道議会質疑 道議会質疑 文教委員会(8月2日)(道議会 2022-11-10付)
【Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand
【質問者】
▼大越農子委員(自民党・道民会議)
▼佐々木大介委員(自民党・道民会議)
▼小泉真志委員(民主・道民連合)
【答弁者】
▼池野敦教育部長
▼唐川智幸学校教育監
▼山本純史総務政策局長兼幼児教育推進局長
▼堀本厚学校教育局長兼ICT教育推進局長
▼中澤美明学校教育局指導担当局長兼新型コロナウイルス感染症対策担当局長
▼奥寺正史総務課長
▼新居雅人義務教育課長兼ICT教育推進課ICT教育推進担当課長
▼髙橋宏明学力向上推進課長兼ICT教育推進課長
▼泉野将司生徒指導・学校安全課長
◆全国学力等調査の結果
Q大越委員 4年度の全国学力・学習状況調査は例年実施している国語、算数・数学に平成30年度以来4年ぶりとなる理科を加えての実施となった。本調査では学習指導要領が求める育成を目指す資質・能力を踏まえ、それを教育委員会や学校に対して具体的なメッセージとして示すものとなるよう、例えば、ICT機器を活用した授業場面や日常の具体的な場面に即した問題が出題されているとのことである。
また、質問紙調査においては児童生徒の生活習慣や学習習慣、ICT機器の授業場面での活用状況など喫緊の教育課題に対する本道の状況が明らかになっているとのことであり、以下、調査結果について何点か伺う。
まず、道教委では7月28日に国の公表に合わせて道内の学力や学習状況を公表しており、その概要について説明があった。複数の教科で全国との差が縮小するという改善傾向が見られるが、道教委は、本年度の結果をどのように受け止めているのか伺う。
A堀本学校教育局長兼ICT教育推進局長 調査結果について。4年度の本道の状況は前回調査と比較し、小学校の全ての教科で全国の平均正答率との差が縮まるとともに、小学校の理科、中学校の国語と理科の3教科で全国の平均正答率とほぼ同水準となるなど改善の傾向が見られた一方で、中学校の数学については全国平均との差が広がるほか、家庭学習などの望ましい生活習慣の定着に課題が見られた。
道教委としてはこうした結果を踏まえ、引き続き市町村教委や学校、家庭、地域と一層連携を深めながら、校長のリーダーシップによる検証改善サイクルの充実や主体的・対話的で深い学びの実現に向けた組織的な授業改善、望ましい生活習慣の確立などを着実に進めていくことが重要であると考えている。
Q大越委員 課題、認識とともに受け止めを伺ったが、今回の調査結果を踏まえて国語、算数・数学、理科の教科に関し本道の子どもたちの成果と課題について伺う。
A髙橋学力向上推進課長兼ICT教育推進課長 教科別の成果と課題について。国語では漢字の書き取り、表現の技法など言葉の特徴や使い方に関する事項、算数・数学では、円グラフや箱ひげ図の読み取りなどデータの活用に関する問題、理科では、実験器具の名称や物質の状態変化など日常の学習や身近な事象に関する問題で全国の平均正答率を上回っており、知識・技能の定着について一定の成果が見られた。
一方、各教科に共通して目的や条件に応じて理由や根拠を示したり、自分の考えを筋道を立てて説明したりすることなどの問題で全国の平均正答率を下回っており、思考、判断、表現に関し、課題が見られる。
P大越委員 知識・技能の定着について一定の成果がある一方で、思考、判断、表現に関し課題があるという認識を示してもらった。自分の考えを筋道を立てて説明したりするということは学習の最終目標に近い最も大事である問題だと思っている。この最も大事なことに課題があるということで想像している以上に重大な課題であると認識すべきと思うので指摘する。
Q大越委員 本道ではこれまでも、児童生徒の家庭での学習時間が少ないことやテレビゲームをする時間が長いなど学習習慣や生活習慣に課題が見られたが、本年度の質問紙調査の結果とその受け止めについて伺う。
A髙橋学力向上推進課長兼ICT教育推進課長 質問紙調査の結果について。児童生徒質問紙調査において学校の授業時間以外に普段1日当たり1時間以上勉強すると回答した割合は、小学校で56・6%、中学校で63・6%となっており、全国と比べて小学校で2・8ポイント、中学校で5・9ポイント低い状況である。
また、普段1日当たり1時間以上携帯電話やスマートフォンでSNSや動画視聴などをしていると回答した割合は小学校で56・5%、中学校で79・3%となっており、全国と比べて小学校で5・9ポイント、中学校で3・5ポイント高い状況となっているなど依然として学習習慣や生活習慣の定着に課題が見られる。
道教委としては引き続き学校における家庭学習への支援の充実や家庭における望ましい生活リズムの定着への理解の促進を図りながら、子ども一人ひとりに学習習慣、生活習慣を確実に身に付けさせることが重要と考えている。
