札幌市教委　準備整った中学校区で　６年度からＣＳ導入へ　５年度内に基本計画策定

（札幌市 2023-03-16付）

　札幌市教委の長谷川正人学校教育部長は、８日に開いた教育方針説明会で６年度から順次、準備が整った中学校区にコミュニティ・スクール（ＣＳ）制度を導入する方針を示した。５年度からＣＳ導入を見据えた取組を進め、学校を核としながら、地域と学校が一体となった取組を推進する。今後は、昨年１２月に設置した在り方検討委員会が行った先進地への視察結果や、検討会議での協議内容を踏まえ、５年度内をめどに「仮称・コミュニティ・スクールの導入に向けた基本計画」を策定する考え。

　市では「札幌市小中一貫した教育基本方針」に基づき、４年度から全ての市立小・中学校で小中一貫した教育を実施している。

　市教委では、第２次まちづくり戦略ビジョンの基本目標の一つ「一人一人の良さや可能性を大切にする教育を通して、子どもが健やかに育つまち」のもと、家庭・地域と育てたい児童生徒像などを共有し、社会と共に子どもを育てる仕組みの必要性に鑑み、４年度からＣＳの導入に向けた検討を開始した。

　市教委が目指すＣＳの基本的な考え方として①小中一貫した教育のパートナー校単位で、育てたい子ども像を地域、保護者も交えて整理できる場とし、子どもの育成に関係する人たちが育成の方向性を共有する②学校を核として地域の人々の参画や地域の特色を生かした事業等を展開することで、地域全体で将来を担う子どもたちを育成する③子どもの意見を学校運営に反映させる④将来的に学校を核としたまちづくりの充実を目指す―の４点を掲げている。

　また、市教委は、札幌市が導入するＣＳで担うべき役割やあるべき仕組みなどについて、有識者や学校関係者らから意見を聴取することを目的に、昨年１２月に札幌らしいコミュニティ・スクール（ＣＳ）の在り方検討委員会を設置。ＣＳの役割、小中一貫した教育との関連、市教委の支援の在り方などについて検討している。

　ことし１、２月に、埼玉県さいたま市や東京都三鷹市などＣＳに関する取組の先進地５ヵ所を視察。今後は、視察結果の報告や、ＣＳの役割・小中一貫した教育との関係性などに関する協議内容を踏まえ「仮称・コミュニティ・スクールの導入に向けた基本計画」を５年度内をめどに策定する見通し。

　８日の教育方針説明会では、長谷川学校教育部長が６年度から順次、準備が整った中学校区にＣＳ制度を導入する方針を説明した。

　５年度からＣＳの導入を見据えた取組を進める重要性を示し「まずは、家庭や地域との関係性をつなぎ、パートナー校で描いている“小中一貫した教育”のグランドデザインをもとに、家庭や地域と子ども像や理念を共有することが取組の第一歩になる」と強調した。

　その上で「ＣＳは、地域と学校の関わりを再構築する仕組であることを意識しつつ、学校を核としながら、同じ目標に向かって、一体となって取組を推進することを目指してほしい」と呼びかけた。

(札幌市 2023-03-16付)