当別町 5年度教育行政執行方針 子の学力と学び保障へ ICT活用し授業の質向上(市町村 2023-04-20付)
三澤吏佐子教育長
当別町教委の三澤吏佐子教育長は、町議会第1回定例会で5年度教育行政執行方針を説明した。ICTを効果的に活用するとともに、授業の質を向上に重点を置き、子どもたちの学力と学びの保障に取り組む考えを示した。執行方針の概要はつぎのとおり。
▼基本方針
幼保との連携、義務教育9年間の学びの連続性を踏まえた教育課程による「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」の育成を基本方針とし、ICTを効果的に活用し、児童生徒の学ぶ意欲を引き出す主体的・対話的で深い学びの実現に努める。
特に学校における教育の重点を、授業の質を向上させる授業改革に置き、子どもたちの学力と学びの保障に取り組む。授業改革は、石狩管内の共通した目標でもあり、対話を重視した授業を進めることで、全ての子どもたちの着実な学びにつなげていく。
▼学力向上
子どもたちの資質・能力の育成を図るICTを効果的かつ日常的に活用できるように、ICT支援員の配置やAIドリルの導入によって、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を図る。学力向上推進講師や支援員、介助員、看護師の独自配置を継続し、習熟度に合わせた学習支援を行う。
独自教科「とうべつ未来学」の充実のため、児童生徒向け講座や体験学習の機会をコーディネートし、地域資源を生かした授業の展開を推進する。さらに、キャリアノートのデジタル化に向け、ICTを活用したデータの蓄積や関係機関との連携に取り組む。
▼学校と地域による連携
多様化する児童生徒への指導と地域に応援される「開かれた学校」の実現のために、学校と地域の連携を図る。
不登校・いじめ問題については、スクールソーシャルワーカーによる支援を充実させる。町内各学校の巡回指導を行い、併せて、スクールカウンセラーの効果的な活用や適応指導教室の校内設置の検討などを行い、不登校の未然防止と相談体制の充実を図る。
学校と家庭が連携して、子どもたちにしっかりとした学力を身に付けさせるために「学びのハンドブック」の積極的な活用を図る。
プログラミング教室を実施し、論理的に物事を思考する力や創造性・問題解決能力の育成を図るとともに、将来STEAM人材として活躍する子どもたちにとっての礎を築く。
学校給食は、昨今の原材料費の高騰から給食費の改定を行うとともに、地元食材の活用促進や姉妹都市の食材を使った給食など、子どもたちが今まで以上に笑顔になる給食を提供する。また、食事の重要性や栄養食バランス、食文化などといった食に対する理解を深めるべく、地域食材を生かした食育授業の充実を図る。
部活動は、拠点校方式による移動負担を軽減すべく移動支援を行う。また、部活動には少子化や指導者確保の問題など多くの課題があるため、持続可能な部活動運営について研究する。
▼子育て支援
小中一貫教育が本格稼働する中で、幼児教育と小学校前期課程教育とのスムーズな接続はますます重要になってくる。そのため「幼保小接続プログラム」を活用し、学校入学時の引き継ぎ、学校児童と園児の交流、学校とこども園・発達支援センター間の情報交流や研修などを充実する。
待機児童発生の抑制については、町の移住促進施策の効果によって、増加している子育て世帯の幼児教育・保育ニーズに応えるために、手狭となる認定こども園おとぎのくにの園舎建て替えに対し支援する。
こども園に対する加配保育士配置への補助を1人から3人に増やし、年度途中の入園希望者の増加にも即対応できるよう事業者と共に体制を整える。
▼社会教育
生涯学習プログラムの充実として、地域の教育資源でる当別高校、北海道医療大学、日本体育大学のほか、総合型地域スポーツクラブなど地域の団体との連携強化、古文書解析など「当別歴史・文化プロジェクトの充実」、「ことぶき大学」などをはじめとした多世代交流の促進に努める。
学校支援への講師派遣のための地域人材のさらなる活用を図り、放課後学習会、土曜教室、地域巡検による子どもの学びの場の創出を進める。また、子どもたちのスポーツ・文化活動に対する支援にも継続して取り組む。
「子ども読書推進計画」に基づいた読書活動のため、図書館と学校図書館との連携をより深めるとともに、多くの方が読書に触れる機会の充実を図る。
▼施設整備等
学校設備については、西当別中学校屋内体育館の外壁修繕、西当別中学校における放送設備の改修を行う。
ICTを効果的に活用するために有効な電子黒板を、西当別小学校と西当別中に導入し、学習環境の充実を図る。
社会教育施設については、西当別コミュニティセンター温水管等改修工事を実施する。
(市町村 2023-04-20付)
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