P大越委員 課題について詳細に見いだしていることは評価するが、やはりこの課題のもう少し深い理由に焦点を当ててほしいと思っている。
学習習慣や生活習慣に関して課題があるという中、行動的な問題がやはりあるのではないか。これは想像だが学習塾の有無が大きく影響しているのではないか。学習というものは基本的に望んでやるより、まず図書館に行くとか塾に行くとか、そういった仕組みの中に自分を入れていくということが学習習慣に直結すると思っている。
北海道は非常に広く、179市町村全てに学習塾があるわけではないこの現実を直視しなくてはならないのではないのかと思うので、その点もしっかり調査すべきいう点を指摘する。
Q大越委員 また、今回の質問紙調査では、GIGAスクール構想によって児童生徒一人ひとりに配備されたPCやタブレットなどICT機器の授業場面での活用状況について調査しているが、本道の結果とその受け止めについて伺う。
A高橋学力向上推進課長兼ICT教育推進課長 ICT機器の活用に関する調査結果について。授業での使用頻度や活用場面に関する質問項目においてほぼ毎日使用したと回答した児童生徒および学校の割合がいずれの項目においても全国を上回っており、授業等における1人1台端末の活用が一定程度進んできているものと受け止めている。
一方、友達と意見を交換する場面や自分の考えをまとめ発表する場面における活用について、月1回未満と回答した児童生徒の割合が小・中学校でいずれも2割を超えているなど、授業での活用方法について課題も見られることから、各学校が1人1台端末を効果的に活用した授業を実践し、児童生徒の学びの質を高めることにつなげることができるよう、ICTを効果的に活用した授業モデルや実践事例の提供のほか、道教委ICTサポートデスク等を通じ校内研修の充実に向けた助言を行うなど、学校の取組を支援していく。
D大越委員 課題を述べていただいたが、友達と意見を交換するとか自分の考えをまとめて発表するということはICTの最も大きな強みだと思う。その最も大きい強みである点において活用できていないということはやはり重大な課題なのではないのかと思う。
少しずつ実践しながら実践事例の提供というのも大事だが、やはり大事なことは一歩踏み出す、1か2しかできない状態でもまずやってみるということが大事であるので、そういった視点での支援の在り方というものも考えてほしいと思う。
Q大越委員 最後に今回の調査結果では小学校で全国との差が縮まり、中学校で全国とほぼ同水準の教科が2教科になったものの、依然として学習習慣や生活習慣の定着、学校、地域間の差、小・中学校の連携など課題も多くあると考える。
義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、道教委では全ての教科において全国平均以上を目標としているが、この目標の実現に向け今後、各学校における検証改善サイクルの充実や授業改善に向けて、今回の調査結果をどのように分析し活用していくのか伺う。
A唐川学校教育監 今後の取組について。本道の子どもたち一人ひとりが自らの可能性を発揮し、未来社会を切り開いていく力となる確かな学力を確実に身に付けるためには、学力向上の取組と望ましい学習習慣の確立を総合的に進めていくことが重要と認識している。
このため道教委としては、このたびの小・中学校の調査結果を一体的に捉え、教科に関する調査と質問紙調査を関連付けた分析や各管内や市町村規模による分析、経年変化の分析など詳細な分析を通じ成果と課題を明らかにするとともに、授業改善に向けた道内外の実態や好事例等を把握しながら検証改善サイクルの充実やICTの効果的な活用も含めた授業改善につながる具体的な方策を検討し、各学校や市町村教委に対し情報提供するなど、調査結果や分析結果、学習状況等を相互に関連付け、切れ目のない効果的な学力向上の取組を推進していく。
D大越委員 経年変化の分析など詳細な分析をするということでしっかり取り組んでほしいと思うが、今現在、現時点での理由や課題というものは想像できるところは想像がつくと思う。先ほど指摘したとおり、学習塾をはじめとした学習できる環境がやはり整っていないことが大きな問題だと想像しており、分析もしてもらいたいと思う。
とはいえ全ての市町村に学習塾の設置を促すということはなかなか困難であると思うので、それに準ずる環境整備をどのようにしていくのかということが問題だと思っている。
私は何度か体力向上についても質問しているが、承知のとおり檜山管内では体カテストが好成績であり、その檜山管内がどのような取組をしているのかを調べてもらった上で、それを道内に広げていくということを求めたが、学力も同じで道内の中でも学力の高い市町村や管内はあるはずで、それは他と違うことをやっているから高い結果が出ているのだと思う。市町村や管内の取組をしっかり調べて実践につなげてほしいと強く求める。
