中頓別町 5年度教育行政執行方針 教育大綱の見直しへ 中頓別学園開校へ指導主事
(市町村 2023-03-17付)

中頓別町相座豊
相座教育長

  【稚内発】中頓別町教委の相座豊教育長は、8日開会の定例町議会で5年度教育行政執行方針を説明した。義務教育学校として開校を目指す中頓別学園については、建設準備を進めていくとともに「学園のコンセプトとして掲げてきた“自然を生かした教育”と“英語教育”の充実を図るために、町教育大綱の見直しを図る」とした。また、自然体験を切り口にした町づくりにつながる一貫教育の実現を目指すとし「新しい学校づくり推進室の業務内容に、教育内容に関する検討の比重を高める。学校と連携を図りながら開校に向けて準備を進めていくため、指導主事を配置していく」と宣言した。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学校建設

 中頓別中学校の校舎老朽化に伴う新築について、文部科学省の「新しい時代の学びの環境整備先導的開発事業」に採択された。幼児教育施設の認定こども園、小学校、中学校を一貫した教育方針でつなぐ中頓別学園設立など3つの課題を、町の図書室などの機能を集約化し、子どもだけではなく大人も利用できる「学びの拠点」としての環境整備構想が、老朽化した公共施設を抱え苦慮している多くの自治体の「先導的開発」に当たるという評価を受け採択された。

 5年度は、現在進行している基本設計について適宜情報公開や意見聴取を行い、子どもだけではなくより広く町民の皆さんにも親しまれる施設になるよう実施設計に反映させる予定。

▼中頓別学園の教育内容充実

 5年度は、校舎建設と同時に一貫した教育内容づくりに着手しなくてはならない。これまで、学園のコンセプトとして掲げてきた「自然を生かした教育」と「英語教育」の充実を図るために、町教育大綱の見直しを図り、教育理念の具体化、教育目標の策定等、教育課程を編成するために必要な条件を整備する必要がある。

 こうした条件整備に合わせ、町民と子どもたちとの交流促進を図る学校運営協議会や地学協働本部事業など組織運営の在り方を想定しながら、教育課程と学校運営の具体について整理していく。

 現在、認定こども園で取り組んでいる「森のこども園」での自然体験を切り口に、子どもと大人が知恵を寄せ合って中頓別の魅力を知り、中頓別の町づくりにつながる一貫教育を実現するために「新しい学校づくり推進室」の業務内容に、教育内容に関する検討の比重を高め、学校と連携を図りながら開校に向けての準備を進めていく。

 また、これらの構想実現化のため指導主事を配置し、具体的な計画や開校までの校内体制の整備を進める。

▼どの子も元気にのびのびと学校生活を送れる子育て支援の充実

 4年度からは、こども園、小・中学校、保健福祉課、教育委員会で構成する「子ども支援ネットワーク会議」を発足させた。「困り感」を抱えた子どもの情報を共有し、成長に合わせて保護者の思いも受け止めた上で、個人情報保護に十分配慮しながら、より自信を持って生活できるような支援の充実を図ってきた。

 今後は、必要のある子が週に数度、成長に必要な活動を補うため枝幸まで通っている通園センターの役割を補い、枝幸までの通園の負担を軽減できるようにしていく。

▼明日の社会を担う人を育む学校教育の充実

 中頓別小学校、中頓別中学校GIGAスクール構想に基づいて児童生徒に対し1人1台端末を配備しており、日常の授業利用や必要に応じて家庭への持ち帰りなどを行っている。

 新型コロナウイルスに関しては、すぐに学級閉鎖や学校閉鎖措置を取らず、タブレットを使ったリモート学習などによって「学びを止めない」よう国の指導が変わってきている。本町では、子どもが学校に来られない場合でも、体調が悪くなければ教室の授業を家庭に同時配信し、タブレットを通して友達や先生と会話し合いながら授業を行っている。

 現在、黒板とチョークの出番は激減し、タブレットと画面で学習し、ノートに整理するというように授業スタイルが激変し始めている。教育委員会としても、ICT活用を通して子どもの考え方や理解の状況に合わせて授業を展開し、子どもたちが一層力を発揮できるような授業の質的向上が図られるとともに、教職員の職務の効率化による働き方改革がさらに進むよう支援していく。

 4年度のハワイ語学研修は、新型コロナウイルスによる影響で実施できなかった。5年度は、中学2・3年生を対象に実施し、これまで参加できなかった新高校1・2年生についてもハワイで研修できるよう実施方法を含めて検討する。

(市町村 2023-03-17付)

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