比布町５年度教育行政執行方針　運動部活動地域移行　体制検討へ　給食費高騰分は町費で

（市町村 2023-04-18付）

北川範之教育長

　【旭川発】比布町教委の北川範之教育長は５年度教育行政執行方針において、運動部活動の地域移行について学校等の実情と教師の負担・専門性、生徒の活動機会確保の観点から改革を進め、移行体制構築を検討する。比布中央学校では、後期課程修学旅行の行き先を首都圏とするほか、学校給食の価格高騰分を全額町費で賄う意向を示した。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学校教育

　比布中央学校では、キャリア教育のつなぎや社会教育との連携、子どもたちが経験を共にする場の設定、児童会と生徒会が交流する場の設定、５・６年生の部活動体験、外部講師の積極的活用、保育園との連携強化などについて重点的に取り組む。５年生以上にリーディングスキルテスト（ＲＳＴ）を実施し、読解力向上のための指導に生かす。

　後期課程の子どもたちを中心に、練成会グループによる学力向上対策事業「チャレンジゼミ」を引き続き開講する。また、５年生から高校進学への意識付けを図るとともに、保護者に対して情報を提供する。

　キャリア教育について、本年度も次世代型講習「あしたの寺子屋」事業を４日間開催する。修学旅行（後期課程）については行き先を首都圏とし、社会の最先端で働く人や最先端の科学・文化・施設などに直接触れ、視野を広げながら学習への関心・意欲を高めることを目的に実施する。

　学校におけるＩＣＴ環境整備を一層充実し、教員のＩＣＴ活用指導力向上に向けた研修や遠隔・オンライン教育などの実践研究を推進するとともに、子どもたちの学習機会の保障に向けた主体的な取組の充実を図るため、タブレット端末の持ち帰りなどＩＣＴを活用した効果的な学習支援にも積極的に努める。

　学校給食について、物価上昇が続く中、家庭の負担が増加している。物価高騰分については全額町費で賄うとともに、地元食材を積極的に提供するための予算を引き続き計上する。

　保育園と学校の円滑な接続の推進について、職員同士における課題の交流や栄養バランスの高い給食の献立、運動教室の在り方などについて取り組んでいく。

　運動部活動の地域移行について、道教委が示している仮称・部活動の地域移行に関する推進計画を踏まえ、学校や地域の実情と教師の負担・専門性、生徒の活動機会確保の観点から部活動改革を進め、移行体制構築に向けて検討する。

　安全教育については、保護者向けのメール配信システム「マチコミ」を活用し、緊急時の連絡や不審者情報、クマの出没情報など迅速に対応する。

　スクールバスについては、車両を更新するほか、一般にも利用可能となるように対応する。

　教育費負担軽減については引き続き高校就学応援事業を実施し、通学費やタブレット端末購入費などの一部補助として、高校生１人当たり３万円を支給する。

　本年度の学校増築および改修について、職員室の増築や児童クラブ設置に伴う前期課程校舎の改修、前期課程校舎玄関の修繕、前期課程・後期課程の普通教室と一部特別教室にエアコンの設置などを進める。

▼社会教育

　家庭教育の推進ついて、児童クラブに通う子どもたちの人数増による狭あい解消のため、６年度から児童クラブの学校内移転に向け準備を進める。また、子どもたちが学習や体験を積み重ねながら成長できるような児童クラブの運営や環境整備について検討する。

　子どもの読書活動については、学校の図書室とのシステム連携を図り、読書環境整備・充実などの支援や学校・保育園・児童クラブなどへの団体貸し出しを行うとともに、絵本の読み聞かせ会を行う。図書館が開館２０年となることから、記念事業を計画する。

(市町村 2023-04-18付)