◆通学路の安全確保
Q佐々木委員 昨年6月、千葉県の八街市で飲酒運転によって下校中の小学生5人が死傷した痛ましい事故が起きて1年余りが過ぎた。被害者の家族一同はこのようなことは二度と起きてはならないとのコメントを公表している。この事故を受け、全国で公立小学校の通学路について市町村や道路管理者、警察などによる合同の安全点検が実施されている。
点検結果に基づく対策について先の第1回定例会の一般質問でのわが会派同僚議員からの質問に対し、教育長からは学校や市町村教育委員会が担当する1524ヵ所については、次年度の樹木伐採などの取組を継続する20ヵ所を含め、3年度中に交通安全教育の実施や通学路の変更などの対策を講ずるとの答弁があった。そこでその後の対応などについて伺う。
はじめに、第1回定例会の答弁があった以降これまでの対策の状況はどのようになっているのか伺う。
A泉野生徒指導・学校安全課長 合同点検後の市町村での対策状況について。ことし3月末時点で、学校や市町村教委が担当する対策必要個所は、136市町村、1528ヵ所であり、うち1470ヵ所は全ての安全確保対策が実施済みとなっており、対策が全て完了していない残りの58ヵ所のうち、7月末時点で25ヵ所について全ての対策が完了した。
注意喚起看板の設置など時間を要している16市町村の33ヵ所については、速やかに安全対策が講じられるよう引き続き対策の進捗状況を把握し、当該市町村教委に対して、必要な指導助言を行っている。
Q佐々木委員 安全確保対策が必要とされた個所やその具体的な対策内容について地域の方々が情報を共有するために公表することが重要と考えるが、市町村における公表状況はどのようになっているのか、また、今後の対応についても伺う。
A泉野生徒指導・学校安全課長 市町村における公表について。前年度の通学路における合同点検による対策必要個所等をホームページや広報誌等で公表している市町村は、7月末現在、179市町村のうち144市町村となっている。
通学路の安全確保に向け、保護者、地域住民、関係機関から広く協力を得るためには対策必要個所等の情報を適切に発信することが重要であることから、道教委としては、未公表の35市町村に対して、引き続き公表していない理由の把握、公表の必要性の指導を行っており、全ての市町村において速やかに公表されるまで指導助言していく。
D佐々木委員 やはり住民の協力や危険個所の共有という意味では、ぜひともこういった各市町村のホームページ等での共有が必要と考えており、まだ35市町村で未公表ということであるので、全ての市町村で公表ができるように取り進めてほしいと思う。
Q佐々木委員 最後に、未終了となっている対策必要個所に対しては、できるだけ早期に対策を講ずることが必要と考えるが、道教委としては、通学路の安全確保に向けて今後どのように取り組んでいくのか伺う。
A唐川学校教育監 今後の対策について。子どもたちが安心して学校生活を送るためには、登下校時などでの交通事故防止を徹底することが重要であることから、道教委としては、対策が完了していない個所の状況を定期的に把握し、市町村教委に対し、市町村の通学路交通安全プログラムに基づいて、確実に対策を講じるよう指導助言していく。
また、今後も、道路管理者である開発局や道建設部、道警などの対策実施担当者等による連絡会議を通じてそれぞれの対策状況を共有するなどして関係機関と緊密に連携し、対策が完了していない個所については、速やかに通学路の安全が確保されるよう取り組んでいく。
D佐々木委員 今、未終了の部分については、速やかに安全を確保するよう取り組んでいくということであった。これまで上がってきた個所も含め、さらに今後通学路の危険個所や新たに見つかる個所もあると思う。市町村教委や地域との連携も欠かせないと思うので、こういった連携を密にしてもらい、通学路の安全確保、事故の未然防止に取り組むことを求める。
◆半旗掲揚
Q小泉委員 7月27日に帯広市教委が、安倍元首相の葬儀が行われた7月12日に弔意を示すため、市内の全小・中学校39校に対し国旗の半旗掲揚を要請していたとの報道があった。これに関して伺う。まず、新聞に掲載されていたことは事実であるか伺うとともに、今回の経緯についても伺う。
A奥寺総務課長 帯広市内小・中学校における半旗掲揚について。このたびの半旗掲揚は、安倍晋三元内閣総理大臣の葬儀に際し、道が、哀悼の意を表するため、道庁本庁舎において半旗掲揚を実施することについて、道から情報提供を受けた帯広市が、市としても道と同様の対応とすることを判断し、市庁舎で掲揚するとともに、各施設を有する担当部局へ連絡したものと承知している。
