３定道議会決算特別委（１１月１０日）　３年度支援金　７７％が対象に　授業料は公立の３.８倍　私立高生の修学支援

（道議会 2022-11-15付）

　私立高校生への修学支援について質疑が行われた。

　木村学事課長はまず、道内の公立・私立の生徒数について「全日制私立高校の生徒数は、平成２４年度は２万９７４３人、本年度は３万９４人となっており、１０年間で３５１人の増となっている」「一方、全日制公立高校における生徒数は２４年度は１０万３８６９人、本年度は７万８２５０人となっており、１０年間で２万５６１９人の減となっている」と説明。

　また、道内の公立・私立高校の全生徒数に占める私立高校の生徒数の割合は「２４年度は約２２％、本年度は約２８％」となっていることを示した。

　続いて、就学支援金の対象者数について「３年度は、全日制私立高校の生徒数３万１１８人のうち、就学支援金の対象となった生徒数は２万３４１５人で、全体の７７・７％」「年収区分ごとの内訳は、月額３万３０００円まで支給される年収５９０万円未満程度の世帯の生徒数は１万４４４５人であり、全生徒数に占める割合は４７・９％。月額９９００円を支給される年収５９０万円以上９１０万円未満程度の世帯の生徒数は８９７０人であり、全生徒数に占める割合は２９・８％」と説明した。

　また、授業料について「全日制私立高校における４年度の施設整備費等を含めた授業料の毎月納付金の平均額は月額３万７２３６円となっており、公立高校の月額９９００円と比較し３・８倍」「文部科学省が公表している３年度の納付金に関する調査では、道内の私立高校の平均額は全都道府県中４２位」と説明した。

　続いて、他県の取組について「文科省が行った４年度の修学支援に関する調査によると、３４都道府県が国の就学支援金と独自の支援制度を組み合わせて私立高校生の修学支援に取り組んでいる」「独自の支援制度の内容は様々だが、年収５９０万円を目安に区分した場合、年収５９０万円未満の範囲でのみ支援の対象としてるのは７道県、年収５９０万円以上９１０万円未満の範囲でのみ対象としてるのは９県、いずれの年収区分においても対象としているのは１８都府県」と説明。

　さらに、藤原俊之総務部長は「道内の私立高校は、高校教育の一翼を担いながら建学の精神に基づく特色ある教育を展開しており、子どもたちに多様な教育機会を提供する上で重要な役割を果たしている」との認識を示し「家庭の経済的理由によって修学の機会が損なわれることがないよう、国に対しさらなる就学支援金制度の充実を要望していくことと併せ、他の都府県の状況も参考にしながら限られた財源を効果的・効率的に活用し、引き続き私立高校生の修学支援の充実に努めていく」と述べた。

　安藤邦夫委員（公明党）の質問に対する答弁。

(道議会 2022-11-15付)