佐呂間町5年度教育行政推進方針 保小接続会議立ち上げ 併設型小中一貫校を検討(市町村 2023-04-14付)
谷川敦教育長
【網走発】佐呂間町教委の谷川敦教育長は5年度教育行政推進方針において、保育所と小学校の接続の課題を解決するため、新たに「保小接続会議」を立ち上げ、検討を進めていく考えを示した。また、中1ギャップの解消等に向け、現在の学校は存続しつつ9年間の連続した教育課程を編成する「併設型小中一貫校」の検討を新たに進めていく。
推進方針の概要はつぎのとおり。
▼学校教育の推進
▽確かな学力の育成
佐呂間小学校では6年生を少人数学級編制とし、若佐小学校、浜佐呂間小学校では複式授業の解消や英語教育の充実を図るため、引き続き町単独の教員や英語補助員を採用し、中学校には町単独教員を配置し、充実した授業実施に取り組んでいく。
英語教育ではALTを派遣し、小中学生の外国語のコミュニケーション能力の向上等を進める。また、漢字検定、英検、数学検定に対する費用助成や、基礎的読解力を把握するためのリーディングスキルテストの小・中学校での実施など、それぞれの目標達成に向けた取組の支援を継続していく。
▽ICT教育の推進
各学校1台の電子黒板の導入、デジタル教科書の試行、AI型ドリル等が搭載されたe―ライブラリアドバンスの活用による学習支援、町内小・中学校間や経済交流都市である宮崎県都農町の小学校等とのウェブ交流やオンライン授業などに取り組んでいく。
また、全国学力・学習状況調査児童生徒質問紙調査の分析において、ゲームの時間が長く自宅学習時間が短い現状を踏まえ、各家庭の協力を得て、タブレット端末の持ち帰りによる生活習慣の定着などにも取り組む。
▽特別支援教育の充実
特別支援員を全ての学校に配置し、個別の指導計画に基づく、児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じたきめ細かな支援をしっかりと行っていく。佐呂間小のことばの教室においては、一部言語発達に遅滞のある児童のため、一人ひとりに応じた支援に努める。
▽豊かな人間性と感性を育む教育の推進
道徳教育はもとより、将来どこに住むことになったとしても、いつまでも「ふるさと佐呂間町」に思いをはせることを願い、町にゆかりのある社会人による授業を新たに取り入れていく。
いじめ・不登校等の問題については、子どもたちのささいな変化を見逃さず、保護者の悩みに向き合うため、スクール・カウンセラーや教育相談員による心のケアや、相談・支援の充実等を図っていく。
▽働き方改革の推進および学校の組織力の向上
定期的に時間外勤務の状況を公表し、教員がやりがいを感じ、子どもたちと向き合う時間を確保することができるよう教職員の働き方改革に取り組む。併せて、学校教育指導を行う教育局への指導主事派遣要請や各種研修会への参加奨励を行い、質の高い教育の実現に向けて、指導力・学校の組織力向上を目指していく。
▽0歳から18歳までを見通した教育・部活動の地域移行
0歳から18歳までを見通した学びの連続性に配慮しつつ、保育所と小学校の接続の課題について「保小接続会議」を新たに立ち上げ検討を開始する。また、中1ギャップの解消等のため、現在の学校は存続しつつ小・中学校9年間連続した教育課程を編成する「併設型小中一貫校」の検討を新たに進めていく。
部活動の地域移行についても、新たに「検討会議」を立ち上げ、子どもたちのニーズを第一に、検討を進めていく。
▽佐呂間高校支援対策
町内唯一の高校である佐呂間高においては、今後さらに中学生の減少が進むことを考え、存続の危機意識をより一層強く持ち、各種制度等に基づいて「大学進学者に年額50万円、短期大学・専門学校進学者に年額25万円の支給」「入学生徒に対する1人一律10万円の支給」「卒業後の就職等準備資金1人一律10万円の支給」を継続していく。
また「模擬試験・資格取得検定受験料の全額負担」「部活動遠征費および体育文化活動費の補助」「アラスカ州パーマ市への派遣補助」「教科書の無償提供」「学習用タブレット端末購入費の補助」の支援も引き続き講じていく。
魅力ある高校づくりに向け、地域魅力発見事業である「佐呂間高校生フォトコンテスト」の継続や大学教員による講義等の実施に加え、高校存続対策協議会において関係者の皆さまと協議を重ねていく。
(市町村 2023-04-14付)
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