また、市教委は市長部局からの連絡を受けて市内の小・中学校に同様の連絡を行ったものと承知している。
Q小泉委員 今回の事実、経緯について道教委の受け止めを伺う。
A山本総務政策局長兼幼児教育推進局長 帯広市教委の対応について。帯広市教委では、市長部局から市庁舎で半旗を掲揚することなどについて連絡を受け、市有の施設である小・中学校に対しても同様の連絡をしたものと承知しており、道教委としては、弔意の表明の在り方については、各自治体が判断すべきことと考えている。
Q小泉委員 弔意の在り方については各自治体が判断すべきという答弁があったが、やはり慎重に判断しなければならないような今回の事例については、聞くところによると文書もなく教育委員会の職員が分担をして各学校に市庁舎に掲揚するとの電話での連絡だった。連絡または情報提供を行っていたという部分での半旗掲揚について、学校長が判断せざるを得ないことがあり得るのか伺う。
A山本総務政策局長兼幼児教育推進局長 半旗掲揚の判断について。2年度に実施された中曽根康弘元内閣総理大臣の内閣・自由民主党合同葬儀に当たり、各府省は、弔旗を掲揚するなどの方法によって哀悼の意を表するよう、各公署に対し協力を要望することとした閣議了解について、文部科学省から各都道府県教育委員会宛て通知がなされた際、当時の文科大臣はこの通知に関し、具体的な対応については関係機関において自主的に判断されることになると発言しており、このことから各学校においては設置者の考えのもと、校長が判断することになると考えている。
O小泉委員 設置者の考えのもと、校長が判断するという答弁があったが、今回の経緯を聞く中で設置者の考え方というものが分からない。市庁舎に掲揚するという電話での連絡や情報提供では設置者の考えというものは明確になっていないと思う。
その中で各学校、校長が判断するというのは非常に難しい、厳しいだろうと指摘せざるを得ないし、市教委から言われれば学校は半旗を掲揚せざるを得ない、という結論に陥ってしまうのではないかということであるので、やはり慎重に判断すべきと道教委としても認識を示してほしいと指摘せざるを得ないと思っている。
Q小泉委員 続いて全道の状況について、帯広市と同様の対応をしていた自治体は他にあったのかどうかを伺う。
A奥寺総務課長 他の市町村の状況について。道教委としては他の市町村において小・中学校等で半旗掲揚を行うよう連絡したか否かについて把握しておらず、現時点でそうした事実は承知していない。
Q小泉委員 今後このようなことがないように道教委として確認をすべきと考えるが所見を伺う。
A奥寺総務課長 全道の状況について。今回の事例が示すように、弔意表明の在り方については、それぞれの自治体で判断すべきものであることから、半旗掲揚の状況について、道教委として調査することは考えていない。
D小泉委員 先ほどもあったが弔意の表明の在り方を各自治体が判断すべきというのであれば、わざわざ道が本庁舎に半旗を掲揚するという情報提供をする必要は全くないのではないかと思う。そのことについて総務部に対して強くこの部分については必要ないということを申し入れるべきということを指摘させていただく。
Q小泉委員 今回の学校現場への半旗の要請だが、教育基本法の第14条第2項にある「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、またはこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない」に抵触する可能性、疑義があるのではないかと考えるが道教委の所見を伺う。
A池野教育部長兼教育職員監 学校における対応について。政治家が死亡した際の弔意の表明については様々な考え方があると承知しているが、このたびの帯広市立小・中学校における対応は設置者である市教委が判断したものである。
道教委としては、学校教育において、学校は特定の政党を支持し、またはこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならないことなどを定めた教育基本法やその他の関係法令等を踏まえ、適切に判断することが必要と考えている。
Q小泉委員 今回の帯広市教委の判断、そしてその手続きについて適切と考えているか伺う。
A池野教育部長兼教育職員監 市教委の判断について。このたびの帯広市内の小・中学校における対応は、設置者である市教委が判断したものだが、道教委としては教育基本法等の関係法令等を踏まえ適切に判断することが必要と考えている。
中曽根康弘元内閣総理大臣の葬儀に当たり、国では弔旗の掲揚に関し、強制を伴うものではなく児童生徒や学生を直接の対象として想定しているものでもないとしており、道教委としてはこうしたことにも留意した上で適切に判断することが必要と考えている。
◆小学校の英語教育
