札幌市教委　ハンドブック改訂　特別支援教育　全学校・学級で　円滑な学級運営へ活用を

（札幌市 2023-04-19付）

　札幌市教委は、特別支援教育指導資料『特別支援教育ハンドブック』を改訂した。インクルーシブ教育の理念を踏まえ、特別支援教育が全ての学校・学級で行われるものであると明記した。市教委は、円滑な学級運営に向けた教育課程の編成に資するものとなるよう活用を呼びかけている。

　国の近年の動向をみると、平成２３年に障害者基本法が改正、２５年に就学先決定の仕組みに関する学校教育法施行令が改正、２８年に障害者差別解消法が施行され、障がい者の権利に関する条約の趣旨を踏まえた制度改正が行われた。

　さらに、令和３年１月の新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議の報告の中で、インクルーシブ教育システムの構築に向けた特別支援教育のさらなる進展の必要性が示された。

　こうした国の動きや市教育振興基本計画の内容を踏まえ、児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じた支援・指導を各学校でより一層推進していくことができるよう、平成２６年度以来８年ぶりにハンドブックを改訂した。

　インクルーシブ教育の理念を踏まえ「全ての学校・全ての学級で行う特別支援教育」の項目を新設した。

　障がいの有無にかかわらず、誰もが能力を発揮し、共生社会の一員として共に認め合い、支え合い、誇りを持って生きられる社会の構築を目指す重要性を明記した。

　このほか、校務支援システムの機能の改修が行われたことなどを踏まえ、特別支援学級教育課程編成に関する届など各種様式の入出力に関する解説を充実させた。

　市教委は「多くの教職員が活用し、一人でも多くの子どもたちへの適切な支援に生かされれば」と期待している。

(札幌市 2023-04-19付)