松前高 独自の地域学・松前学 4つのゼミ形式に変更 各教科と関連付け探究学習
(学校 2023-05-23付)

 【函館発】松前高校(濱名一博校長)は本年度から、独自の地域学・松前学をゼミ形式に変更して実施する。人文科学、社会科学、自然科学、保健福祉の4つの分野を各教科と関連付けて行うもので、学年の違う生徒が共同で興味・関心に応じた探究学習に取り組めるようにした。各ゼミではグループ活動で地域の課題解決に向けた探究テーマを設定。具体的には地域や民間企業と連携し、町民の利便性を高めるアプリケーションの開発やイベント企画など地域活性化に向けた活動が想定される。

 同校では平成23年度から独自の教育課程・松前学を設置。郷土愛を深め、地域に貢献できる人材育成を目的に、地域人材を活用した郷土料理実習など各学年に応じて様々な活動を展開してきた。学習を通して地域住民とのつながりを深められた一方、単発的な活動などに一部課題が見られた。

 こうした課題を踏まえ、本年度からは各学年で実施していた松前学Ⅰ・Ⅱ、探究松前学Ⅲを「松ゼミ」と称し、学習方法を変更。

 「行動力・挑戦力・協働力・探究力・発表力・基礎力」の同校で育てたい資質・能力の全てを総合的に活用し、地域の未来を創る能力の向上を目標としている。

 全学年合同授業で生徒は①人文科学②社会科学③自然科学④保健福祉―の4つのゼミのいずれかに所属する。

 1・2年生はグループ活動で取り組むほか、3年生では個人およびグループで探究活動を進める。

 4つのゼミは各教科と関連付けて行う。例として①では国語、英語、書道を中心教科とし、文化や言語、伝統などのキーワードから課題を設定。課題解決に向けた活動内容として、地域巡検やインタビュー、各種賞への応募、探究チャレンジ北海道への参加などを計画している。

 外部との連携では、町役場や町観光物産協会のほか、町内で風力発電事業を手がける東急不動産㈱などの民間企業などを予定。

 生徒は現在、課題テーマを検討中。学習を担当する喜多俊輔教諭によると、町民が生活の利便性を高められるアプリケーションの開発や地域資源であるサクラや鳥の観光スポットマップ製作などの案が挙がっているとしており、高校生の地域活性化に向けた活動に期待が高まっている。

(学校 2023-05-23付)

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