芦別市教委 5年度教育行政執行方針 部活動改革検討協を組織 校務支援システムを活用(市町村 2023-03-16付)
福島教育長
【岩見沢発】芦別市教委の福島修史教育長は、5年度教育行政執行方針を説明した。教職員の働き方改革として取り組んでいる部活動の地域移行や校務支援システムの導入、芦別高校で6年度に導入を計画しているコミュニティ・スクールについての方針を示した。
執行方針の概要はつぎのとおり。
【学校教育】
中学校の統合については、6年4月1日の統合に向けて、中学校統合準備委員会で協議、決定された内容を踏まえながら、両中学校において最終的な各種の調整を行うとともに、児童生徒やPTAの交流活動を実施し、統合後において「新しい中学校」として円滑に教育活動を開始できるよう取組を進めていく。
働き方改革については「芦別市立学校における働き方改革推進プラン(第2期)」に基づき、校務支援システムの活用や業務改善などを進め、さらなる業務の効率化を図り、教職員が子どもたちと向き合う時間を確保するとともに、教職員一人ひとりがやりがいを持って業務に専念できる環境の整備に努める。
教職員の働き方改革を踏まえた部活動の地域移行に向けては「部活動改革検討協議会」を組織し、学校の部活動推進の観点だけではなく、今後の地域におけるスポーツ・文化芸術活動の在り方の観点を含めて検討を進める。
▼学ぶ力の推進
児童生徒が自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら問題を解決する資質や能力としての「学ぶ力」の育成を図るため、芦別スタンダードの定着を進め、授業改善と指導力の向上を図るとともに、家庭と連携した家庭学習の習慣化の取組を推進する。
家庭学習の習慣化と質の向上を図るため、1人1台端末の家庭への持ち帰りを進めるとともに、1人1台端末にデジタルドリルなどの活用が可能となる学習支援ツールを導入し、主体的に学習に取り組める環境を整備していく。
▼特別支援教育の推進
特別な教育的支援を必要とする児童生徒の実態や保護者の意向を踏まえた上で、学校が一体となって一人ひとりの能力、特性に応じた適切な指導を行うため「個別の教育支援計画」および「個別の指導計画」を作成し、子どもたちの将来を見据え、計画的・組織的な教育活動を推進する。
▼小中一貫教育の推進
市小中一貫教育協議会を中心に、学力の向上、中1ギャップの未然防止、特別支援教育の充実、家庭・地域との連携・協働を目的として、中学校の統合も見据えながら、本市が目指す小中一貫教育のねらいに沿った教育活動を充実し、市内小・中学校4校が協力して実践・交流を計画的に推進するとともに、ふるさと・キャリア教育を通して郷土に愛着を持つ子どもの育成を目指して取り組んでいく。
▼豊かな心の育成
生命を大切にする心や、他を思いやる心など、豊かな心の育成を目指して「考え、議論する」道徳の授業を推進するほか、炭鉄港や文化財などのほか、基幹産業である林業を知るための「木育」にも取り組み、地域の教育的資源を積極的に活用した活動を実施するとともに、それらの活動を記録するキャリアノートの作成を通じて、郷土に誇りと愛着を持つ子どもの育成を目指し、ふるさと教育を推進していく。
▼健やかな身体の育成
家庭との連携のもと、新型コロナウイルス感染症などの感染症について正しく理解し、適切な行動が取れるように指導する。「早寝、早起き、朝ごはん」運動や生活リズムチェックシートを活用した望ましい生活習慣の定着を目指すほか、体力づくりや運動能力の向上のため、全ての学校において「1校1実践」の日常的な取組を充実していく。
▼地域に開かれた信頼される学校づくりの推進
各学校の「学校だより」やホームページ、教育委員会が発行する「教育だより」などを通じて、学校運営や教育活動の状況を積極的に提供、報告し、学校、家庭、地域による情報の共有化を進めていく。
▼安全確保対策の推進
不審者対応、交通安全、防犯・防災に関して、PTAや関係機関、団体と連携、協力し、児童生徒の日常の安全確保体制を整備するとともに、危険予測、危機回避能力の育成のための体験教室や被害防止教育を推進するほか、1日防災学校の実施など、防災教育を推進していく。
▼安全・安心で魅力ある学校給食
児童生徒の心身の健全な発達と望ましい食習慣を育成するため、地元で採れたコメや野菜などを中心に国内産食材を使用し、地産地消の推進と栄養バランスに配慮したおいしい学校給食の提供に努めるとともに、調理従事者の衛生管理意識の向上啓発と、衛生管理基準に基づく施設の徹底した衛生管理を実施し、食中毒や異物混入の防止、学校と連携した食物アレルギーの事故防止に努め、安全で安心な学校給食を提供していく。
学校給食費については、食材原価の高騰によって見直しが必要となってきているところだが、子育て世代の保護者負担の軽減を図り、子育て支援を推進するため、5年度において、小学生に対する給食費の無償化を実施していく。
中学生の給食費については、5年度は現行額で据え置き、食材原価の高騰によって必要となる経費増加分を市で負担することとして対応し、6年度以降において財政状況も勘案しつつ、無償化の実施を検討していく。
▼高校・高等教育機関等への支援
芦別高校の入学生の確保に向けた支援策として、保護者負担の軽減を図るため、通学費および検定試験等受験料助成事業、学力向上対策事業に対する補助金交付事業のほか、入学生のうち市内に住所を有する保護者に対する修学奨励費助成金の交付事業を継続し、地元からの進学率向上のための支援を実施していく。
芦別高校の魅力づくりを進めるため、情報発信の支援、高校生と小中学生の交流、教員の交流などに芦別高校と連携して取り組むほか、芦別高校が6年度に導入を検討しているコミュニティ・スクールについて協力していく。
【社会教育】
▼青少年健全育成事業の推進
次代を担う青少年が心身共に健全に成長するよう、地域全体で健全育成事業に取り組むため、市青少年育成連絡協議会などの関係機関、団体や学校と連携を深めるとともに、市青少年センターにおいては、環境浄化活動や補導員による街頭補導活動を実施するなど、青少年の非行防止活動を行う。
▼読書活動の推進
広く市民の皆さんの読書普及を図るため、インターネット予約や貸し出し冊数の制限を撤廃するなど、図書館サービスの多様化と利便性の向上に努める。
(市町村 2023-03-16付)
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