安平町　学校を核とした地域づくりへ　５年度からＬＰＭ導入　授業、部活等多くの効果期待

（市町村 2023-03-24付）

　【苫小牧発】「子育て世代に選ばれるまち」を目指す安平町は、５年度から学校を核とした地域づくりを進めるキーパーソンとなる「地域プロジェクトマネージャー」（ＬＰＭ）を導入する。学校と地域、関係機関、民間などの橋渡し役となるだけではなく、自らプロジェクトをマネジメントできる教育や地域に精通した人材を任用することによって町教委では「授業改善、ＩＣＴの推進、教員の働き方改革、部活動の地域移行など、あらゆる可能性が考えられる」と大きな期待を寄せている。

　ＬＰＭは、地方活性化のための総務省の事業。地方公共団体が重要プロジェクトを実施する際、関係者間を橋渡しする「ブリッジ人材」であるとともに、自らプロジェクトをマネジメントし推進する人材の任用に対し、６５０万円を上限に特別交付税措置がある。似た事業に地域おこし協力隊があるが、報酬は約３倍と管理職級で、自治体の核となる重要プロジェクトの推進が期待される。

　他の自治体では観光やスポーツ、先端技術や電力などによる町おこしで活用する例が見受けられるが「教育での任用は全国でも恐らく２例目」（町教委）という。

　ＬＰＭに固定したミッションはないが、町では５年度から地域協働本部を立ち上げることから、学校と地域の連携・協働体制の構築などを進める。

　ＬＰＭの人物像は、地域の実情を理解し、専門的な知識や仕事経験を通じた人脈がある者。町では恵庭市在住で、教員経験や幼稚園・保育事業の経験があり、ＩＣＴ推進員など多くの資格を持ち、現在大学の非常勤講師などを務めている人物を選出。様々な観点から活動してもらい、教師が授業に専念できる環境づくりやＩＣＴ教育の推進などを担ってもらう考え。

　ＬＰＭの活躍によって、授業改善や教育の魅力化、教員の働き方改革、部活動問題など「全て成果が波及し、課題解決に向かうことを期待している。ありとあらゆる可能性が考えられる」と町教委では大きな期待を寄せている。

　任期は４月１日から３年間を予定。

(市町村 2023-03-24付)