数理データサイエンス人材育成へ　文科省ＳＳＨに内定　札幌旭丘高　教材開発など

（札幌市 2023-03-29付）

　市立札幌旭丘高校（相沢克明校長）は、文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール（ＳＳＨ）に内定した。札幌市立学校としては開成中等教育学校に続く２校目で、指定期間は９年度までの５年間。研究開発課題「次世代社会を担う科学的教養を備えた数理データサイエンス人材の育成」のもと、高大接続を見据えた数理データサイエンス教材の開発、数理データサイエンス教育の普通科および各教科への拡大などを推進する。

　同校は、平成１６年度から進学重視型単位制カリキュラムと総合的な学習（探究）の時間を通して全生徒が個人課題研究を行う教育活動を構築してきた。

　４年度からは新学科・数理データサイエンス科を開設し、理数分野を中心とした幅広い教養（ＳＴＥＡＭ教育）、情報活用能力（データサイエンス）を併せ持つ人材の育成を目指した教育活動を展開している。

　数理データサイエンス科の設置２年目を迎える５年度、ＳＳＨを通して数理データサイエンス教育と各教科が連携した課題探究的な学習を行うことで、科学的に思考し、吟味し、活用する力や新しい価値を見つけ出す力を持った生徒、情報活用能力を学習の基盤として主体的に学ぶ生徒を育成。

　①「気付く力」「思考する力」「発信する力」の育成②国際性と科学的教養の育成③数理データサイエンス教育や先端的理数教育、探究学習などの拠点創出―を目指す。

　具体的には、数理データサイエンス科の「ＳＤＳ基礎（１年生）」「ＳＤＳ探究（２年生）」「ＳＤＳ発展（３年生）」における課題探究を中心に北海道大学と連携し、高大接続を見据えた数理データサイエンス教材の開発を進める。

　開発した数理データサイエンス教材は、単位制の特色を生かして各教科および普通科に拡大。普通科の総合的な探究の時間「Ｓｕｎｒｉｓｅ　Ｔｉｍｅ」にも数理データサイエンス教育を取り入れていく考えで、今後検討を進めていく。

　また、普通科対象の理数系選択科目を「ＳＳ物理基礎」「ＳＳ物理」「ＳＳ数学Ⅱ」などに再編し、より高度な内容に発展させるなど、各教科に数理データサイエンス教育を内包した教育課程を開発する。

　国際性と科学的教養の育成に向けては、タイ・日本高校生サイエンスフェア、Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ　Ｒｏｃｋｅｔｒｙ　Ｃｈａｌｌｅｎｇｅ２０２３などへの参加を通して国際交流を推進するほか、大学・企業・研究機関等の先端科学を学習する「サイエンスアカデミー」を展開する。

　さらに、選択科目「先端科学特論」「生物野外観察」「地学野外観察」を開成中等教育学校と共同で実施する。

　小中学生向けの実験教室、ＳＳＨ講演会、女性研究者育成講演会、道内高校と共同のＳＳＨ課題研究発表会なども開催し、数理データサイエンス教育や先端的理数教育、探究学習の拠点創出を目指す。

(札幌市 2023-03-29付)