文科省リーディングＤＸスクール　帯広柏葉高がモデル校に　端末活用の実践　校種越え横展開

（学校 2023-05-22付）

　【帯広発】帯広柏葉高校（須藤克志校長）は本年度から文部科学省の新規事業「リーディングＤＸスクール事業」の指定を受け、管内全体のＩＣＴ活用の充実に向けた取組を進める。道高校長協会十勝支部や十勝教育局と連携・協働し、管内全ての高校を「協力校」に位置付けて事業を展開。小・中学校間の連携も視野に、好事例の横展開を図る。近日中に推進委員会の本年度初会合を開き、「十勝ＩＣＴサミット」の開催など、研修機会の設定に向けた検討を進める。

　同事業は、全国各地で１人１台端末の効果的な教育実践を創出・モデル化し、校種を越えて横展開することで全ての学校における教育活動の高度化を実現することがねらい。指定校は「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に向けた端末等の活用」「校務効率化」など５つの指標に沿った事例の創出を行う。

　同校は道立学校で唯一の指定校として採択を受けた。須藤校長は道高校長協会十勝支部長を務め、４年度から十勝教育局と協働して「十勝ＩＣＴ授業推進プロジェクト」を始動。管内全体でＩＣＴを活用した授業や業務の推進を図りながら生徒の学力向上や教職員の働き方改革につなげており、リーディングＤＸスクール事業の目的と重なることから事業の指定を受けた。

　今後予定している具体的な取組として、ＩＣＴを効果的に活用した授業改善を図る研修会「十勝ＩＣＴサミット」を１１月ごろに開催。専門知識を有する講師を招致した講演会や事例発表等を行う。管内全域の教員が参加しやすいようハイブリット方式で実施し、小・中学校との連携も視野に入れている。

　また、管内の高校で先進的にＩＣＴを活用している教員を委員として認定することで「十勝ＩＣＴ推進委員会」を設置する。プロジェクトの方針を検討し、十勝ＩＣＴサミットの企画・運営に携わるほか、各校の研修への援助、動画サイト等での実践事例紹介などに取り組む。近く第１回会議を開く見通し。

　須藤校長は本年度の目標に「小・中学校との連携」「各教科の研修」の２点を掲げている。取組の初弾として、現場の目線から短時間かつ高頻度の研修を行う同校独自の「ＩＣＴ放課後研修会」の参加対象を拡大する。

　高校のほか小・中学校の教員にも門戸を広げ、教科ごとに研修機会を設けるなど組織的な働きかけを検討しており、「プロジェクトを通して管内全体におけるＩＣＴ活用の底上げを図りたい」と力を込める。

(学校 2023-05-22付)