小学校高学年教科担任制で事例集　小樽高島小など道内４校　文科省　１１校の実践紹介

（国 2023-03-27付）

　文部科学省は小学校高学年における教科担任制に関する事例集をまとめた。道内事例では、小樽市立高島小学校など４校における取組を紹介。長期的な視点で学級担任が幅広い教科の指導力を身に付けることができるよう工夫した実践事例などを紹介している。

　小学校高学年における教科担任制を巡っては、全国の学校や教育委員会で各学校や地域の実情を踏まえつつ、様々な工夫を凝らして導入を進めている。

　文科省は、中教審の答申で「４年度をめどに教科担任制を本格的に導入する必要がある」とされたことを受け、義務教育９年間を見通した教科担任制の在り方について検討会議を設置して議論。３年７月に報告をまとめた。

　報告では、教科担任制の取組による効果を①授業の質の向上②小・中学校間の円滑な接続③多面的な児童理解④教師の負担軽減―の４つの観点で整理した。

　事例集は、これら取組を注力的に進めた５都道県の１１小学校における実践事例を紹介。教科担任制導入による効果や課題、今後の方向性などを掲載している。

　うち道内の事例では、高島小、小樽市立手宮中央小学校、更別村立更別小学校、中札内村立中札内小学校を紹介している。

　高島小では、教科担任制によって学級担任が指導しなくなる教科について、複数年度を見越した人事配置計画を立てることで、長期的な視点で学級担任が幅広い教科の指導力を身に付けることができるよう工夫。

　手宮中央小では、専科教員が担当している教科について、学級担任がその教科を指導する機会が減ることで指導力が低下しないよう、組織的に校内研修を実施した。

　更別小、中札内小では、専科教員が入ることで、学級担任が担当しなくなる教科についても異動先でその教科を担当することも考慮。専科教員との日常的な打ち合わせや情報共有、授業参観、専科通信の発行などを行った。

(国 2023-03-27付)