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上川３市町でスポーツセミナー　運動の楽しさや成長実感　球技やダンスなどプロが指導
（市町村 2023-02-17付）

バルシューレで投球コントロールを強化

　【旭川発】スポーツ庁の委託を受けて名寄市、鷹栖町、比布町の３市町が取り組む「地域スポーツ連携・協働再構築推進プロジェクト」の第４・５回セミナーが１２日、鷹栖町と比布町でそれぞれ開催された。基礎運動能力を高めるドイツ発祥の球技「バルシューレ」や楽しみながら運動能力を測定できる「Ｎチャレンジ」、ファイターズガールによるダンス教室を実施。参加した児童たちは多様な運動機会を通して運動の楽しさや成長の喜びを実感している様子で「また参加したい！」と話した。

　プロジェクトは行政、学校、スポーツ関係団体、民間企業等の関係者による連携体制を構築し、地域コミュニティーの維持・活性化を図るスポーツ庁の新規事業。道内では名寄市、鷹栖町、比布町が「休日の部活動の地域移行に対応した指導者の確保」「子どもたちの多様な運動・スポーツ環境の整備」の視点に基づく実証に取り組んでいる。

　鷹栖町Ｂ＆Ｇ海洋センターでは、バルシューレジャパンＡ級指導者で一般社団法人ＳＬＤＩ代表理事の辻本智也氏らを講師に招きバルシューレ＆Ｎチャレンジを実施。午前中は鷹栖町や周辺の小学１～３年生８人、午後からは４～６年生１４人が参加した。

　ドイツ語で「ボールの学校」を表すバルシューレは基礎運動能力等が身に付けられるボール遊び。子どもの発達に合わせた多様で楽しい身体活動を通して運動能力・認知的能力・自己肯定感とコミュニケーション能力を身に付け、多面的な能力を育成することができる。

　プログラムは参加者の運動スキルに合わせ、約１５０種類の遊びの中から選定して構成。低学年向けクラスで辻本氏は「いっぱいチャレンジしていっぱい失敗して。どうやったらつぎはうまくできるか考えて」と呼びかけ、上方のスカーフに向けてボールを投げる「スカーフをねらえ」など投球コントロールを強化する様々な遊びを行った。

　辻本氏は「運動能力の向上は経験値が全て」とした上で「ずっとスカーフをねらってばかりだと子どもたちは飽きてしまう。強化したいポイントが同じでも、ルールを変えると子どもたちが楽しみながら、回数を経験することができる」と述べた。

　続いて、道教育大学岩見沢校の教員が開発した機敏さを測定する運動プログラム「Ｎチャレンジ」を実施した。Ｎ字に設置された障害物を素早く走り抜けることによって全ての運動能力に必要となる身のこなしを身に付けることができる測定で、運動時間が短いため、疲労感はほぼなく適度な難易度があるため楽しんで取り組める。①反応時間②スプリント③右ターン④ミニハードル⑤左ターン⑥スラローム⑦合計―の７種類のアジリティー能力を測定し、その場でＡやＢなど評価が記載された専用の記録用紙がフィードバックされる。

　今回は１人２回測定し、２回目の前に①～⑦の測定ポイントを解説することで、１回目よりも良い記録が出せるよう補助した。参加した３年生は「すぐに記録が紙で出てきて楽しかった。１回目はＤだった判定がＢになってうれしい」と感想を話した。

　比布町農村環境改善センターで開催したダンス教室では、北海道日本ハムファイターズのオフィシャルチアチーム・ファイターズガールの高野実さん、西崎光さんが講師を担当。町の小学生ら１０人が参加した。

　アイスブレイクでリズムに合わせて参加者同士で名前を呼び合うゲームを行ったあと、チアダンスの足の動きを練習。高野さんと西崎さんは手本を見せながら「ウマが走っているようにポニーステップ」「前にキックしながら上にパンチして」と説明し「ファイターズ賛歌」の振り付けを子どもたちに伝えた。

　このあと「キツネダンス」を練習。「大きい動きで踊ってみて！」と声をかけながら音楽に合わせて踊り、最後に保護者に披露した。

　参加した小学３年生の児童は「お母さんにキツネの耳の髪飾りを作ってもらい、きょうをとても楽しみにしていた。あまり得意ではなかったダンスが楽しくなり、好きになった」と話した。