Q大越委員 本道でもグローバル化が急速に進む中、英語教育の充実がますます重要になっている。こうした中、道教委では元年度から全道の全ての中学生を対象に英検IBAを実施するなど生徒の英語力向上に取り組んでいると承知している。
またことし6月の文教委員会において、小学校段階における児童の英語力向上に向けて、日本英語検定協会の協力のもと、児童の英語力を把握することができる英検ESGの実施について検討するとの答弁があった。
この英検ESGの概要や検討の状況などについて伺う。
日本英語検定協会は実用英語技能検定などの事業を行っているが、道教委がこのたび実施を検討している英検ESGとはどのようなものなのか、その概要を伺う。
A新居義務教育課長兼ICT教育推進課ICT教育推進担当課長 英検ESGの概要について。英検ESGは日本英語検定協会によって小学校6年生のために開発されたプログラムであり、教員が指導用の教材として活用できる指導パッケージと児童の読むこと、聞くことに関する英語力を客観的な指標を用いて把握する確認パッケージの2つで構成されている。
英検ESGを実施したあとには、英検協会から児童一人ひとりに対して個人の英語力とそれを踏まえた学習の進め方についてのアドバイスなどが示された資料が届けられ、市町村教委や学校に対しては、学校ごとの結果や平均正答率などのデータが提供される。
Q大越委員 道教委は、なぜ英検ESGを実施しようとしているのか、その目的や背景、効果を伺う。
A新居義務教育課長兼ICT教育推進課ICT教育推進担当課長 実施の目的等について。道教委では各学校が児童一人ひとりの英語力を客観的に把握し、今後の指導や学習に生かし、実際のコミュニケーションにおいて活用できる基礎的な技能を着実に身に付けることを目的として英検ESGを実施する。
中学校では小学校に先駆けて元年度から全学年を対象に英検IBAを実施しており、教員が客観的な評価を指導の改善に生かし生徒が自身の英語の学習到達度を把握して学習に生かすなどしたことによって、道内における英検3級相当以上の英語力を有する生徒の割合が上昇するなどの成果が現われている。
Q大越委員 道内の子どもたちの英語力向上に向けて、英検ESGの取組に大きな期待を寄せているが、年度途中で新たな取組を進めることになれば指導計画の変更や実施に向けた準備など学校への負担にも配慮することが重要と考えるが所見を伺う。
A中澤学校教育局指導担当局長兼新型コロナウイルス感染症対策担当局長 学校への配慮について。英検ESGの実施に当たっては、指導者用の教材である指導パッケージについては学校が児童の実態や指導計画の内容、進捗状況などを考慮しながら、各学校が必要に応じて活用することを想定している。
児童の英語力を把握する確認パッケージについては所要時間が30分程度で実施できることから、年度途中においても全ての学校で実施することが可能と考えている。
道教委では、各市町村教委に対して指導パッケージの活用を含めた実施方法などについて丁寧に説明することとしており、意向を踏まえながら導入につなげていく。
Q大越委員 本道の子どもたちの英語力向上のためには、英検ESGの結果に一喜一憂することにとどまらず、各自のスコアを踏まえ、子どもの主体的な学習や教師の指導の改善に有効に活用されることが重要と考える。
道教委では、小学校段階における英語教育の充実に向けてこうした効果的な取組が各学校で確実に行われるようどのように取り組む考えなのか伺う。
A唐川学校教育監 今後の取組について。児童の英語力の向上のためには、英検ESGの分析結果などの客観的なデータをもとに教員が学校の指導や児童一人ひとりの状況を的確に把握し指導の改善充実に努めていくとともに、児童が自身の学習の成果や課題を把握し主体的に学習に取り組むことが重要である。
道教委では今後、英検ESGの活用によって授業改善のサイクルを確立し、児童の英語力を高めた効果的な実践や児童の主体的に学ぶ姿勢が向上した事例などを取りまとめ、広く普及するとともに、指導主事の学校訪問や研修会等において学習到達目標を踏まえた指導と評価の在り方について指導助言を行うなど、小学校段階における英語教育の充実に向けた取組をより一層推進していく。
O大越委員 中学校を対象に実施している英検IBAを実施したことで成果が出ているということも踏まえると、英検ESGを活用することによって子どもたちにとっても英語学習のモチベーションが上がるだろうし、教員にとってもどのように授業を進めていけばいいのか良い指標の一つとなることが期待される。
また、負担軽減につながることも期待できるので、一層の推進および普及に取り組んで全市町村の学校に導入を促進することを希望する。
(道議会 2022-11-10付)
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