士別市 5年度教育行政執行方針 義務教育学  校 朝日中で検討 幼~中対象ボール運動PGも
(市町村 2023-03-24付)

士別市教育長中峰寿彰
士別市教委・中峰寿彰教育長

 【旭川発】士別市教委の中峰寿彰教育長は5年度教育行政執行方針で、新たに「青少年運動能力向上事業」として、主に幼児から中学生までを対象に、ボール運動プログラム「バルシューレ」を基本とした取組を実施することで、子どもたちの運動能力向上を図る意向を示した。また、未耐震校舎として早急な対応が求められている朝日中学校に関わっては、保護者等との協議結果も踏まえ、糸魚小学校との小中接続による「義務教育学校」を前提に、総合計画に基づくスケジュールを踏まえた検討を進める。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

【学校教育】

 新型コロナウイルス感染症に関わっては、今後とも状況の変化や新たな取組にも対応しながら、学校における安全・安心の確保と学びの保障の両立を図るとともに、児童生徒の身体的・精神的・心理的健康の保持に努める。

 授業のユニバーサルデザイン化をはじめとする教員の研究活動を促進するほか、ICT活用に関わるプロジェクトチームなどを中心とした全市横断的な連携の強化を図り、授業力の向上やインターネット・リテラシーを含めた情報教育の充実に努める。

 教員の研修に関わっては、各種研修による能力向上がこれまで以上に強く求められ、さらにその履修状況の把握や助言等に関しては、学校長や教委が担うことからも、教委職員を含めた多くの学校教育関係者が常に学び続ける意識を持って、それぞれの役割を果たしていくことに努める。

 引き続き学校内外の通信環境の充実を図りながら、デジタル教科書をはじめとする各種デジタル教材の活用のほか、複数校によるオンライン授業と交流活動についての調査研究等を進める。

 今日の学校経営においては、外部人材の活用や支援員等の積極的関わりによる体制の充実、さらには学校運営協議会によるコミュニティ・スクール活動を中心とした地域との連携など、様々な視点や立場からの理解と協力も得ながら、より良い学校づくりに努める。

 児童生徒の多様な学びに向けては、引き続き各企業・事業所等の協力のもとでインターンシップ体験やトヨタ自動車士別試験場での視察見学、ダイハツ工業による「ものづくり体験教室」などの実施を予定している。合宿に訪れている実業団チーム等による「スポーツ教室」やオリンピアンによる「オリンピック・オリンピアン教室」についても継続実施し、子どもたちがアスリートと直接対面する中で、様々なことを感じて学ぶ機会の拡充を図る。

 農業学習や消費者教育、環境教育、防災教育をはじめ、平和や人権、男女共同参画等に関わる学習についても引き続き実施する。

 授業や活動内容によって特別な支援等を必要とする児童生徒に対して、より適切な指導と支援を提供するため、特別支援教育支援員の充実を図るほか、ことばに関する通級指導や読み・書きなどに関わる専門的支援を継続実施する。不登校児童生徒に関わっては、引き続き適応指導教室「ウィズ」での指導員による親身な支援と指導を進める。

 いじめに関わっては、全市的な「いじめ防止基本方針」と各校基本方針のもと、在籍校の教職員全体での対応はもとより、関係機関等の連携を深めながら、日常的な実態の把握と早い段階での対応に努める。虐待やヤングケアラー等に関わる事案のほか、問題行動などに対しても、児童生徒に寄り添うことを第一に、学校はもとより教委や市長部局担当に加え、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーとも必要に応じて連携し、適時・適切な対応に努める。

 引き続き市の義務教育段階においては、所得による教育格差が生じることのないよう、就学援助に関わる国の基本的取り扱いや他自治体の取組などを踏まえた調査・検討を進める。

 部活動に関わって、新年度からは国が示している「段階的な地域移行」に伴う取組を具体的に進めることになる。

 市における現状や活動の分野・種目の特性を踏まえ、今後の子どもたちのスポーツ・文化活動の在り方について、その連続性も考慮しながら最適と考えられる形態を模索していくことが必要。学校、PTA、各スポーツ団体や文化団体、さらには地域も含めて、多様な視点と協力体制を念頭に置いた協議会を設置し、共通認識・理解のもとで具体的な検討・協議を進める。

 士別東高校については、名実共に「移行支援としての高校教育」を実現している学校として高く評価されているところであり「生徒個々に応じた教育」や「ベーシックスタディ」など、個性や多様性を尊重し、個々の状況に対応した教育を引き続き推進する。学校運営協議会を中心として地域との連携のもと、地域に根差した教育活動の実践に努める。支援員体制を拡充し、一層きめ細かな教育活動を進める。

 多くの市内中学生の進路となっている士別翔雲高校に関わっては、引き続き、公立学校配置計画や今後の生徒数見込みなども見据えながら、地方創生における高校の魅力化の視点に立った連携と支援を進める。

【スポーツの振興】

 新たに「青少年運動能力向上事業」として、実施主体となる市スポーツ協会への補助のもと、主に幼児から中学生までを対象に、ボール運動プログラムである「バルシューレ」を基本とした取組を実施することで、子どもたちの運動能力向上を図る。

【教育・学習環境の整備】

 学校施設については、安全・安心を第一に必要な整備を進める。特に、未耐震校舎として早急な対応が求められている朝日中学校に関わっては、保護者等との協議結果も踏まえ、糸魚小学校との小中接続による「義務教育学校」を前提に、総合計画に基づくスケジュールを踏まえた検討を進める。

(市町村 2023-03-24付)

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