札幌市　放課後児童クラブ需要増で　民間の新規参入を促進　６年度中の開設目指す

（札幌市 2023-03-20付）

　札幌市子ども未来局は、共働き世帯の増加によって放課後児童クラブの需要が高まっていることを受けて、民間が運営する放課後児童健全育成事業所の新規参入を進める。利用者の多い公設児童クラブの児童が分散されることで受け入れ環境の整備を図る考え。今後、参入可能校区を指定し、６年度中の開設を目指す。

　市内には、市が管轄する公設児童クラブが１１９ヵ所あり、特認校を除く全ての小学校区をカバーしている。同局によると、１月時点で２万３０２１人の児童が利用し、待機児童はゼロ。年々増える希望者を全て受け入れており、学校の空き教室を活用することで国が定める面積基準（１人当たり１・６５平方㍍）を満たしている。

　一方で、学校の空き教室の状況によっては、従来の児童クラブとフロアが異なるなど、利便性に欠けるケースが生じていた。４年度時点では、札苗北小校区の札苗児童会館、山の手南小校区の山の手南小ミニ児童会館がこれに当たる。

　こうした課題を解消するために、民間児童育成会が運営する放課後児童健全育成事業所の参入を進める。今後、市が参入可能校区を指定して新規開設することで、利用者が分散されることを見込む。空き教室を活用しなくても国の基準を満たせるほか「職員による児童の見守りの点などでも受け入れ環境が向上する」（同局担当者）という。

　指定校区の対象は「フロアが異なる教室を除くと面積基準を満たさない児童クラブの校区」とし、５年度の利用児童数を踏まえて６月をめどに決定する。将来的に児童数の著しい減少が見込まれる校区や、現時点で施設の拡充を予定している校区については除外するとした。

　運営事業者の選定は、実務者や教育関係者らでつくる選定委員会を設置し、選定基準を設定した上で１２月ごろに行う。開設は６年度中を予定している。

(札幌市 2023-03-20付)