札幌市教委　４年度全国体力等調査　小学５年　改善の兆し　授業時間外に運動機会確保へ

（札幌市 2023-02-09付）

札幌市の４年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果（クリックすると拡大表示されます）

　札幌市教委は、４年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査（全国体力テスト）の詳細な分析をまとめた。実技８種目を点数化した小学５年生の体力合計点は、新型コロナウイルス感染症の影響による体力低下が顕著だった前年度と比べて上がり、改善の兆しが見られた。一方、中学２年生は、男女共に低下傾向が続いており、全国平均との差も依然として大きいことが鮮明となった。市教委は対策として、「昼休みなど授業時間外に運動機会をつくる取組を進めていきたい」としている。

　調査は、昨年４～７月、全国の小５と中２を対象に行われ、１２月に結果が公表された。札幌では小学生約１万４５００人、中学生約１万２７００人が参加した。

　「体力合計点」（８０点満点）は、小５、中２の男女共に全国平均を下回った。

　小５は、男子が５０・９２点（前年度比０・２８点増）、女子が５２・１３点（同０・２３点増）。新型コロナの影響によって学校内外の活動制限が大きく、体力低下が顕著だった前年度までと比べて下げ止まり、男女共に改善の兆しが見られた。一方で、中学校は男女とも低下傾向が続いている。特に女子は４１・２２点で、全国４７・２８点との差も大きい。男子は３７・７７点だった。

　全国平均を５０・０としたＴ得点で種目別にみると、小５男女共に「握力」「長座体前屈」「反復横跳び」「２０㍍シャトルラン」「立ち幅跳び」の５種目で、前年度と比べて０・３～１・３点向上した。小５男子が「握力」「ソフトボール投げ」、小５女子が「握力」で全国平均を上回ったが、中２は男女共に全国平均を上回った種目はなかった。

　運動習慣に関する質問では、体育の時間を除く１週間の運動時間が６０分未満の子どもの割合は、中２男子が１１・４％、中２女子が２３・５％だった。平成３０年以降、全国より高い割合が続いている。小５男子は６・７％、小５女子は１１・３％で、新型コロナ前の水準まで回復している。

　市教委は、昼休みなどの授業時間外に運動機会をつくる取組が、小学校では効果が出てきているとみている。「今後も取組を軌道に乗せ、中学校でも進めていきたい」としている。

(札幌市 2023-02-09付)