伝統芸能の魅力堪能　札幌西小で能・狂言教室　鎌倉能舞台招きワークショップも

（札幌市 2023-03-17付）

　札幌市立西小学校（若松広美校長）は２月２８日、文化庁「文化芸術による子供育成推進事業」を活用した能・狂言教室を開いた。６年生１１８人が狂言「柿山伏」や舞囃子「船弁慶」などを鑑賞＝写真＝。児童たちは、能楽での立ち居振る舞いや独特な発声方法の体験などを通して、日本の伝統文化の魅力に触れた。

　文化芸術による子供育成推進事業は、文化庁の本年度新規事業。一流の文化芸術団体による芸術公演や芸術家の派遣を通して、質の高い文化芸術を鑑賞・体験する機会を創出するとともに、計画的・継続的なワークショップなどで豊かな創造力・想像力、思考力、コミュニケーション能力などの醸成を図ることを目的としている。

　同校は、６年生国語の授業に位置付けた。神奈川県鎌倉市を拠点に、ユネスコ世界無形文化遺産に指定された能楽の振興と普及を目的として活動する公益財団法人鎌倉能舞台を招いた。

　あいさつに立った中森貫太業務理事は、能楽が世界で最も古い芝居とされる理由について「芝居は時代に合わせて変わり続けるが、能楽は７００年間変わらず残っている、世界的に珍しく貴重なもの」と述べ、「せっかくの機会。ぜひ楽しんでほしい」と呼びかけた。

　続いて、国語で学習する狂言「柿山伏」をはじめ、舞囃子「船弁慶」、半能「敦盛」を上演。児童たちは演者の立ち居振る舞いや、大鼓、小鼓、笛の音色、室町時代の言葉で演じられるせりふや謡など、日本の伝統芸能の魅力を肌で感じた。

　このあとのワークショップでは、柿山伏で山伏を演じた大藏教義さんと上田圭輔さんによるレクチャーのもと、児童たちが狂言での姿勢や笑い声の発声方法を体験した。

　畠山美砂教諭は「コロナ禍で芸術鑑賞の機会がない中でも、児童たちに本物に触れる機会を提供することができてありがたい」と話した。

(札幌市 2023-03-17付)