科4事業、道教委15事業
(道・道教委 2022-07-20付)

 【苫小牧発】日高教育局は、本年度の管内における文部科学省・道教委の研究指定校をまとめた。文科省指定は4事業、道教委指定は15事業となっている。静内農業高校ではマイスター・ハイスクール2年目の取組を推進。新冠町立新冠中学校では中学校体力向上推進事業に取り組み、実践的指導力に優れた教員を中心として授業改善と授業以外での体力向上に向けた取組を推進する。指定校の研究概要はつぎのとおり。

◆文科省指定

▼スクールソーシャルワーカー活用事業

▽指定先=浦河町

 いじめ、不登校、暴力行為、児童虐待など生徒指導上の課題に対応するため、教育分野に関する知識に加え、社会福祉などの専門的な知識・技術を児童生徒の様々な環境に働きかけて支援するスクールソーシャルワーカーを配置し、教育相談体制を整備する。

▼スクールカウンセラー活用事業

▽指定先=平取高、富川高、静内高、静内農業高、浦河高、平取養護、日高町(日高中、厚賀中、富川中、門別中)、平取町(平取小、紫雲古津小、振内小、貫気別小、二風谷小、平取中、振内中)、新冠町(新冠中)、新ひだか町(高静小、静内小、山手小、桜丘小、東静内小、三石小、静内中、静内第三中、三石中)、様似町(様似小、様似中)、えりも町(えりも小、笛舞小、えりも岬小、庶野小、えりも中)

 児童生徒の臨床心理に関して高度に専門的な知識および経験を有する人材をスクールカウンセラーとして配置し、児童生徒へのカウンセリング、教員・保護者への助言などを行い、児童生徒の心の悩みの深刻化やいじめ・不登校などの問題行動の未然防止、早期発見・早期対応を図る。

▼マイスター・ハイスクール事業

▽指定先=静内農業高

 専門高校と産業界等が一体・同期化し、絶えず進化する最先端の職業人材育成システムを構築するため、静内農業高校を指定し、特色ある日高の農産業の実践を通して、地域と産業の持続的発展をけん引するイノベーターとしてのマイスター育成を図る。

▼中学校における部活動指導員配置促進事業

▽指定先=えりも町

 部活動の顧問として技術的な指導を行うとともに、担当教諭などと日常的に指導内容や生徒の様子、事故が発生した場合の対応などについて情報交換を行うなどの連携を十分に図る。

◆道教委指定

▼授業改善推進チーム活用事業(端末活用推進チーム)

▽指定先=新ひだか町(静内小、山手小、東静内小、高静小、桜丘小、三石小、静内中、静内第三中、三石中)

 児童の学力向上に積極的に取り組もうとする複数の小学校に1人ずつ授業改善推進教員を配置し、その推進教員からなる授業改善推進チームを活用して学校全体の授業改善に取り組む。

▼退職教員等外部人材活用事業

▽指定先=日高町(門別小)、平取小(平取小、紫雲古津小、振内小、貫気別小、二風谷小)、新ひだか町(高静小、東静内小、桜丘小、三石小)、様似町(様似小)

 退職教員を活用し、全国学力・学習状況調査等の結果から明らかとなった学習指導などの課題や改善の方向性に基づき、学力向上の取組の充実を図る。

▼学校力向上に関する総合実践事業

▽指定先=〈地域指定〉えりも町(えりも小、笛舞小、えりも岬小、庶野小、えりも中)、浦河町(堺町小、浦河小、浦河第一中)

 管理職のリーダーシップのもと、全教職員が1つのチームとなって、包括的な学校改善を推進するモデルを提示し、実践の成果を普及するシステムを構築する。

▼体育専科教員配置事業

▽指定先=日高町富川小、平取町平取小(兼務校・平取町二風谷小)

 体育を専門とする教員を児童の体力向上に積極的に取り組もうとする小学校等に配置し、学級担任等とのチーム・ティーチングによる指導や授業づくりの支援等を行い、小学校教員の体育に関する指導力の向上や学校全体の体力向上の取組の充実を図る。

