文科省　ＳＳＨ５年度内定校　市立札幌旭丘など３校　国際的な科学技術人材育成へ

（国 2023-03-22付）

　文部科学省はスーパーサイエンスハイスクール（ＳＳＨ）の５年度内定校を公表した。道内からは市立札幌旭丘高校、札幌日本大学高校、釧路湖陵高校の３校が選ばれ、各校は新年度から将来を担う国際的な科学技術人材の育成に向けた研究開発に取り組む。

　ＳＳＨ支援事業は平成１４年から開始。先進的な理数系教育を実施している高校等を指定・支援することで将来のイノベーションの創出を担う科学技術関係人材の育成を図り、理数系の教育課程の改善に資する実践的資料を得ることがねらい。

　指定校では学習指導要領の枠を越えた教育課程の編成が可能で、高大接続や企業連携による生徒の興味・関心の喚起、フィールドワーク等による課題研究、海外の高校や大学との連携などに取り組む。指定期間は最長５年、支援額は年間３００～３０００万円。５年度からは新たに、探究・ＳＴＥＡＭ教育を推進するため、希望する一部の管理機関にコーディネーターを配置する。

　５年度は全国９０校から応募があり、外部有識者による書面やヒアリング審査を経て５９校を内定。これによって５年度の指定校数は約２５０校となった。内定校のうち新規性のある教育課程の研究開発や過去に開発した教育課程等の実践的研究開発を実施する「開発型・実践型」が４６校で、道内からは市立札幌旭丘高、札幌日本大学高、釧路湖陵高の３校が選ばれた。

　このうち市立札幌旭丘高は、北海道大学との連携による高大接続を見据えた教材開発や数理・データサイエンス科の学びを普通科に拡大・普及させる取組を推進。さらに国内外との高校とも連携を深め科学的教養や国際性の育成を目指すカリキュラムの研究開発を進める。

　札幌日大高は社会との関わりにおいて自らの価値観で課題を設定・解決し、望む未来へとたどり着く「未来想像力を発揮して科学的手法を用いて世界に貢献する人」の育成に向けたカリキュラムを開発・普及させる。

　釧路湖陵高は、社会とつながる科学技術人材を育成する「エージェンシー教育」と、生徒が実施した研修を企画・提案する「Ｅプラン（Ｅｘｐａｎｓｉｏｎ　ｐｌａｎ）」を２柱として、より良い未来を共創する「科学技術イノベーター」の養成を目指した研究を推進する。

(国 2023-03-22付)