湧別町 5年度教育行政執行方針 「学びの共同体」普及へ 新設の2部活動を支援(市町村 2023-04-20付)
阿部勉教育長
【網走発】湧別町教委の阿部勉教育長は、5年度教育行政執行方針において、北海道大学大学院教育学研究院の支援のもとに進めている中学校での「学びの共同体」の授業スタイルを、町内全ての学校に普及させるため各学校と連携を図っていく考えを示した。また、湧別高校で新たに設置するソフトテニス部とeスポーツ部を支援するため、必要なテニスコート整備費用を支援するとともに、eスポーツ部の活動場所として文化センターTOMにゲーミングパソコンを設置する。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▽小中一貫教育の推進
優れた教育環境を確保するため、町内全域で小中一貫教育の導入を進めており、本年度は湧別地区に本町2校目となる義務教育学校「ゆうべつ学園」を4月に開校させるとともに、前期課程用の屋内体育館を建設する。また、上湧別地区については、4つの小学校と1つの中学校を廃止して施設一体型義務教育学校を7年4月に開校することとした。このため校舎は上湧別中学校を活用し、本年度から2ヵ年で増築校舎を建設し、既存校舎の改修工事を6年度に実施していく。
▽学力向上の取組
全国学力・学習状況調査の結果が全国平均並みとなっており、これまで実施した湧別小学校を核とした「湧別町型学校力向上事業」の効果が表れている。また、北大大学院教育学研究院の支援によって中学校での「学びの共同体」の授業スタイルによる学力向上を進めている。
本年度は、これらを全ての学校に普及させるため、学校力向上プランを作成し、これを各学校と連携することで、町内全体の学力向上を図っていく。
▽ICT教育
各学校での利用実態を調査し、その中から特に学習効果が高い活用方法を町内の全学校で情報共有し、ICT機器の利活用を図っていく。
▽安全・安心な学校づくり
新型コロナウイルス感染症の対策については、引き続き国の対応ガイドラインや衛生管理マニュアルに基づく対策を取りながら、学校行事等の平常化を進める。また、オンライン授業やタブレット持ち帰りなど学びを止めない対策を行っていく。
登下校の安全確保については、本年度から法律改正によって全ての自転車利用者を対象にヘルメット着用努力義務化となるため、ヘルメット購入補助金の対象者を中学生まで拡大し、児童生徒の安全確保を図っていく。
▽特別支援教育
支援を必要とする児童生徒個々に応じた支援を行うため、通級指導教室をゆうべつ学園に設置し、ここを拠点として他校へ教員が巡回して通級指導を実施する。併せて、各学校に特別支援教育支援員を引き続き配置するとともに、関係機関との連携を図り適切な支援を提供していく。
▽部活動の地域移行
国のガイドラインでは本年度から3年間の改革推進期間中に、休日の部活動を地域移行することを目標にしているが、地域移行が難しい場合は、学校部活動を継続しつつ外部人材の導入による地域連携を進めることが求められている。
このため、本町の地域移行の在り方について、本年度から検討を開始する。
▽中高一貫教育
中学生にとって魅力ある中高一貫教育としなければいけないため、これまでのキャリア教育をベースとしながら、大学入試での総合型選抜の対応や社会人としての地域参画力の育成など新たな視点を加えるなど、本年度から中高一貫教育の見直しを行っていく。
▽湧別高校への支援
本年度は新たにソフトテニス部とeスポーツ部を設置するため、これに必要なテニスコート整備費用を支援するとともに、eスポーツ部の活動場所とするため文化センターTOMにゲーミングパソコンを設置する。また、6年度から全国募集をするために必要な広報活動経費などに支援を行っていく。
▽国際理解教育の推進
外国語教育については、英語検定資格の取得をめざす「英検チャレンジ事業」の対象学年を拡大して実施する。また、友好都市であるニュージーランドのセルウィン町・カナダのホワイトコート町と行っている中学生・高校生の交換留学事業と相互交流を行っていたが、本年度はニュージーランドへの派遣を予定している。
▽学校給食センターの運営
施設内の衛生管理を徹底し、地場産や北海道産の食材を優先的に使用した栄養バランスの優れた給食を提供する。食育については食の大切さや食に関する正しい知識と食習慣を身に付けるための栄養教諭による指導を行う。
本年度の給食費については、賄材料費の高騰が続いているが、昨年同様据え置きとし、1食当たり小学生247円、中学生285円で提供する。
(市町村 2023-04-20付)
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