▼中学校体力向上推進事業

▽指定先=新冠町新冠中

 中学校における保健体育科の授業改善と授業以外における体力向上に向けた取組を推進するため、実践的指導力に優れた教員を指定する。専門性を生かした授業のほか、指導方法の工夫改善と教育活動全体を通した体力向上に関する実践研究、新体力テストの全学年・全種目の実施、新体力分析ツール等を活用した体力向上プランの作成などに取り組む。

▼北海道ふるさと教育・観光教育等推進事業

▽指定先=〈観光〉日高町門別小・実践校、日高町日高小・協力校。〈アイヌ〉平取町平取小・実践校、平取町二風谷小・協力校。〈北方領土〉新冠町新冠中・実践校、えりも町えりも岬小・協力校

 道徳科、総合的な学習の時間、特別活動等において「アイヌの人たちの歴史・文化等」と「北方領土」の学習を取り上げたり、本道の自然や文化、観光産業等の教育資源を活用したりすることによって、本道についての理解を深め、郷土に対する愛着や誇りを育むふるさと教育・観光教育の充実を図る。

▼中1ギャップ問題未然防止事業

▽指定先=様似町(様似小、様似中)

 子どもの人間関係づくりの能力の育成や、小・中学校間の連携を促進するとともに、家庭や関係機関との情報共有を図るなど、中1ギャップ問題解消の取組を実施する。

▼フッ化物洗口普及事業

▽指定先=日高町(日高小、厚賀小、富川小、門別小、日高中、厚賀中、富川中、門別中)、平取町(平取小、紫雲古津小、振内小、貫気別小、二風谷小)、新冠町(認定こども園ド・レ・ミ、新冠小、朝日小、新冠中)、新ひだか町(高静小、静内小、東静内小、山手小、桜丘小、三石小)、様似町(認定こども園町立幼児センターあすなろ幼、様似小、様似中)、えりも町(えりも小、笛舞小、えりも岬小、庶野小)

 知事部局と連携し、幼児児童生徒にかかる歯・口腔の健康づくりの推進を図るため、学校へフッ化物洗口の導入を促進する。

▼地域医療を支える人づくりプロジェクト事業

▽指定先=静内高・協力校

 将来における本道の地域医療を支える人材を育成するため、医学部への進学を目指す道立高校の生徒に対して、地域医療の現状や医師という職業への理解を深める機会を提供し、地域医療を担う使命感を育成するとともに、教育課程や指導方法の改善・充実を図ることにより、進路希望の実現に向けた効果的な学習支援に努め、本道の高校教育全体の活性化に資する。

▼高校生ステップアップ・プログラム

▽指定先=平取高

 道立高校におけるいじめや不登校、中途退学の未然防止、自殺の予防を図るため、予防的・開発的な視点に基づく生徒の人間関係を形成する力やコミュニケーション能力の育成を図る取組や、自殺予防教育プログラムを活用した取組を実践するとともに全道の高校への普及を図る。

▼道立学校における部活動指導員配置事業

▽指定先=平取高、静内高、浦河高

 部活動の顧問として技術的な指導を行うとともに、担当教諭などと日常的に指導内容や生徒の様子、事故が発生した場合の対応などについて情報交換を行うなどの連携を十分に図る。

▼特別支援教育総合推進事業(発達障がい支援成果普及事業)

▽指定先=〈推進地域〉様似町

 教員の発達障がいに関する専門性の向上および発達障がいのある子どもやその保護者への早期からの教育相談や支援体制の充実を図るため、その取組の成果を広く道内に普及し、本道における発達障がいの可能性のある幼児児童生徒への支援の充実を図る。

▼小規模総合学科等による地域と連携・協働した高校魅力化推進事業

▽指定先=浦河高

 小規模となった総合学科等が実施する高校の魅力化に向けた取組を支援し、これらの高校の教育環境の充実を図るとともに、その成果の普及を図ることにより、本道の高校教育全体の活性化に資する。

▼就職指導の改善に関する研究指定校

▽指定先=静内農業高

 今日的な就職指導に当たっては、一人ひとりの社会的・職業的自立に向け必要な基盤となる資質・能力の育成が必要であることから、実践研究校を指定して社会や職業への円滑な移行に向けた調査研究を行い、高校における就職指導の改善・充実を図る。

▼働き方改革推進事業

▽指定先=日高町富川中、浦河高

 学校の実態に応じた効果的な働き方改革を進めるため、北海道の学校における働き方改革手引『Road』の実践事例の普及啓発や北海道アクション・プランで掲げる取組を積極的に進め、好事例の横展開を図る。

(道・道教委 2022-07-20付)

その他の記事( 道・道教委)

道町村教委連 5年度文教要望 幼小接続へモデル事業 72項目に道教委が回答

 道教委は、道町村教育委員会連合会(会長・本庄幸賢当別町教育長)の5年度文教施策に対する要望事項に対する回答をまとめた。幼小連携・接続に向けては本年度から国の委託を受けて開始する「幼保小架け...

