持続可能な社会を考える講演会 人とのつながり意識を 松ゼミ開始探究ヒントに
(学校 2023-05-23付)

松前学講話
松前学講話

 松前高校は、ゼミ形式の探究学習「松ゼミ」の開始に向け、17日、持続可能な社会について考える講演会を実施した。農学博士の渋沢寿一さんが講師を務め、人とのつながりを意識した活動の重要性を強調。同校と松前中学校の全校生徒が参加し、地域探究のヒントを得ようと、熱心に耳を傾けた。

 講演は過去から現在までの社会の歴史や仕組みを理解し、持続可能な社会について考えることが目的。同校で取り組む地域課題解決に向けた探究活動の一環として実施した。

 渋沢さんは、明治の実業家・渋沢栄一のひ孫。農学博士で人と自然、人と人の「共存」を基本とした社会づくりを目指した活動を展開するNPO法人共存の森ネットワークの理事長を務める。

 講演で渋沢さんは、渋沢栄一が導入した資本主義によって経済が発展した歴史を振り返り「人々が経済状況を良くしようと文明を発達させた一方、環境破壊が起こってしまった」と述べ、自然環境の劣化に危機感を示した。

 エクアドルではマングローブの森を伐採し、エビの養殖池が造られている状況を解説し「現地住民は収入を得て学校や病院に通えるようになった。日本では冷凍エビが輸入され、天丼が安くなった。一方、地球温暖化が進み、海洋生物は絶滅の危機にある」と指摘。

 「持続可能な社会は先祖から続く」と強調した上で、高校生が開拓時代を知る高齢者に話を聞くアメリカの取組を紹介。人から直接話を聞き、知恵をつなぐ活動が大切であるとした。

 また「2030年までにSDGsの目標は達成できそうか」などの生徒の質疑に対し「人々の価値観や意識は変わりつつある。皆さんは地球環境を変えるために重要な世代。誇りを持って生きてほしい」とエールを送った。

 謝辞を述べた3年生の阿部蘭さんは「私たちの暮らしは自然との共生によって成り立っていることが分かった。渋沢さんの講話内容を今後の探究活動に生かしていきたい」と決意を話した。

(学校 2023-05-23付)

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