富良野市5年度教育行政方針 NRT 中学生も対象 新たにICT支援員配置(市町村 2023-03-16付)
近内栄一教育長
【旭川発】富良野市教委の近内栄一教育長は5年度教育行政執行方針で、これまで小学生を対象としていた標準学力検査(NRT)を、新たに中学生でも実施する方針を示した。また、新たにICT支援員を配置し、教師のICT活用指導力の向上などを推進していく。
執行方針の概要はつぎのとおり。
【学校教育】
▼主体的な学びを育てる知育の木
学力向上については、全国学力・学習状況調査を実施し、新しい時代に求められる資質・能力の育成に向け、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善を推進するとともに、これまで小学生を対象とした標準学力検査(NRT)を新たに中学生でも実施し、学力の経年変化分析をすることによって、各学校における学習指導方法の工夫や授業改善、家庭と学校の連携による家庭学習時間の確保などを行い「学びに向かう」学習環境づくりに取り組んでいく。
外国語教育・国際理解教育については「英語が使えるふらのっ子」を目指し、校種間の接続を踏まえた市CanDoリストの活用、ICTの一層の活用促進、全ての学校へ外国語指導助手を派遣するなど、学校指導体制の充実を通して、バランスの取れた英語力を身に付けるとともに、中学校教員による小学校への乗り入れ授業やイングリッシュキャンプを実施し、国際社会を生き抜く資質・能力の育成に努めていく。
ICT教育については、児童生徒1人1台の端末の持続的な活用やネットワーク環境のさらなる改善に取り組むとともに、新たにICT支援員の配置、教師のICT活用指導力の向上などをさらに推進していく。
学習活動におけるICT機器の操作方法の習得、論理的思考力、情報モラル、情報セキュリティー、統計などの情報活用能力を育成するとともに、学びの保障に向け、遠隔授業やオンライン学習などを積極的に推進し、不登校児童生徒や通信環境に支障がある家庭への通信機器支援などに努めていく。
幼児教育の質の向上および小学校との円滑な接続については「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を踏まえた合同研修会や幼児・児童の交流授業、授業実践交流を実施し、幼稚園・保育所などの教職員の資質や専門性の向上を図り、幼児教育の内容の改善・充実を図っていく。幼児期から児童期の発達を見通しつつ、幼保小の円滑な接続をより一層意識し、幼児教育と小学校教育カリキュラム、教育方法の充実・改善に向け、幼保小の関係者が連携した架け橋プログラムの開発・実施を進めていく。
▼自主自律の心を育てる情意の木
道徳教育については「特別の教科 道徳」を要とした道徳教育を推進するとともに、富良野にゆかりのある講師陣による「心に響く道徳教育」を実施し、生命の大切さや思いやり、感動する心など、豊かな心を育む「心の教育」の充実に努めていく。
キャリア教育の推進については、社会の中で自分の役割を果たし、自分らしいライフキャリアの実現を見据え、児童生徒が学ぶことと自己の将来とのつながりを理解し、社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を育成するとともに、郷土への理解や郷土愛を育み、地域づくりへの参加意識を醸成するため富良野版キャリア・パスポート「マイノート」などを活用し、成長段階に応じた体系的・系統的な教育を推進していく。
不登校児童生徒への支援については、不登校児童生徒の多様な教育機会の確保に向けて、ICTを活用した学習支援を含めた教育支援センターの機能強化などを図るとともに、不登校の予防と適切な対応に向け、1人1台の端末を活用し、児童生徒の健康状態や気持ちの変化を確認するスクリーニング体制を整備し、組織的・客観的な状況把握などによる社会的自立のためのアウトリーチ型の支援を充実させていく。
いじめ防止対策については、いじめの積極的な認知、早期の組織的対応、関係機関との連携などを推進していく。
新たに改訂された生徒指導提要を踏まえ、課題予防・早期対応に努めるとともに、全ての児童生徒が自発的・自主的に自らを発達させていくことを尊重し、学校・教職員がいかにそれを支えるかという発達支持的生徒指導の観点に重点を置いた対応に努めていく。
▼恵まれた環境と食で育てる健康の木
環境教育については、東京大学北海道演習林等の恵まれた森林資源を活用した森林学習プログラムの充実と活動体制の強化に努めるとともに、地域の自然環境を生かした体験活動、持続可能な開発のための教育(ESD)の推進により、本市が進めるゼロカーボンシティの実現に向けた認識をさらに深め、持続可能な社会の創り手の育成に努めていく。
▼原点を見つめ未来への輪を広げる学びの大地
コミュニティ・スクールについては、地域と連携・協働する体制を構築するため、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的な取組を一層推進していく。
小・中学校の適正規模・適正配置については、5年度末をもって布部小中学校が閉校となることから、その円滑な移行に向け、学校・保護者・地域と共に準備を進めていく。
高校教育については、市内の高校2校が7年4月新設校として再編されるに当たり、教育活動の充実による魅力的で地域から求められる高校づくりに向けて、協力支援を進めていく。
(市町村 2023-03-16付)
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