(2022-07-22)  全て読む

石狩局 独自に石狩WEBチャンネル 動画コンテンツを新設 子ども未来会議など情報発信も

 石狩教育局は本年度、局独自事業として「石狩WEBチャンネル」プロジェクトを開始する。従来の遠隔講習に加え5分程度のショートコンテンツ「チャンネル・5(ファイブ)」を開始するほか、オンライン...

(2022-07-22)  全て読む

高校配置計画地域別検討協〈檜山〉 魅力的な教育課程確立を 4高が特色生かした取組紹介

第2回公立高校配置計画地域別検討協議会(檜山)  【函館発】道教委は20日、第2回高校配置計画地域別検討協議会(檜山学区)を開いた。オンライン参加を含め、市町村教委や公立高校、小・中学校、PTA関係者など約30人が参加。8~11年度の4年...

(2022-07-22)  全て読む

道教委 体力向上推進会議 組織的取組の充実へ 体育専科教員ら60人が研鑚

体力向上推進会議  道教委は13日、札幌市内の道第2水産ビルで第1回道体力向上推進会議を開催した。北広島市立東部小学校の河内山智史教諭ら3人が児童生徒の体力向上に向けた組織的な取組や授業づくりのポイントを発表...

(2022-07-21)  全て読む

道教委 教頭候補者確保で調査 「処遇改善」効果的 8割 事務処理補助職員配置など

表  道教委は、教頭候補者の育成・確保に向けた管理職アンケート調査の結果をまとめた。道教委による特に効果的な取組(複数回答)は「教頭の処遇改善」が約8割と高く、「柔軟な人事異動」「調査業務の精選...

(2022-07-21)  全て読む

渡島局 学校ICT活用連絡会議 1人1台端末の実践交流 デジタル教科書の方向性等

 【函館発】渡島教育局は14日、本年度第1回渡島管内学校ICT環境・活用連絡会議を実施した。管内市町教委、総合振興局の職員や公立学校の教職員ら約30人が参加。深見亘教育支援課長がデジタル教科...

(2022-07-20)  全て読む

道教委 ICT活用へ情報共有 各管内で連絡会議開催 知事部局、市町村等が参画

 会議は、各管内における学校のICT環境やICTの活用、デジタル人材の育成等に関し、知事部局、市町村の関係部署等の行政機関や市町村教委、学校において情報共有を図り教育環境の改善を図ることが目...

(2022-07-20)  全て読む

道教委 担当教員の英語力向上へ 検定料を全額補助 8~9月 新セミナー受講等要件

 道教委は本年度、道内公立中学校、高校、特別支援学校の英語担当教員を対象に、実用英語技能検定など外部検定試験の検定料を全額補助する取組を行う。8、9月に開催する英語力向上ブラッシュアップセミ...

(2022-07-20)  全て読む

道内外関係者がT―base視察 元中教審委員・堀田教授が来道 教育観の転換が必要 特別講義や元紺谷校長と対談

遠隔授業配信センター視察①特別講義  東北大学大学院情報科学研究科の堀田龍也教授ら一行は6日、有朋高校(元紺谷尊広校長)を訪れ、T―baseの遠隔授業を視察した。特別講義では堀田教授が「未来へ描く遠隔授業のこれから in Ho...

(2022-07-19)  全て読む

授業改善推進へ全道研 個別最適、協働的学びを シンポジウムで協議 道教委

授業改善推進チーム全道研修会  道教委は13日、札幌市内の道第2水産ビルで学力向上推進事業授業改善推進チーム全道研修会を開催した。シンポジウムでは国立教育政策研究所の学力調査官を務めた道教育大学附属函館中学校の黒田諭副校...

(2022-07-19)  全て読む