函館市教委４年度全国体力等調査　握力持久走等６種目で全国超　生活習慣改善へ啓発促進

（市町村 2023-03-23付）

　【函館発】函館市教委は４年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果をまとめた。体力合計点は小・中学校共に全国平均を下回ったが、種目別でみると小学校男女、中学校男子の「握力」、中学校男女の「持久走」など６種目が全国平均を大きく上回った。一方、質問紙調査では小・中学校男女共に「朝食を毎日食べる」と答えた割合が全国平均を下回っているほか「平日のテレビ、ゲーム、スマホ等の視聴時間が３時間以上」と回答した割合が全国平均超となっており、市教委は「生活習慣の課題改善に向けた啓発を各家庭へ一層周知する必要がある」との認識を示している。

　調査は、昨年４～７月、全国の小学５年と義務教育学校前期課程、特別支援学校小学部５年の１６００人、中学校２年、義務教育学校後期課程、中等教育学校前期課程および特別支援学校中学部２年の１５０６人が参加した。

　全国平均を５０・０としたＴ得点の体力合計点は、小・中学校男女共に全国平均を下回った。

　全国平均を上回った種目は、小学校男子の「反復横跳び」、小学校男女、中学校男子の「握力」、中学校男女の「持久走」。小学校男子の「長座体前屈」は全国平均と同等だった。

　身長と体重を表した体格と肥満度に関する調査をみると、小・中学校男女共に全国平均超となっており、特に小・中学校男子では高度肥満の割合が全道・全国平均より高い傾向にあった。

　運動習慣や体育の授業などを問う質問紙調査では「運動が好き」と回答した割合が小・中学校男女共に全国平均を２ポイント以上上回った。「できないことができるようになったきっかけ・理由」の項目で「授業外に自分で練習した」と回答した割合も全国平均を超えた。

　一方、小・中学校男女共に「朝食を毎日食べる」と答えた割合が全国平均より５ポイント以上低いほか、平日にテレビやゲーム、スマホ等を３時間以上視聴する割合が全国平均より１０ポイント高い。

　調査結果から市教委は、児童生徒の生活習慣に関する課題を重く受け止めている。今後はこれまで市内各校で保健だよりや学校だよりを通して各家庭に朝食を摂取するよう呼びかける取組をさらに推進していくほか、全国的にも課題となっている「ゲーム障がい」の予防などに向けた教育指導資料を作成し、各校で活用を促す方針。

　授業改善については、道教委の学校力向上に関する総合実践事業を活用し、中学校体育科の専科教員による小学校での専門的な指導などの取組を検討している。

(市町村 2023-03-23付)