第９期札幌市図書館協議会が会合　学校司書と連携深化を　読書プランの進捗確認

（札幌市 2023-03-16付）

　第９期札幌市図書館協議会の第２回会議が２月下旬、札幌市中央図書館で開かれた＝写真＝。さっぽろ読書・図書館プラン２０２２の進捗状況などについて質疑。委員らは、学校司書の研修や交流機会の確保、学校図書館と公共図書館との連携深化に向けた制度の構築などを求めた。

　中央図書館は昨年５月、さっぽろ読書・図書館プラン２０２２を策定。「市民の生涯にわたる学びや創造的な活動を支える」を基本理念に、重要な観点として①地域展開②変化に対応した読書環境・図書館③取組の継続・持続可能性―の３点を位置付けた。目標とするイメージ「さまざまな人や情報が集まる、出会いと成長の新たな学びの空間へ」の実現に向けて、本年度から図書館の在り方の検討を開始した。

　第２回会合では、４年度に実施した市民アンケート調査の１次集計結果、地区図書館に関する地域ニーズ調査の結果を確認した。

　市民８４４人から回答を得たアンケートの結果をみると、約５８％が「図書館を利用しない」「コロナ禍のため利用を控えている」と回答。充実してほしい機能として「カフェスペース」「集中できる個人席」「便利な場所の貸出カウンター」などが上位に。地域の身近な学びの場とするために充実を求めるサービスでは「ワイファイなどのインターネット環境」「開館日数・時間の延長」「芸術や文化の様々な情報との出合いを提供する展示」などが上がった。

　地域ニーズ調査の結果をみると、地区図書館に求める機能として「セミナー・勉強会・講座など」「お薦め本の紹介や展示」「飲食可能な憩いのスペース」などが上がった。学び場としての機能強化で求めるものでは「学び・教養・趣味などを深めるための場」「本・ＤＶＤの貸出」「行事・イベント」などと続いた。

　結果を踏まえ、委員らは「学校司書へのヒアリングを行ってはどうか」「学校図書館と公共図書館との連携が重要。持続化していくための制度化が必要では」「小学校の学校司書が情報共有する機会を設けてほしい」などと求めた。

　このほか、市が検討を進める「マンガを核としたライブラリー、ミュージアムおよびビジネスの展開に関する可能性調査」の概要を確認した。

(札幌市 2023-03-16付)