名寄産業高で防災出前講座 自分事として捉えて 建設業界団体が主催(学校 2023-05-29付)
名寄産業高で防災出前講座
【旭川発】名寄産業高校(八丁正樹校長)で24日、旭川建設業協会二世会(新谷逸生会長)が主催する防災出前講座が開かれた=写真=。全校生徒63人は、避難所運営ゲームなどを通して防災について学習。災害を自分事として捉え、正しい情報をもとに行動することの大切さを知った。
旭川開発建設部、上川総合振興局旭川建設管理部、旭川市、旭川建設業協会(荒井保明会長)、上川調査設計協会(千葉新次会長)で構成する「北のけんせつ担い手」育成会議との共催。防災意識と地域への関心を高めてもらうことがねらいで、災害対応に当たる行政や建設業の役割も発信していく。
平成28年から旭川実業高校を皮切りにスタート。令和元年から名寄産業高、2年からは富良野緑峰高校も対象に加え毎年継続している。
開会に当たり八丁校長は「災害が起きたとき、自分自身で自分の身を守るというのが一番大事。正しい情報を自分で判断し、行動できる力が求められている」とし、この講座を機に防災意識を高めるよう呼びかけた。
新谷会長は「日頃はなかなか災害や防災について考える機会がないと思う。自分事として捉えていただきたいという思いで来たので、一緒に防災について考えてほしい」と述べた。
講座では、旭川開建の田代友則防災課長が、国土交通省の緊急災害対策派遣隊TEC―FОRCEについて触れ「全国で1万5074人の隊員がいて、災害時に全国で活動する」などと説明。災害対策用機械については「排水ポンプ車は25㍍プールの水を6分で排水する」など、各機械の特徴を分かりやすく解説した。
旭川建管の山下宏治地域調整課長は、名寄市内で発生した最近の災害事例を示した上で①地域の特徴を知る②正しい情報を得る③早めの避難行動―の3点を対応のポイントとして提示。クイズを通じて、生徒たちは講座の内容を振り返った。
引き続き、生徒は10班に分かれて避難所運営ゲーム(HUG)北海道版「Doはぐ」に取り組んだ=写真=。
真冬の災害発生を想定し、避難者一人ひとりの状況に合わせた対応を協議。「薬を服用している」「妊娠している」「宗教上、配慮すべき食べ物がある」といった様々なケースに応じて、避難所のどこの部屋に誘導すべきか検証した。
協議を終え、各グループが発表。「暗い場所でも行き来しやすいようライトを置いた」「避難者一人ひとりへのきめ細かな対応を心がけた」などと成果を伝えた。
八丁校長は「学校では教えられない部分を外部の方に指導してもらえるのはありがたい。地域のことを知り、身近に感じることにもつながる」と話した。
遠藤流星さん(3年)は「素早い決断や的確な状況把握が必要なことを再確認した。万一の際に生かしたい」と多くの学びを得た様子だった。
旭川実業高と富良野緑峰高については10月に予定している。
(学校 2023-05-29付)
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