道 3年度児童虐待相談状況公表 過去最多の4019件 被虐待者は小学生以下8割(道・道教委 2022-10-04付)
道は、3年度の道立児童相談所における児童虐待相談対応状況を公表した。道立8児童相談所が虐待事案として相談対応した件数は、前年度に比べ325件増の4019件となり過去最多に。札幌市児相を含んだ総数も6421件と過去最多となった。札幌市は160件の減だったが道の増加分がそれを上回った。内容は依然として心理的虐待が63・1%と多数を占め、夫婦間の不和によって実父、実母が虐待しているケースが多い。虐待を受けた子の年齢は小学生以下が8割を占めている。
虐待の内容は、心理的虐待が2535件(63・1%)と多く、次いで身体的虐待が828件(20・6%)、ネグレクトが615件(15・3%)、性的虐待が41件(1・0%)。
相談経路は警察署からの通告による対応が55・3%と半数以上を占め、次いで児相等への通告が19・3%。学校等からの通告は3・8%にとどまった。
主な虐待者は、全体では実父と実母が共に42・3%。虐待種別では、心理的虐待は実父が51・1%、実母が33・5%。身体的虐待は実母が42・8%、実父が36・8%。ネグレクトは実母が80・3%、実父が13・7%。性的虐待は実父が39・0%、養父や母の内縁の夫が36・6%。
虐待を受けた子どもの年齢は、0歳から就学前までが42・1%。小学生が35・5%と、小学生以下が約8割を占める。
虐待への対応は、子どもが在宅のまま保護者に助言指導やカウンセリングなどを行う面接指導がこれまで同様9割を占め、施設入所や里親等への委託は約3%。
虐待に至った要因は、全体では「夫婦間不和」が33・4%と最も高く、次いで「心または人格の問題」が19・7%、「育児疲れ」が18・2%の順。
虐待の内容別では、身体的虐待は「育児疲れ」が32・6%、「心または人格の問題」が24・9%で、この2つで半数を占める。
性的虐待では「心または人格の問題」が24・4%、「夫婦間不和」が14・6%。ネグレクトは「心または人格の問題」が19・5%、「経済的困難」が17・2%、「育児疲れ」が14・1%。心理的虐待は「夫婦間不和」が46・5%と多く、全体における「夫婦間不和」の割合を押し上げている。
今後に向けて、道では児童福祉司等の専門職員の適切な配置や研修の充実、警察との情報共有の徹底のほか、本年度から各児相に配置を進めている保健師が、子どもの健康・発達に関するアセスメントや保健指導を行う。
また、SNSを活用した全国一律の相談支援システムを来年2月ころ開始する予定だ。
(道・道教委 2022-10-04付)
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