国研　教育課程実践検証協力校・国語　道教大附属函館中に　ＣＢＴ学習、指導の変化等調査

（学校 2023-05-17付）

　【函館発】道教育大学附属函館中学校（中村吉秀校長）は本年度、国立教育政策研究所・教育課程実践検証協力校事業の協力校に指定された。各教科等の教育課程に関するものとして、国語の協力校に選定。国研はＩＣＴを利用した教育データの測定などを目的に、同校がこれまで取り組んできたＣＢＴを取り入れた学習の実態や、特定の教員における指導の経年変化について情報収集する。

　同事業は国公私立の幼稚園、小・中学校、高校、中等教育学校等で幼児児童生徒が学習に取り組む様子を視察し、国が示す施策の反映状況などを情報収集することが目的。「各教科等の教育課程に関するもの」と、文部科学省が整備するＣＢＴシステムＭＥＸＣＢＴ（メクビット）に関する研究などを目的とした「Ｅ―Ａｓｓｅｓｓｍｅｎｔに関するもの」「学校全体で取り組むもの」の３つのカテゴリーがある。

　同校は、前年度から全教科でＣＢＴを利活用した形成的評価の実現に取り組んでおり、小テストや定期考査でグーグルフォームを扱った実践や研究を重ねてきた。

　個々の学習状況を瞬時に教職員と共有することで、生徒は蓄積された学習記録をもとに自己調整学習に取り組むことができるほか、教職員は授業の振り返りに役立てられるなどのメリットが検証されている。

　国研は、こうした実践に関する情報収集を目的に、同校を「各教科等の教育課程に関するもの・国語」の協力校に指定。９、１０月に鈴木太郎教育課程調査官が全学年の国語科の授業を視察する予定で、米田真琴教諭（１年）、阿部奈央美教諭（２年）、森谷剛教諭（３年）の３人の授業が対象となる。

　うち阿部教諭は前年度同事業の指定を受けていた北斗市立上磯中学校からことし４月同校に赴任。当時、２年生国語科の意見文を書く授業について鈴木調査官から指導助言を受けている。生徒の学習状況を把握するため、１人１台端末を活用し生徒と「構成メモ」を共有して生徒のつまづきを把握するなど、ＩＣＴを積極的に活用した指導力は道内の教育関係者からも定評がある。

　同校によると、今回の協力校指定は２年目の事業指定となる阿部教諭の指導を経年的に情報収集する観点もあるという。

　阿部教諭は前年度に引き続き「書くこと」に関する授業において、ＣＢＴを活用した指導と評価の一体化を目指す予定。「上磯中で得た知見と附属函館中のＣＢＴを活用した実践を組み合わせることで、１人１台端末の指導の在り方を検討し、成果や課題を共有したい」と話している。

(学校 2023-05-17付)