芽室町　５年度教育行政執行方針　授業支援ソフトを導入　小中一貫基本方針策定も

（市町村 2023-03-15付）

芽室町教委・程野仁教育長

　【帯広発】芽室町教委の程野仁教育長は５年度教育行政執行方針において、教育ＤＸ推進員の配置やＩＣＴヘルプデスクの民間委託、新たな授業支援ソフトの試験導入など、ハード・ソフト・人材を一体としたＩＣＴ環境の整備を進めることを示した。また、学びの連続性や社会的自立を重視した小中一貫教育を推進するための基本方針の策定を進める。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼確かな学力と社会の変化に対応する力の育成

　小・中学校全学年における３０人学級編制の実施等による習熟度別・少人数指導の推進、教育ＤＸ推進員の配置によるＩＣＴ教育の推進によって「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実を図るとともに、義務教育９年間を見通した「めむろ未来学」等の推進によって、学びの連続性や社会的自立を重視した小中一貫教育を推進するための基本方針の策定を進める。

▼規範意識や思いやりの心など豊かな心の育成

　「めむろ未来学」をはじめ、「めむろ郷育・夢育推進事業」や道徳教育、情操教育の充実などによって、郷土愛や自己有用感、夢への挑戦心の醸成を図る中で、社会への参画力を育むとともに、誰もが個性や能力を発揮できるよう、ジェンダー平等や多様性への理解を深める教育を推進する。

　町いじめ防止基本方針や町不登校支援システムに基づき、より多様なニーズに応える教育支援センター「ゆうゆう」の機能の充実とともに、学校、家庭、地域、関係機関等の連携・協働によって、問題の未然防止と早期発見・早期解決に努める。

▼健やかな体の育成と健康・防災教育の推進

　個々の課題意識を生かした授業や運動習慣の改善、生活習慣病検査の対象者拡大や関係課と連携した栄養指導によって、早期発見・早期解決を図る取組を強化する。

　めむろまるごと給食や食農教育推進の基盤となる日々の学校給食に係る給食材料費の一部経費（１食当たり２２円）を町が継続して負担するとともに、小・中学校における食農体験等を重視した食農教育を推進する。

▼特別なニーズに対応した教育の推進

　個々に応じた合理的配慮を重視した指導の推進とともに、地域コーディネーターが中心となり、校種間連携や訪問看護の派遣、ＩＣＴを活用した学びの充実など、個々の可能性を広げる指導・支援に努める。

▼教育の機会均等など学びのセーフティーネットの構築

　経済的な理由で児童生徒の就学の機会が損なわれることのないよう、就学援助や鍵盤ハーモニカ購入費助成、大学等奨学金貸し付けの継続、ヤングケアラーの早期発見・早期支援や生理の貧困への対応を継続する。

▼安全・安心で質の高い教育環境の整備

　学校施設等長寿命化計画、ＩＣＴ整備・活用指針に基づき、芽室小学校ボイラー更新等の設備改修や各校の音楽室、校長室への空調設備の設置を４年度からの繰り越し事業として実施するとともに、教育ＤＸ推進員の配置やＩＣＴヘルプデスクの民間委託、新たな授業支援ソフトの試験導入など、ハード・ソフト・人材を一体としたＩＣＴ環境の整備を進める。

　町立学校における働き方改革推進プランに基づき、休日の部活動の段階的な地域移行と地域スポーツ環境の一体的な整備に向け、関係団体を交えた準備会を設置し、先進地事例の調査研究や地域移行に向けた課題の抽出、移行方法等について協議を行う。

▼地域とともにある学校づくりの推進

　コミュニティ・スクールを基軸として、自ら未来を拓く力を育む探究・提案・発信型の義務教育９年間を通した学びである「めむろ未来学」の推進等によって、学校を核とした持続可能な地域づくりにつながる教育を推進する。

▼地域学校協働活動の推進

　めむろ郷育・夢育応援団本部を基盤として、学校や地域コミュニティーの活性化を図るため、各学校運営協議会における熟議も踏まえた事業内容が全町的な取組となるよう努める。

▼学習支援体制の充実と学習発表の場の提供

　文化・芸術・スポーツ団体、町民活動支援センター登録団体等と連携し、地域学校協働活動等の活動機会の提供に努める。

　フレンドリーコンサートや文化芸術鑑賞会、町民文化展の開催、町民文芸の発行支援などによる町の文化の振興とともに、幼少期からの読書の推奨や発達段階に応じた学習機会の提供、および家庭教育学級、子育てサークル活動の充実を図る支援に努める。

(市町村 2023-03-15付)