帯広市教委　ひろびろチョイス　５月上旬導入へ手引　仮想空間で不登校児に学習機会

（市町村 2023-04-17付）

ひろびろチョイス概要等の説明

　【帯広発】帯広市教委は、不登校児童生徒に多様な学びを提供するプラットフォーム「ひろびろチョイス」の５月上旬の導入に向け「利用の手引」を作成した。１日３校時で入退室自由とする学びの在り方や、利用開始までの流れを記載。オンライン上での学習に加え、地域と連携した体験活動や参加者間の交流機会など、仮想空間と現実世界とのハイブリットによって人とのつながりを大切にした運用を図る。

　市教委は不登校児童生徒数の増加を受け、オンライン上の仮想空間に教室を開設する「ひろびろチョイス」を導入する。児童生徒がアバターを自身に見立て、オンライン上の教室に登校し、教科書や市教育研究所のコンテンツ、電子図書館を活用した学習等に加え、他者と交流できるもの。相談員との対話による「そうだんルーム」、参加者の作品を展示する「作品コーナー」、参加者間のつながりを広げる「ボードゲームコーナー」などの開設も予定している。

　文部科学省による「出席扱い等に関する７要件」を満たすよう設計し、登校に不安を抱える児童生徒の自己肯定感の醸成を図り、支援・指導の幅を広げる。１２日時点で２１人の児童生徒が参加を申し込んでいる。

　手引には、ひろびろチョイスでの学びの詳細や利用の流れを記載している。

　１日３校時（１校時４５分）を基本とし、参加者は午前１０時から午後２時１５分まで自由に入退室できる。相談員による出席や学習計画等の確認を終え、午前中は参加者の希望に応じた個別学習、午後からは市内のＮＰＯ法人・地域子育てネットすくさぽ、自由学舎クラムボンが提供する学びや、オンラインクラブ活動、月１回程度で開催する体験学習「遠足チョイス」などに参加できる。

　利用に当たり、児童生徒の希望を踏まえ、保護者は利用申込フォームを送信する必要がある。市教委が利用申込書案を作成し、当該学校に送付。学校は保護者と「出席扱い」「学習活動の評価」「グーグルアカウント」の３点を確認し、利用申込書を確定する。保護者のフォーム送信時からグーグルクラスルームの招待まで１週間ほどの期間を要する。

　希望に応じて、家庭による費用負担のもと、オンライン学習サービス「スタディサプリ」に加入でき、授業動画の視聴など個別学習での活用に役立てることができる。

　きょう１７日以降、学校を通じて市内全家庭に手引を送付し、あらためて周知を図る。

◆教頭等対象に概要等説明　保護者との確認徹底を　出席扱いや学習活動の評価

　１２日、市教委は市内教頭および主幹教諭を対象に、ひろびろチョイスの概要等を説明した＝写真＝。利用までの流れに関しては、学校への出席扱いおよび学習活動の評価について、市教委が作成したシミュレーション資料をもとに学校が保護者との確認を徹底するよう呼びかけた。

　出席扱いに関しては、定期的な対面指導が必要となることを説いた。評価においては、学校とひろびろチョイスでの学習教材では評価基準が異なるため、対面指導時の学習状況の把握だけでは判断が難しいことを確認。単元テストや定期考査を教育支援センターひろびろ、学校の別室等で行うなど、児童生徒の努力を適切に評価・評定する方法を提案した。「不登校の背景は多様であり、ひろびろチョイスの導入は初の試みのため、密に連携を図りながら進めたい」と伝えた。

(市町村 2023-04-17付)