浜頓別町５年度教育行政執行方針　学力向上　幼保小中高一貫で　浜頓別高ＢＹＯＤ購入補助

（市町村 2023-03-16付）

泉大吾教育長

　【稚内発】浜頓別町教委の泉大吾教育長は、６日に開会した定例町議会で５年度教育行政執行方針を説明した。学力向上については、「個別最適な学び」を確実に行い「子ども一人ひとりの夢の実現に寄り添う浜頓別の教育を幼保・小・中・高で一貫して進めていく」と宣言した。また、教職員の働き方改革では、校務支援システムの有効活用や教員研修のＯＪＴ化などで業務内容のスリム化を図っていくとした。

　浜頓別高校では、５年度からのＢＹＯＤによる端末整備について「義務教育段階と同水準の１人１台端末の購入補助を実施していく」と述べた。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼重点施策

▽学力向上の取組

　昨年の全国学力・学習状況調査の結果から、本町の児童生徒には、記述式の問題につまずきが見られ、問題の解決に向けて筋道を立てて考えたり、論理的に表現したりすることに課題があるものと言える。

　課題の克服には、小・中学校における一貫した授業改善はもとより、幼児教育段階から高校段階間まで、育成すべき資質・能力の内容および育成方法について共有し、より良く考え、適切に判断し、豊かに表現するという極めてベーシックな保育や授業の構築が不可欠。

　ここでの学力等、資質・能力の育成は、尺度の明らかなものばかりではなく、令和時代に必要な学力観を踏まえ「なりたい人・職業に、なる・就くために必要な資質・能力の育成」に対する支援の在り方を全ての学校段階で重視し、一層の校種間連携と「個別最適な学び」を確実に行い、「子ども一人ひとりの夢の実現に寄り添う浜頓別の教育」を幼保・小・中・高で一貫して進めていく。

▼学校教育の充実

▽義務教育の充実

　義務教育段階においては「主体的・対話的で深い学び」をいつでも・どこでもの視点から、児童生徒が「どのように学ぶか」を重視し、全国学力・学習状況調査等によって、個々の学力を的確に把握し、習熟の程度に応じた指導等を確実に行うなどの授業改善をベースとした学力向上を図っていく。

　１人１台端末を活用した授業の充実等、授業改善に係る教員研修の充実、オンライン指導などで家庭や地域との連携を深め、知の総合化を図る総合的な学習の時間を充実させるという、「教員の授業力向上」と「家庭・地域の教育力向上」の両方向からのアプローチを図っていく。

　具体的な学力向上策では、前年度同様、道教育大学や育英館大学等の協力を得ながら学習会を開き、不得意教科の克服に取り組むなど土曜日や長期休業中の学力向上に努めていく。

　このほか、教職員の働き方改革として、中学校部活動において道の推進計画を踏まえ、８年度からの地域移行を見据えた協議について全町的に取り組むとともに、校務支援システムの有効活用や教員研修のＯＪＴ化など、教職員の校務環境を整備し、業務内容をスリム化して子どもと向き合う時間を確保するなど、労働環境の改善に努めていく。

▼高校への支援

　浜頓別高校は、地域にとってかけがえのない貴重な学校であるとともに、本町で最も社会への出口に近い学校。教育委員会としては「北海道浜頓別高等学校を支援する会」と連携しながら、令和時代の学力観の変化を踏まえた、「なりたい人・職業になる・就くために必要な資質・能力」の育成を重視し、生徒一人ひとりが進路や夢の実現に寄り添い、教員の進路指導力の向上とキャリア教育の充実、両者のベストマッチを魅力・売りとした高校づくりに努めていく。

　具体的には、生徒が適切な能力を身に付けることで、進学や就職した新しい環境下でも活躍できるよう、生徒一人ひとりのなりたい人・就きたい職業のニーズに基づく「学びの基礎診断や英語検定（Ｇ―ＴＥＣ）をはじめとする各種資格取得」への助成を行っていく。

　また、高校では原則として学習目的の端末をＢＹＯＤによるＩＣＴ教育推進の環境整備が求められているが、義務教育段階と同水準の１人１台端末の購入補助を実施する。

　さらに、キャリア教育充実の足掛かりとして、北海道医療大学の協力によって、医療関係の従事者を目指す生徒への支援事業を実施する。

(市町村 2023-03-16付)